VIVIEN住生活総研

住生活ジャーナリストVivienこと藤井繁子が、公私を交えて住まいや暮らしの情報をお届けします!

豊かな住生活を実現する国民推進会議

2008年10月29日 | 住宅業界
ゆとりある豊かな住生活を実現する国民推進会議」の全国大会が、東京国際フォーラムで開催され
勇壮な和太鼓のエンターテイメントで開幕した。(主に経済団体や住宅業界の各社が集い会場は満員)
 
日本の住宅・住環境を良くして行くための国民会議として住宅生産団体連合会(住団連)が呼びかけ、
日本経済団体連合会・日本商工会議所・経済同友会・関西経済連合会・日本労働組合総連合会など経済団体が支援団体として参加。

13人の設立発起人の代表として奥田 碩、日本経済団体連合会名誉会長からご挨拶。
「住宅産業は年間19兆円規模、関連産業の波及効果を入れると36兆円にものぼる大きな産業で内需拡大の要」と、
経済活性化策としての住宅政策強化を要望された。 

金子国土交通大臣は「過去最大額になる住宅ローン減税やリフォームの投資型減税でテコ入れ」をアピール。
長期優良住宅に関する法案可決が遅れていて、その優遇政策が見えないのが残念。

次に大会宣言として壇上に並んだのは、和田住団連会長(積水ハウス)はじめ大手住宅会社9社のトップ。

大会宣言(左)と同様に9つの活動の目的

全国大会の基調講演には林望氏。「住む思想を巡って~イギリスと日本と~」。
いつもながら英国の街を理想としたお話ではあるが、今回は南向きの間取りを重視する日本の習慣が街づくりの元凶という事例。
英国の古くからの敷地、区画割り(右下)を見せ、裏庭を集める事で大きな木や緑地空間を担保していると。
南北関係無く、縦長で家は道路側に

一方、日本は敷地にゆとりのある高級住宅地でも‘南側に庭’を取り、街並みも緑地も形成できていないと
‘チバリーヒルズ’こと東急ワンハンドレッドヒルズを悪い事例に紹介(東急関係者もいらっしゃっただろうに・・・)。
空撮まで出して
英国式と日本式の区画割り比較。 また長期優良住宅に関する話題に、英国での住宅保存活動を紹介。
   ここまで壊れても残す技術
後半のパネルディスカッションでは、樋口恵子、高齢社会をよくする女性の会理事長が「年をとると、一転び百万円」と
入院・治療費が怖いという話で会場を沸かせた。
住宅リフォームも、転ばぬ先の杖になるべく早めに取り組んで頂きたいものだ。



住宅産業フォーラム21 @大阪

2008年10月20日 | 住宅業界
大阪科学技術センターが運営する「住宅産業フォーラム21」は、
関西で住宅産業に関わる官・民・学が会員の活動グループ。座長は巽 和夫(京都大学 名誉教授)先生。

第13年度になるという今期は‘住宅産業の新潮流’を掲げ、
今回のフォーラムは「住宅の新しい潮流ー住まい手にどう応えるかー」というテーマで開催、私も講演者として依頼を受け
大阪へ飛んだ。 大阪科学技術センターは関西に長らく居たのに初めて。(四ツ橋本町)
時代を感じるキャラクター?!
趣旨説明を企画幹事である八木氏(倉敷紡績)から。

まずハウジング・トリビューン(創樹社)の中山編集長が「住宅専門誌が読み解く住まいと住生活の新しい価値」を講演。
 
キーワードを七つ提案、その一つ‘つながる暮らし’の事例、「さくらガーデン」(横浜市泉区)などを紹介された。

次に私が「ストック社会に向けて、住宅産業に求められるもの」と題し、
既存住宅流通活性化策を住教育の必要性と海外の事例などで紹介した。


後半は、会員会社の取り組みが発表された。
積水ハウス、ハートフル生活研究所の中村所長。ストック市場を住宅と車で消費の違いを提示。
フルスケルトン再生事業などの取り組みを紹介し、家より暮らし・住まい方に生活者の関心があることを解説。

大和ハウス工業、総合技術研究所生活ソフト研究室の小池室長は「『ハッピーハグモデル』と『近居・育孫』について」。
ベネッセと共同開発したソフト提案、『ハッピーハグモデル』はコミュニケーションと成長をゾーン分けした間取りの提案。

