上には上がいる
天皇皇后両陛下ご結婚されたから三十年になりますね。ちょうど三十年前の六月九日でしたね。私は別に皇室追っかけのおばちゃんではないのですが、その日のことはよく覚えています。
その翌日が自分の誕生日だったということもあるのですが、そんなことよりもその日が雨だったからです。その日は祝日になったので、夫は雨の中ゴルフに出かけました。
でも夫がゴルフにいった日を三十年経っても覚えているなんてこと、普通は絶対ありませんよね。でも覚えているのです。それは雨が降っていたからです。そして夫は自他もとに認める「晴れ男」だったからです。
ですからその日にゴルフに行くことを数日前に伝えられた時も、いやな顔はしないで是非行ってくれと言いました。その日が雨になるのは早くから分かっていたので、こうなれば夫の神通力に頼るしかないと思ったからです。
その日のこと皆さん覚えていますか?朝か降っていた雨が、午後からのパレードが始まる前にぴたりと止みましたね。あれは今でも夫の「晴れ男」効果だと私は思っています。
満面の笑みをたたえ沿道の人々に手を振るお二人。白いドレスの雅子さま頭上にはティアラが輝いていましたね。今日ばかりは家族を顧みずゴルフに行った夫を、誉めてあげようと思っていた時でした。
「私も雅子さんの結婚式に行きたい」
と一緒テレビを見ていた末娘が言い出したのです。
「でも結婚式の舞踏会には招待状が無いと行けないよ。招待状もらった?」
「来てないけど、大丈夫だよ。私は雅子さまテレビで見て知っているから、雅子さまもきっと私のこと知っているよ」
等と言い出しました。
きっと幼い娘の目には、幸せそうなお二人が王子様とお姫様に見えたのでしょうね。
そんなこんなで三十年前の六月九日のことを私はよく覚えております。
また余談になりますが、当時夫の職場には「雨男」と自他ともに認める人物がいて、ゴルフに行くと必ず雨になるといわれていたそうです。さすがの夫もその人と一緒だと、大雨に降られるのだとか。
上には上がいるものですね。