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篠山紀信さん死去

2024年01月05日 15時00分12秒 | マスコミ
私事から入るが、筆者は中学・高校と写真部だった。何を撮っていたかと言うと「カメ小」のハシリで、当時人気絶頂だった山口百恵ちゃんや桜田淳子ちゃんを追っかけて撮影していた。現在は街中で勝手に芸能人を撮影するのは禁止とか、あるいは盗撮容疑で条例違反にすらなりかねないらしいが、あの時代は肖像権とか個人情報とかが大らかな時代だった。
脱線するが少年漫画雑誌には「〇〇先生へのファンレターはこちら。東京都練馬区石神井一丁目XX-XX」みたいに漫画家の自宅住所が堂々と掲載されていた。漫画家志望の青年が自作原稿を見てもらおうと自宅へ押しかけたとか、漫画家にとってはなんとも迷惑な話だが、それで才能が認められてアシスタントに採用されたなんて都市伝説もある。ともかくそんな時代だった。月刊明星や平凡には人気芸能人の月間スケジュールが「2月1日テレビ東京ヤンヤン歌うスタジオ収録。2月2日豊島園。グラビア撮影。2月3日池袋パルコ。サイン会・・・」みたいに詳細に掲載されていたので、それを見て写真を撮りに行っていた。

その時代、ある日、篠山紀信先生の講演会があった。カメ小の筆者にとって、明星や平凡でアイドルを撮りまくっている篠山先生は憧れの人、いや神様だから当然聴きに行った。そこで覚えているエピソードがある。講演後、ファンの質問コーナーがあって、そこで「写真家として一番撮りたいアイドルは誰ですか?」という質問があった。先生の答えは「僕は出版社に依頼されて撮ってるので、別に百恵が好きだから撮りたいとか淳子が好きだから撮りたいって仕事しているわけじゃありません。依頼された被写体をベストに撮るのが仕事です。だから写真家として撮りたい芸能人はいません。・・・・でも個人として好きな芸能人は南沙織です」
もちろんこの講演会は独身時代の頃です。のちに篠山紀信・南沙織結婚というニュースを聞いて「なんて正直な人なんだろう」と感激しました。公開の講演会で堂々と「個人的に好きなのは南沙織」って言うなんてすごいよね。そしてマスコミも特にそれで騒がないってのも時代ですねw

なんか良い思い出です。謹んでご冥福を祈ります。