VIVIEN住生活総研

住生活ジャーナリストVivienこと藤井繁子が、公私を交えて住まいや暮らしの情報をお届けします!

大和ハウス、決算&中期経営計画

2008年05月13日 | 住宅業界
大和ハウス工業のアナリスト向け決算説明会が水道橋の大和ハウス東京ビルにて開催された。
 (広報の知野氏が司会進行、 村上社長を中心に樋口会長や決算関係の役員が前にお揃い)
 
まず、平成20年3月期の決算報告。 
連結で売上1兆7092.34億円(+5.6%)・営業利益891.2億円(+4.0%)・経常利益612.9億円(▲31.4%)。
退職給付数理差異が▲264.1億と経常利益をマイナスに引っ張ったが、住宅会社の中では売上・営業利益のプラスは健闘している。

大和ハウス工業個別は、1兆1576.6億円・632.45億円は減収増益。
売上戸数については、建築請負事業で38091戸(+0.1%)不動産事業で5938戸(▲14.4%)の、合計44029戸(▲2.1%)。
中では集合住宅(アパート)29021戸(+1.0%)が金額共に、他のマイナスを補った。

マンション事業は今期4253戸(▲14.6%)と大手ディベロッパー規模であるが、現在、不採算用地を赤でも整理するという調整局面。
今後は質を重視した企画、地方を縮小し首都圏に絞るなど案件を精査し、新ブランド「PREMIST」の強化を図る。

宅地開発も同様に凍結・縮小し、開発投資は強化する中国(大連・蘇州・上海)を中心とした海外でのディベロッピングに向ける。 
  
大和ハウスは総合生活産業を標榜し、住宅だけでなく商業施設、ホテル、ホームセンター、物流事業など早くから多角経営を推進してきたので
グループ会社の貢献が多きいかと期待したが、売上は好調に伸びたものの利益はまだ調整中のようで
樋口会長からは「世間では選択と集中と言うが、たかが売上1兆円程度の当社はまだまだ〝選択と拡大〟!」と樋口節が飛び出した。

決算説明会の後半は中期経営計画【Challenge 2010】(2008.4~2010.3)の説明。
2010年に売上1兆8500億円・営業利益1150億円(利益率6.2%)・ROE9.0%が目標値。グループ事業領域を8つに設定する。
 
8事業領域を[拡大][再生][育成]と分類し、戸建・マンション事業は
村上社長からの市場環境予測でも住宅マーケット拡大は今後厳しいと、[再生]カテゴリーに位置づけられ来期売上もマイナス予測。
(来期挽回を狙って、売上・戸数増を目標に置いている他社と違う戦略。現実を見てると言えるが)

アナリストからの質問でも「こんなに営業利益率の低い戸建事業(2%前後)を続ける意味はあるのか?」と痛い質問。
私も驚いたのは、受注高では戸数だけでなく金額までが[戸建住宅より集合住宅(アパート)の方が]高くなって逆転していること。
大和ハウスでも初めての事で担当役員も驚いておられた。潮目がここにもあった・・・

しかしながら戸建事業も平均売上金額が2890万円と徐々に改善されてきており、総合展示場を減らし他社同様に「街角LABO展示場」を増やす動きなど
「xevo」で商品統合された注文請負事業は、ここからコストパフォーマンスを上げる努力で利益創出し再生を図る。
(27%と建替比率が年々下げているのが気になるが。)

さて説明会後は社内の会場で懇親会。 
営業系のご責任者である大野副社長(左)や、お風邪を召されてお疲れモードの村上社長にもお話を伺った。
 
樋口会長は体調全快でゴルフも解禁になると、お元気で何より!

来期予測は、売上1兆7500億円・営業利益9500億円・経常利益9350億円の増収増益で中期経営計画をスタートする。


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