時代のウェブログ

イマを見つめて
提言します

ねこの一生

2012年06月01日 00時00分01秒 | 生活・娯楽
赤ん坊は特有の崇高な価値を持つ。
人間の赤子は言うに及ばず、犬猫の仔も、鳥の雛も、みな共通した匂い、雰囲気を持つ。
ねこの子は生まれた直後、まだ目も開かぬうちから本能と嗅覚で母猫の乳首を目指して這い這いを始める。
動物の乳首は産み落とす子供に十分に行き渡る数だけあるというが、乳の出が良い乳首と出が悪い乳首があるようだ。仔猫たちは出の良い乳首を争う。出の良い乳首を確保した仔猫は成長が早い。ますます力の差が開く。野生では出の良い乳首を獲得できなかった仔は成猫になれずに死ぬことが珍しくないそうだ。生後1日めから弱肉強食が始まっている。
生後10日も過ぎると這い這いからよちよち歩きに変わる。一ヶ月になる前からはジャンプするように走り回ったりもする。成長が早い。動く物が視界に入るとじゃれつく。
早熟な牝猫では一歳を待たずに出産するのもいる。平均は一歳になる頃と考えておくといい。
牝猫に出産された時は軽いショックを受けた。まだまだ仔猫と思っていたのが突然に母親となった。人間の娘を持った男親もこういう気持ちを味わうのか。幸か不幸か経験がないので分からない。
歳を重ねるにつれ、だんだんねこは図太くなる。犬は違うのかもしれないが……。
飼い主とペットの関係から、だんだん対等な関係になっていくようだ。二歳過ぎからの猫との関係はルームシェアしてる同居人のようだった。
10歳を過ぎる頃から、衰えの陰りが見え始めた。
動物病院に連れて行く回数が増えた。
動物を飼うのは不思議な体験だ。
最初は子供。赤ん坊から幼稚園、小学校、中学校と成長して行く我が子を見守るような感覚で共同生活を営んだ。やがて対等な関係のパートナーに。そして気付けば自分の父親や母親の面倒を看るかのように老いている。
この6月で我が家の愛猫は17歳を迎える。
飼い主としては「人間に例えるなら」という比喩は用いたくない年齢になっていると自覚している。
来るべき日に備えて何か準備をしておこうという気は毛頭ないが、心を強く受け止め似られる覚悟は備えておくべきなのだろう。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする