ツリフネソソウの赤い花が咲いていました。


吊り舟








・野菜たっぷり中華スープ

帆を張った船の形に似ているからと言いますが、花器の「吊り舟」にもよく似ています。

吊り舟
つまり吊り下げた舟。
可愛らしい形の花ですが、なかなかの戦略家。
甘い蜜を奥の奥に隠し、虫を誘い込み、花粉をたっぷり運んでもらう作戦。
蜜が隠されている場所はここ。

後ろに突き出た部分は「距(きょ)」と呼ばれますが、そこが丸まってさらに複雑な形。
この蜜にたどり着けるのはハナバチや長い口吻を持つホウジャクの仲間たち。

頭を花に突っ込んで吸蜜中。
ホウジャクの口吻はこんなに伸びます。


これはボタンクサギの蜜を吸っているところですが、長さがよくわかるかと思います。
この長い口吻でも、ツリフネソソウが隠した蜜を吸うためには、花の中に頭を入れないと吸えないのです。
ツリフネソソウの花びらにある黄色い模様は「蜜標(みつひょう)」と言って、「蜜があるよ」と虫たちに教えるサイン。

花の上の部分に雌蕊の柱頭が見えています。その手前に花粉をつけた雄蕊があるはずですが、残念ながら写真ではよく分かりません。

入り口には弁のようなものがついていて、行きはよいよい…。
どんどん細くなる花から出てくるには、後ずさりするしかなく、さらにこの弁に引っかかるため、背中が上部の雄蕊にぶつかり、花粉をたっぷりつけて出てくることになります。
そして、次の花から出るときにその花粉は雌蕊につき、さらに新しい花粉が再び背中につきます。

頭いいなぁ…
この花の形にそんな機能が備わっていたのか!!!
ちなみにツリフネソソウの実は、弾けて種子を飛び散らせるタイプ。
これまた、頭のいい作戦。
海外では「タッチミーノット」なんて呼ばれるくらい、実にもインパクトのある植物です。
北多摩ではちょうど実が弾ける季節。見つけたら触ってみてください。
【今朝のおうちごはん】

・野菜たっぷり中華スープ
・チョコフランス
・ヨーグルトwithアンズジャム
今日もいい日になりますように!