今から五十年ほど前にテレビのクイズ番組企画を依頼された。
当時のクイズ番組の獲得賞金の上限は百万円だったので「百万円を獲得できるビッグでゴージャスなクイズ番組」がコンセプトだった。
百万円を詠っている以上百万円獲得者が出ないのはパッとしない。かと言って毎回百万円を持ってかれたのでは番組予算が足りない。
月に1人くらい百万円獲得者が出て、毎回の優勝者の獲得金額は三十万円から五十万円程度になるよう問題の難易度や配分を調整する。
その結果、知識で正解できるのは二十万円程度までで、残りはカンで答えるしかない三択や四択問題で二十万円を増やしたり減らしたりする方式にする。これなら正解率は33.3%や25%になる計算だ。
放送作家やADが回答者に扮してシミュレートを繰り返す。その結果、こんな問題配分にすればプロデューサーが望む番組になるというフォーマットが完成していよいよ番組開始。
第一回放送、優勝者百万円獲得。第二回放送、優勝者百万円獲得。第三放送、優勝者百万円獲得。
構成責任者としてプロデューサーに弁解する。
「何度も何度もシミュレートしたんですよ。こんな結果になる確率なんか何千分の一なんです」
するとプロデューサーが言った。
「芸能界で生き残ってるやつらって特有の引きというか独特の勘みたいなのを持ってるんだよ。普通は確率33%だろうが25%だろうが、アイツらは正解を引き当てちゃうんだよ」
ホロライブの博衣こよりさんやさくらみこさんが人生ゲームのライブ対戦配信をしていた。
人生ゲームは最初の穏やかな流れから次第にヒートアップしていく。勝ち負けの差が開き始める。
そのため最後に逆転用マップが用意されている。通常よりもプラスがでかい代わりにマイナスも超でかい。
通常プレーでは逆転不可能な下位プレイヤーがこのマップを選ぶ。挽回することもあるが、当然さらなる泥沼にはまることもある。
下位プレイヤーはもちろんこのマップを選んだが、上位プレイヤーも配信の面白さを狙いこのマップを選んだ。
全員がラッキーマスとアンラッキーマスが交互に並ぶ地獄のマップを選んで進む。
結果、全員が一度もアンラッキーマスに入ることなく資産を増やしてゴールイン。
五十年前に聞いたPDの言葉を思い出した。
登録者数百万人とかいうユーチューバーも芸能人と同じ様な強い引きというか独特の強運みたいな物を持っているのかもしれない。
当時のクイズ番組の獲得賞金の上限は百万円だったので「百万円を獲得できるビッグでゴージャスなクイズ番組」がコンセプトだった。
百万円を詠っている以上百万円獲得者が出ないのはパッとしない。かと言って毎回百万円を持ってかれたのでは番組予算が足りない。
月に1人くらい百万円獲得者が出て、毎回の優勝者の獲得金額は三十万円から五十万円程度になるよう問題の難易度や配分を調整する。
その結果、知識で正解できるのは二十万円程度までで、残りはカンで答えるしかない三択や四択問題で二十万円を増やしたり減らしたりする方式にする。これなら正解率は33.3%や25%になる計算だ。
放送作家やADが回答者に扮してシミュレートを繰り返す。その結果、こんな問題配分にすればプロデューサーが望む番組になるというフォーマットが完成していよいよ番組開始。
第一回放送、優勝者百万円獲得。第二回放送、優勝者百万円獲得。第三放送、優勝者百万円獲得。
構成責任者としてプロデューサーに弁解する。
「何度も何度もシミュレートしたんですよ。こんな結果になる確率なんか何千分の一なんです」
するとプロデューサーが言った。
「芸能界で生き残ってるやつらって特有の引きというか独特の勘みたいなのを持ってるんだよ。普通は確率33%だろうが25%だろうが、アイツらは正解を引き当てちゃうんだよ」
ホロライブの博衣こよりさんやさくらみこさんが人生ゲームのライブ対戦配信をしていた。
人生ゲームは最初の穏やかな流れから次第にヒートアップしていく。勝ち負けの差が開き始める。
そのため最後に逆転用マップが用意されている。通常よりもプラスがでかい代わりにマイナスも超でかい。
通常プレーでは逆転不可能な下位プレイヤーがこのマップを選ぶ。挽回することもあるが、当然さらなる泥沼にはまることもある。
下位プレイヤーはもちろんこのマップを選んだが、上位プレイヤーも配信の面白さを狙いこのマップを選んだ。
全員がラッキーマスとアンラッキーマスが交互に並ぶ地獄のマップを選んで進む。
結果、全員が一度もアンラッキーマスに入ることなく資産を増やしてゴールイン。
五十年前に聞いたPDの言葉を思い出した。
登録者数百万人とかいうユーチューバーも芸能人と同じ様な強い引きというか独特の強運みたいな物を持っているのかもしれない。
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