時代のウェブログ

イマを見つめて
提言します

テレビの商法

2006年01月10日 11時12分00秒 | マスコミ
今はどうか知りませんが、私が子供だった頃の歴史の教科書の明治維新のところに「武士の商法」というイラストが載っていたのが強く印象に残っています。時代が変わった事に気付かずに、江戸時代のプライドを捨てられずにふんぞり返って商売をしている士族を風刺した漫画です。
30年くらい前、テレビ業界で、ちょうど同じ様にからかわれていた人種がいました。映画産業が斜陽化したため、テレビに仕事を移した人々です。「ディレクターと呼ばれたら返事もせず、監督という呼称に執着する演出家」とか「必ず『ここは本編(※映画のこと)ではこうやる』と頑なに映画の技法を曲げない技術スタッフ」などです(笑)。テレビマンにとって、彼らの姿勢は、まさしく時代を認識できない「武士の商法」のように映っていました。
ファミコンブームが起こり、子供たちがテレビゲームに熱中していた時代、製作会議で「ゴールデンの視聴率トップはCX、全日は日テレ……」などと喧々囂々の議論がなされている中、ある外部スタッフがポツリともらした言葉。「でも、今週、日本のテレビに一番映ってたのは、『ひょうきん族』でも『元気が出るテレビ』でもなく『ドラゴンクエスト』だったんじゃないか?」参加者全員が面白いジョークとして笑っていたそうです(笑)。

さて、現代に話は飛びます。多くのテレビマンは未だにテレビが情報産業のトップに君臨して、その立場は揺るがないという認識でいるとしか思えません。彼らにとってインターネットなどは「海の物とも山の物とも解らないゲテモノ」でしかありません。テレビとネット(IT)との様々な軋轢が生じる度に、テレビ側から出て来る見解にはそういう意識が見え隠れしています。あるいは楽天やライブドアなどの企業は、彼らにとっては普段顎で社員を使っている製作会社程度の三流企業くらいにしか思っていない感じです。
ある試算によると、TBSと楽天で持株会社を設立した場合、比率は楽天2:1TBSになるそうな。

経済的な立場において、すでにテレビ局というのは、かつて彼らが馬鹿にしていた斜陽映画産業に片足を踏み入れていると言っても、あながち間違いではない気がします。そして、その認識を持たず、プライドだけで「武士の商法」を続けていけば、情報発信者の立場においても、取り残された存在になってしまう危険性はもう十分過ぎるほど現れています。
奢れる者は久しからず……。


【おまけ】本社移転と視聴率
ちょうどバブルの頃、在京キー局は揃って手狭になった都心の一等地を売却して広い土地へ移転する計画を立てました。真っ先に着手したのがTBSで緑山にスタジオを建設。「風雲たけし城」なんてだだっ広い敷地で収録する番組を製りました。ところが、この緑山スタジオは出演者から大不評。「遠すぎる」、「(他局と)掛け持ちしにくい」。で結局、貸しスタジオになって、TBS本社はまた高い赤坂に建設。なんかグリーンピアとかかんぽの宿みたいです。
六本木人になったANB。こちらも本社移転はかなり迷走しました。古くなった社屋を建て替える代わりに、あの地区を再開発する森ビルとの等価交換で先にできていた六本木アークヒルズに移転。しかし、これも評判が悪かった。元の立地よりも交通の便が悪くなったうえに全部地下。テレ朝はモグラの巣という悪評が。でもって、結局はアークヒルズを引き払い、元の六本木放送センターの場所に新本社建設。これが現在の六本木ヒルズのANBです。なんかアークヒルズは現在の新本社建設のための仮住まいだったような事を言ってるようですが、当時のANB社員は「アークの新本社に移転」とハッキリ言ってましたが。
これに対して、すっきり本社を移転できたのが日テレ(麹町→汐留)とCX(河田町→お台場)ですね。お台場は遠いという不評はかなり聞きますが、それでもTBSやANBに比較すれば成功したと言えるでしょう。
巨人戦の視聴率低迷でかなり荒れましたが、それでも視聴率競争の勝者グループ(日テレ・CX)と敗者グループ(TBS・ANB)が、本社移転でも同じく色分けされているのは興味深い感じがします。
もちろん偶然かもしれませんが、あるいは時流や情勢を見る能力が無い上層部は、数字が取れる番組の企画書も見極められないと言えるかもしれません(笑)。

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結婚式くらい地球内でやれ!