最後にTOTO、コミュニケーション本部営業情報部の川勢部長から
「将来の水回りの提案~生活価値創造に向けて~」と題し、‘みえない価値観’の追求が必要と。
合わせて創業90周年の昨年発表した、2017年の水まわり展示も紹介。


質疑応答の後、巽座長が考察され、「育孫はオレオレ詐欺を彷彿させる・・・」と
爺婆を金蔓と見る風潮は良くないと言うご意見。当事者的な感じ方が新鮮だった。
また全て機能・サービスを住宅(メーカー)にビルトインする考え方に疑問を抱くとも。(インフィルは独立サービスであるべきと)
   
「企業としてだけではなく、社会としての有り方を考えたい」というフォーラムの意志を伝えられて会が終了した。

今日は此処で懐かしい方に再会!リクルート大阪時代のお取引先(大阪ガスアーバネックス)だった吉岡直さん(上)
(現、大阪ガストータルファシリティーズ取締役)が、私が講演するという事で顔を見せて下さった。
10年ぶり位でしょうか・・・お元気そう&若々しくて驚いてしまいましたが、お会いできて嬉しかったデス。


アキュラホーム、30周年記念パーティ

2008年10月15日 | 住宅業界
アキュラホームが創業30周年を記念した、記者懇談会を、皇居前のパレスホテルで開催した。
創業者である宮沢俊哉社長のご挨拶では
「‘企業30年説’もある中、これまでやってきた事を見直し、今後どうあるべきかを考える機会にしたい」と。

中卒で大工の丁稚奉公から始まり1978年に個人創業した宮内社長は、
工務店の代表として住宅政策に関係するような委員会に顔を連ねられることも。

新美常務が乾杯、役員はじめ社員の方々も参加し記者達と懇親。異業種からの転職組みも活躍し活性化しているようだ。

東京都のローコスト住宅への挑戦として注目されていた、
東村山市の分譲住宅プロジェクトではアキュラホームの物件は完売したという事。
家づくりだけでなく分譲住宅を通じて、まちづくりやコミュニティーづくりにも取り組まれている。

直営で約1500棟/年、ノウハウを共有する[JAHBnet]は580社(約9000棟)にも成長している。
埼玉県大宮から新宿へ本社を移し、不動産不況の中もまだ成長過程にあるようだ。

左写真の右は、「日経ホームビルダー」で漫画を連載している村瀬氏。
左のアキュラホーム広報の堀越氏も漫画のモデルになったという事で、同じくモデルで登場した私と3人揃って!
   
「家づくりを愚直にやっていきたい」と宮沢社長。経営が順調という事か、以前お会いした時より元気で若返った印象だった。

明海大学、不動産学部で講義

2008年10月09日 | 住宅業界
明海大学不動産学部 経営ビジネス専修コース「不動産ビジネスの経営戦略」では、不動産業会人が講師を務める
「業界の動向と、企業が求める人材について」という講義を設けていて、3年生の学生を前に社会人がシリーズで演壇に上がる。
この3年私がそのシリーズの1番手を仰せつかり、浦安キャンパスにて一講義をさせて頂いた。

私の場合は、住宅・不動産業の周辺にある情報誌などメディアについてとカスタマー・マーケティング・リサーチの役割と手法を少し紹介し
不動産取引業以外にも、様々な関連業があることに気付いてもらえば良いと思う。
今年は大教室だったので空席も見られるが、女学生含め熱心に。
不動産学部は具体的かつ珍しい学部なので、昨今の少子化による学生不足は一般的な学部より厳しく無いという事であったが
不動産業のご子息が多いという事は今後、親御さんの経営環境も厳しくなるであろうと思われる。

そんな市況の中、新しい不動産ビジネスの有り方を彼らが考え、古い手法を改革して行くことで業界が活性化してゆく可能性にも期待したい。



住教育と高円宮妃の笑顔

2008年10月08日 | 住宅業界
住生活月間である10月、今年は東京が中央イベント都市。各所で住宅や暮らしに関するイベントが開催される中、
今年住教育ガイドラインが策定され関心を持っていた、住教育の現場を見学に行った。

文京区立の駒本小学校が授業を公開。3・4年生向け図画工作科のテーマに‘造形活動からすまいを考える’という設定。
「マドをあけてこんにちわ+私の居場所」と題して、子供達はダンボールなどで居場所(家)を工作する体育館での授業。
 
担当の大道博敏先生。張られた条件には‘材料置き場近く(パブリックスペース)’‘壁際’など立地の利点・難点が書かれ
「どこに作るか」という不動産的思考も与えている所が興味深かった。
  
入り口に「あいことばは・・・」と暗証コード!秘密基地のよう。ガイドラインを策定した小澤紀美子教授も見学。
 「都会の子の窓は小さめですね」と。

そこへ今日は皇室から、高円宮妃久子様が見学にお見えになった。なんとナチュラルな笑顔! 
 
