国宝級
それは夢であったのだが、ひどく不気味な夢だった。だが冷静に考えてみると、その夢がひどく幸運な夢であることに気づき、とても幸せになったことがある。
田舎の家はどこもそうなのだが、母屋が一軒だけポツンと建っているわけではない。大概その横に厩ないし納屋があり、少し離れたところには倉があるものだ。我が家はその上に味噌小屋や薪小屋なども別にあった。
私が夢を見たのは薪小屋だった。薪小屋は内所と呼ばれる台所の横で、西側の一番隅に建っていた。家のすぐ横が山になっているので、一日のうち数時間しか日が当たらず、小屋の周りはいつもジメジメしていた。
今では瓦も葺き替え周囲もコンクリートを張ったので、それほどではないが、雨の日などはやはり湿気ている。
ある日私は、薪小屋に蛇の住処がある夢を見たのだ。いるいる。大きな蛇から小さな蛇まで、親子だろうか。自分たちは代々ここに住み着いていていると大きな蛇がいうのだ。
「では薪小屋は昔から、白蛇の住処だったっていうのか」
そこで私は目が覚めた。
「縁起でもない、今日か明日には初孫が生まれるというのに、あんな白蛇がたくさん夢に出てくるなんて……。こんな不吉な夢、見なかったことにしよう。……うん。……まてよ、白蛇……。なんだって白蛇がたくさんだって!」
やっと目が覚めた。その日の午後生まれた初孫の手は開いていたが、はなぜかしら片方の手の親指と人差し指で丸を作っていた。
👌(オッケー)にも見えるし、お釈迦様の手のポーズにもこんな形あったな?いやいやお金のジェスチャーか……。「パパ、じいちゃんしっかり稼いでね」って意味か?
余談だがその朝嫁は、お黄金のうんちから赤ん坊が生まれた夢を見たという。
白蛇に黄金のうんち。なんと縁起のいいことか。嫁姑そろって国宝級の夢を見るなんて。
さても皆さま方には、母ばか婆ばかの戯言として、軽く聞き流していただきたいと、節にお願い申し上げます。
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