2006年01月06日 20時16分00秒 | 社会・経済
愛の誓いを書いたカードを宇宙空間に放出し、披露宴会場で中継する新ビジネス構想を河島伸樹近畿大教授(宇宙工学)らがまとめた。一分間の中継は五万円、録画は二万円を想定。出資者を探している。
小型衛星に名刺大カードとプリンターを搭載。高度五百―六百キロの軌道に乗せる。地上からメッセージを送信、衛星の中で印刷され、地球が背景となるように放出口に焦点を合わせて設置したカメラで撮影する。カードはカメラの前をゆっくりと出て行く。
結婚式を予定する三百十五人のアンケートで二百十人(67%)が「五万円以上でも申し込みたい」と答えた。企業の社長訓示や祝賀会での利用も想定。河島教授は「ビジネスとして有望だ。早ければ2008年に実現したい」と話している。
(6日・東京新聞)


宇宙塵の恐怖という話を聞いた記憶がある。宇宙空間に漂う塵は非常に危険で、仮に宇宙遊泳中の宇宙飛行士に当たると宇宙服に穴が開いてしまって即死するという。或いは宇宙船の船体に穴を開ける危険も考えられるとか。ただし宇宙塵が飛行士や宇宙船に当たる確率はコンマ何ケタ以下、つまりぶつかる事はほとんど考えられないという。
恐らくこの教授も宇宙工学の専門家だから、こんなビジネスをしても弊害が起きる確率はほとんど無いと計算しているのだろう。
しかしこのようなビジネスが乱立したらどうなって行くのか?

かつて高度経済成長期に乱立した工場群が、海は広いのだから僅かな排水を流したところで何の影響も起こさないという確信で操業されていた。その結果が今日、どのような結果を招いたかは語る必要は無いだろう。
人間よ驕るなかれ。もっと謙虚に生きよ。

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郵便局なんか いらない!

2006年01月04日 00時01分00秒 | 政治
昨年の総選挙の最大の争点は、郵政民営化であった。
はたして10年後のわが国に現在の様な郵便局が必要でしょうか?
時代が見えない郵政民営化反対派が「郵便局が無くなります」なんて言うのは仕方がありませんが。

まずは郵便事業。郵便から電子メールへシフトしていることは紛れも無い現実です。電報が祝電や弔電といった儀礼的な用途のみで利用され、通信手段としては用途がなくなったように、将来においては郵便も年賀状や暑中見舞いといった儀礼的な用途だけになるでしょう。私も郵便は、年間に何通も出していません。
こう書くと「メールやネットを利用できないお年寄りなどを犠牲にするのか?」などと怒る人がいそうですが、そういう人は将来においてもメールという物はキーやボタンを押して文字を出し、変換して文章を作る……という発想しか無い人です。将来においては現在のような不便なメール作成方式など使われ続けません。かつてDOSでコマンド入力してアプリケーションを起動していた時代には、パソコンは理科系技術者でもなければ操作できないと思われていたのです。すでに手書き入力は一般化されていますし、紙に手で文字を書く様にメールを書けるようになり、IT端末の操作はテレビのリモコン程度になるでしょう。テレビの操作がわからずに見られないというお年寄りがいますか?さらに障害者の方などは、わざわざポストに投函しなければならない現在の郵便よりはずっと便利になります。

郵貯や簡保もしかり。「近くに郵便局が無くなると、遠くまで行かなくてはならない」と反対派は言いますが、「お金を下ろしに行かなければならない生活」よりも「お金を下しに行かなくてすむ生活」の方が便利なのは誰でもわかります。それには電子決済・電子通貨の普及が望まれますが、課題はもちろんセキュリティの高度化、そしてITが苦手な層に対する簡単で解り易いハードとソフトの開発、そして政治家として大切なのは、個人情報の保護や犯罪被害に遭った場合に救済される法整備などでしょう。
なお「郵便局で住民票が取れたりしたら便利になる」というような意見もありますが、それよりも「自宅で取れるほうがより便利」である事は言う間でもありません。

つまり将来においては「郵便局が遠い、近くにある」という次元ではなく「個人個人が現在の郵便局のような機能を果たす端末を所持する」という時代が訪れるだろう事が推測されます。
その時に重要なのは、前述のように「より人に優しいハードやソフトの開発」や「セキュリティの強化」などであり、これこそIT屋の専門分野だろうと思います。
政治家の大切な仕事は、人々が今日よりももっと幸福になれる明日のビジョンを描き、それを実現していくことであろうと思います。

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NHKなんか要らない!