先生のお話を聞き、子供達の所をくまなく回り、じっくり時間をかけてご見学。豪快に笑う姿も好感!(足元は同じスリッパだし)
  
和田住団連会長(積水ハウス)や国交省の坂本課長など関係者が揃ってご同行。
 
妃の隣に居るのは、サッカー協会&IOC委員の岡野氏?文京区の教育委員という事。
 我々にも、笑顔。
見学終了と思ったら外では、鼓笛隊の演奏が待ち構えていた。
 
最後も笑顔でお車に。

住まいについて考える機会を子供の頃からつくる事は、日本の住環境や住文化がより豊かになる一助と私は信じる。
住教育を今回のように色んな科目のテーマとして取り組んで頂けることを切に願っている。
その支援となるような活動を住関連産業界も積極的にできればと思う。

しかし、今日は高円宮妃の笑顔に考えさせられるものがあったなぁ・・・
あんな風に自然な笑顔を振りまくのは簡単な事では無いと思う。見る人を幸せな気持ちにさせる事は間違いない。
あまり関心が無かったけど、皇室の役割ってそういうもんなのだと実感した。

逗子でも古家リノベーションの居酒屋

2008年10月07日 | 湘南・逗子の暮らし
JR「逗子」駅から約10分と少し離れた住宅街にある、小さな古い平屋。そこが『丸久』(046-871-2340)という居酒屋。
所謂、保存したい素敵な古屋と違って・・・昭和の陳腐な家屋を、手作りでリノベーションした風の外観。

中に入ると、意外にインテリアは洗練された空間になっている。
広くは無いスペースを、デザインの違う椅子で雰囲気を分け、場所を選ぶ楽しさがある。
私達は、囲炉裏のある和室で炉辺焼きの雰囲気で!

今日のメンバーは、まちづくりの市民活動「歩行者と自転車のまちを考える会」の発起人達。
このテーマは逗子市の[まちづくり基本計画]にあるテーマの一つ。
私が会長を仰せつかり、現在、テーマ型まちづくり計画の制定に向けて活動する協議会として市から認定を受ける準備中。


お料理の方は、焼き鳥や串焼きがメインでとても美味しかった・・・ので写真を撮るのを忘れて食べてしまった!
最後に、豆腐の味噌焼き(?)、そぼろの親子丼で閉め、リーゾナブル・プライスが嬉しく隠れ家にしたいお店だった。

トヨタホームの賃貸住宅「スマートメゾン」

2008年10月01日 | 住宅業界
近年、住宅会社では、賃貸住宅(アパート請負)の売上を個人住宅(注文請負)よりも伸ばしてきた会社も少なく無かったが
トヨタホームは、今回やっと企画型賃貸住宅を商品化して本格的に販売する事となった。
(以前にもアパート建築はしていたものの、事実上、初の商品化)

スマートメゾン」は個人邸と同じ鉄骨ユニット工法のシンセシリーズ。
記者発表会では、稲葉泰成トヨタホーム賃貸住宅事業室長が開発背景や商品戦略などを解説。
実は稲葉氏、元リクルートの住宅情報誌事業にいらした我々の先輩。
数年前からこの事業の為に転職され、ついに発表の場を迎えられた!
 リクルートでは賃貸情報誌事業も担当。
「スマートメゾン」の特徴は、注文住宅のユニットをそのまま活用するので
一戸建ての空間、耐震・耐久性を備え、60年長期保証に対応した質の高い賃貸住宅になるにも関わらず
建築価格は坪42.8万円から、というリーゾナブル価格を実現できた事。

トヨタグループの従業員用の賃貸入居者ニーズも踏まえた上で、オーナーへ建築提案するのも強み。家賃保証は20年で対応。

初年度は300戸の目標、と控えめなのもトヨタらしいが
今回はミサワホームとの業務提携により、空間デザインで協力を得た共同開発の第一弾でもある。
逆にミサワホームへは、購買力・部材開発とトヨタの協力が活きているようで
今後、厳しさが増す市場で両社の協力体制は一層本格化してゆくことだろう。