西向きのバルコニーから

私立カームラ博物館付属芸能芸術家研究所の日誌

広島とうかさん

2008年06月06日 17時06分00秒 | Weblog
 今から10年程前の話。
 私は、広島のとある声優学校で、講師をしていた。

 ある日、講義が早く終わって時間が出来たので、広島の街を散策することにした。
 すると、私に一人の生徒がこう言った。

 生徒「先生、それなら〈とうかさん〉へ行ってみたらどうですか?」
 私「〈とうかさん)って何?」
 生徒「今日、お祭りなんですよ。着物のお姉ちゃんもいっぱい見れますよ」
 私「へー、じゃあ〈とうかさん〉って、どこのお祭り?」
 生徒「さあ……? 商店街のお祭りじゃないですかね?」
 私「え? じゃあ〈とうかさん〉って、どんな字書くの?」
 生徒「さあ……?」

 その場にいた何人かの生徒は、誰も答えられず、私は何も分からないまま、街へと繰り出してみた。
 恐らく、どこかの神社かお寺のお祭りなのではないかと思ったのだが、その時は分からず仕舞いであった。

 結局「とうかさん」が、広島円隆寺の御神体「稲荷(とうか)大明神」を崇敬するお祭りで、別名を「ゆかたの着始め祭り」とも呼び、広島に夏を告げるお祭りであることを知ったのは、それから数年後のことだった。

 http://www.toukasan.net/


 今日の日めくりカレンダーを見て、そんなことを思い出した。