2006年01月03日 00時01分00秒 | マスコミ
NHK受信料不払いに法的手続きも――とか。

はたしてNHKという組織は必要なのであろうか?
それを検証するために、まず「公共放送」と言われるNHKにどのような役目があるのか考えてみたい。
1 政党や企業などに偏向しない中立・公正な報道
2 災害時等における情報伝達により国民の生命・財産の保護
3 教育素材の提供
4 娯楽の提供
5 新技術の開発
などが上げられるだろう。
まず1について。企業である新聞社や民間放送はどうしても企業としての利害関係に影響されるので、「ヒモ付き」でないマスコミが必要という理屈だろう。確かにライブドアのニッポン放送株買収問題ではフジ・サンケイグループは時間外買い付けがまるで違法行為のように思えるような報道をしていたから頷くことはできる。でもNHKはどうなのか? 海老沢会長(当時)の国会質疑を中継しないNHKを「公正・中立な報道姿勢」と評価している国民がどれだけいるのか? それが今回の受信料不払いという行動に繋がっているのは明らかなことだ。
次に2。確かに災害時における情報は非常に大切だ。しかし阪神大震災などで明らかになっているように、被災時に一番活躍するメディアはテレビではなくラジオだ。テレビは被災地の外にいる人間たちが「あそこは大変になってる」といって見るだけで、被災地の中にいる被災民たちが一番情報を得る手段はラジオ。知らない人がいるかもしれないので念のために言っておくが、ラジオでNHKを聞いても「聴取料」は発生しない。テレビを所持した時だけに「受信料」という物を取られる。
3について。確かに教育インフラが未整備だった時代にビジュアル素材としてNHK教育テレビが果たした役割は大きい。しかし現在は状況が全く違い、小・中学校にビデオやDVDがあるのは当たり前の時代だ。NHK教育テレビの番組を授業に活用しているところでも、オンエアのリアルタイムに利用しているのではなく、録画した番組をそれぞれの学校のタイムテーブルに併せて使用している。こういう状況にも関わらず、地上波を使用して日本全国に放送するのはエネルギーの無駄でしかない。
4。これはもはや不要でしょう。戦後、楽しみはテレビしかない時代ならばともかく、現在において娯楽を受信料という税金まがいの物を集めてまで提供する理由はない。大河ドラマも紅白も、あるいは高校野球も大相撲、見たい人間が受益者負担で見れば良いだけの話。「紅白の視聴率が下がり続けている」のは国民の生活が向上した証であり、「どうすれば、また視聴率が上がるか」とNHKが考えているとしたら本末転倒だ。
5について。これは大いに認める。BS放送もハイビジョンも、NHKが無ければ、これほど発達はしなかった。しかし、これは国家的な事業である。例えば宇宙開発などに共通するもの。NHKなどという第三セクターみたいな機関に任せるのではなく、きちんと税金を使用して国家的プロジェクトとしてやらなければならない事業であると思う。

という訳で、私の結論としては、NHKは分割民営化、一部国有化しての解体がベストだ。
放送技術の研究・開発は文部科学省のプロジェクトとして行い、災害時の情報伝達は内閣府に担当セクションを設置して、こういう場合に必ず設置される被害対策本部と提携して適切に行う。当然だがこの方がNHKが取材して放送するよりも迅速に情報が伝わるし、誤報も減る。
この二つの事業以外は民間でオーケー。「民間でできることは民間で」――最近イヤというほど耳にする言葉だが、NHKこそ、この原理が当てはまる。
小学館や学研など教育素材を販売する民間企業は五万とある。NHK教育も全く同じく民間会社としてやっていって何の問題もない。そもそもNHK教育はサブ・テキストでしょ?メインとなる教科書を作っているのは民間の出版社なのです。
NHK総合の娯楽番組は、前述の通り、見たい人間が受益者負担で視聴するのが当然。WOWWOWやCSのようにスクランブルでも掛けたらいい。実は大相撲や高校野球が大好きなくせに「NHKは全く見ません」という不届き者も減るよ(笑)。さらに経営合理化という見地からも、現在は大量の人件費を費やしている集金人を減らせる事で、料金も下げられて利用者への利益還元になる。もっとも大量の集金人はNHKの関係者が多いようですから、非合理的と十分に解っていても減らす努力をしないんだと思いますが。「天下り」や道路公団のファミリー企業と似た構図ですね。これを見てもNHKは国民よりも自組織の利益を優先して運営されていることがよく解る……。

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フグと牛肉

2006年01月02日 00時01分00秒 | 生活・娯楽
「しかしアメリカ人って度胸あるよな~。完全に検査してない牛肉を平気で食べてるんだから」
と米国人の知り合いに言ったところ、
「100匹が100匹とも毒を持ってるフグを平気で食べる日本人のほうが度胸ある」
と言い返された。
欧米人の感覚ではコブラやサソリを食べるのと同じらしい。

確かに厳重に管理され国家資格を持った調理人が作るので安全なのだが、そもそも「なぜそこまでして食材として用いるのか?」という素朴な疑問には答えられないな。

「そこまでして食うほど旨いから」と答えようにも、私はこれまでフグなんか食ったことないから解らないし(爆)。

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自民中学校の通信簿

2006年01月01日 00時01分00秒 | 政治
いちねんせい

出席番号1・かたやまさつきくん(純先生の評価95てん・同級生の評判↓)
一学期はとても人気があり学級委員にも選ばれたさつきくん。でも学級委員になったとたんに威張り出して同級生の評価はすごく下がっちゃいましたー。ところが純先生の評価は高得点。実は純先生はさつきくん出身の官僚小学校の児童を大幅に減らそうとしてるのです。「官僚小なんて皆んなあんなやつばっかり」と同級生の国民くんたちが思ってくれれば好都合なのです。でも、その改革が済んだらさつきくんも安泰じゃいられなくなるので注意してね。本当に官僚小が好きなのは、さつきくんが馬鹿にしてる「コイツ」くんなのですから仲直りしとくといいかもよ。

出席番号2・ふじのまきこくん(純先生の評価40てん・同級生の評判→)
授業をサボってケーキ屋さんにいたところをチクられちゃいました。でもいいわけしないで素直に謝ったので、あんまり評価は下がりませんでした。本当はケーキ屋さんでお店のお手伝いをしていたそうです。解らない授業を欠伸しながら聞いてるよりは、お店のお手伝いしてた方が社会の役に立っていたのかもしれませんね。でも、もう中学生なんだから、お勉強もしっかりしてね。

出席番号3・さとうゆかりくん(純先生の評価50てん・同級生の評判↑)
一学期とあんまり変わってないんですが、ほかの子たちが色々と悪戯とかしてたので、知らないうちに評価が上がってました。小学校で英語のお勉強をしていたのも役立ったみたいです。弁論大会で「改悪」って言い間違えちゃいましたが、可愛いから許されちゃいました。かわいいって得よねーとのぶこくんが言ってたとか言ってないとか。

出席番号4・すぎむらたいぞうくん(純先生の評価30てん・同級生の評判↑)
一年生の平均点から見ればまだ下だと純先生は評価してます。実はたけべ先生も同じ意見です。でも入学当時ずっと0点ばかり取っていたので、「勉強すればできる子なんだから」と必死に褒めています。たいぞうくんも少しずつお勉強の面白さが解り始め、ヤル気を出してきたようです。でも上級生のおおにたくんが「遊ぼうよー」と誘いに来るので困っているそうです。

じょうきゅうせい

出席番号1・おおにたあつしくん(純先生の評価75てん・同級生の評価↓)
自民中学の人気者でしたが、人気者の一年生がいっぱい入学してきたので面白くないそうです。授業よりも休み時間に一年生の教室へあいさつに行くのが最大の楽しみになっています。純先生の評価が意外なくらい高いのは、おおにたくんが来ると一年生がみんな立派な子に見えるからだそうです。本人は推薦で高校へ行けると信じてる様子ですが、純先生やたけべ先生たちは「推薦状は出してもらえないだろうね」と思ってるそうです。

出席番号2・のだせいこくん(純先生の評価空欄・同級生の評価↓)
ミス自民中と言われた人気者でしたが、生徒会選挙でずっと悪口を言ってた人に突然投票してみたり、学級会でずっと反対意見を言ってたのに多数決で突然賛成に手を上げたりして「あの子は何を考えているの」と同級生の評判は下がりっ放しです。純先生は「うちの学校にそんな生徒いたっけ?」と評価は空欄です。

――みなさん、これからもがんばりましょう

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