VIVIEN住生活総研

住生活ジャーナリストVivienこと藤井繁子が、公私を交えて住まいや暮らしの情報をお届けします!

Arrivederci ! Milanoは凄かった

2008年04月18日 | ミラノ・サローネ08
今年のミラノ・サローネは、Fiera会場入場者数が348,000人(対昨年比29%増)という驚くべき集客増になった。
その内の60%、210,000人は海外からの集客。主な国はSpain, Russia, France, Germany and the South East Asian countriesと。
中でも急増したのは南アメリカで、新マーケットとして期待するコメントが出ていた。

イタリア家具(FurnitureSystem)の輸出高においても、上位フランス・ドイツ・イギリスとEU諸国にアメリカ・ロシアが続き、07年は前年約10%Up。
ちなみに日本は14位でマイナス約12%と、50位内で2桁マイナスはアルジェリアと日本だけ。

ここまで景況感に温度差があるとは思っていなかった。EU諸国は元気である。
(この直前の上海は、ある程度現地のバブル感を想像していたのでショックは少なめだったが)

株安やらサブプライムやら、その上にユーロ高で日本の家具輸入企業にとっては厳しい環境であるが
今回、日本のプロダクトを輸出する為のプロジェクトも業界団体が仕掛けていたように、欧州との付き合い方も変化している。

日本人デザイナーの人気ぶりを見て、〝日本商品の輸出〟その可能性が高いことも実感できたが
問題は、ヨーロッパ企業はデザイナーの扱いが日本企業とかなり違う点だ。デザイナーが造りたい環境を提供できる度量が大きい。

ミラノ・サローネのジャーナリストへの対応を見ていても、同じものを感じる。
5000人以上も集まるジャーナリストと、どう付き合うべきかを主催者は知っているのである。
(ヨーロッパ内でも競争力の差は出ていて、ドイツのケルンからミラノへの出展来場シフトは起こっている)

良いデザイナーが喜んで来てくれて、素晴らしいプロダクトが輸出できるような日本のインテリア産業となるには
やはり官民、国を挙げての環境整備がかなり重要であると実感した。

さもなくば、住産業においてもデザイナーはじめ有能な日本人達は、日本で仕事をしなくなり人材の空洞化を進行させてしまう。

さて、そんな日本に向けて帰国。 空港の売店でもインテリア雑誌の棚数に圧倒され「文化の差がメディア数の差だよな・・・」。

行き返り、松下電工さん御一行様と同じ便だった。
「出展、お疲れ様でした!」 

経営難のアリタリア航空、自国なのに条件の悪い搭乗口・・・タラップだし、国内便のよう。 帰りも日本食にしたが、悪くなかった。
 
Grazie! Milano!!


「FURO」小坂竜氏&橋本夕紀夫氏

2008年04月17日 | ミラノ・サローネ08
ミラノのトレンディ・スポットであるCorso como界隈、日本の人気インテリアデザイナー小坂竜氏と橋本夕紀夫氏が
お風呂のエキジビション「FURO」を展示、お昼間にFiera会場で出会った小坂氏に誘って頂いたパーティへ伺った。
 KANJIN社主催の展示会 
生憎の雨になったが、ミラノの夜は長い!  会場では樽酒が振舞われ、盛り上がる会場はミラノである事を忘れさせる・・・

展示された小坂氏の「檜風呂」と橋本氏の「漆風呂」は、2007年11月に東京ビッグサイトで開催されたインテリアトレンドショーで発表された作品。
その折に「日本が誇る伝統工芸品を海外へ!」と盛り上がった勢いで、ミラノ・サローネへの出展を決めたという裏話も。
  
小坂氏(左)と、この「檜風呂」を製作した桶職人の佐藤今朝雄氏(右) も参加。後ろのタイルも小坂氏の新作。

橋本氏(右)の作品「漆風呂」に私も腰掛ける!? 東京ビックサイトではありえない・・・
  
KANJIN社の製品も展示

興味深かったのは、彼らの展示は日本伝統工芸の紹介だけに留まらず、プロダクトとして販売する事が目的であること。
檜風呂は1000万円以上するらしいが今まで数台売れているようで、更に海外での可能性は期待できる。

インテリアデザインの価値は使われてこそ、その良し悪しが判断されるべき。
プロトタイプに終わらず、商品として真っ向勝負する。
「売るんですよ!」と言った、彼らの心意気にJapanDesignの光を見たミラノの夜であった。

バスルーム見本市は、2年目131社の出展

2008年04月17日 | ミラノ・サローネ08
ミラノ・サローネに国際バスルーム見本市が2006年から併催され、キッチンと同じく隔年開催の今年が2年目。
131社の参加、スペースはキッチン展示の1/3程度の規模になるが、面白いプロダクトが見れるパビリオンである。

しかしながら今年は時間切れ・・・通りすがり程度でしか見れなかった。

左、この発想は日本人には無かった?ゆっくり長湯できますね~ 中、水栓メーカーの展示は海の底の海草が水栓! 
  
右、シンプルながら計算されたデザインの洗面スタンド。

agape社のブースには入ってみた。ここでもP.ウルキオラが活躍!
 
  
左、省スペースのバス・洗面!  右、檜のような木製バスタブ、体の曲線に合わせた底面。
(トネリコの市内企画展のチラシが受付に置いてあったが、もしや和の匂いがするコレ、トネリコデザイン?)


キッチン設備見本市[FTK]には21社

2008年04月17日 | ミラノ・サローネ08
ガスコンロやビルトイン設備機器のメーカーが出展する[FTK]見本市会場。
21社の企業が出展していたが日本には入っていない会社が多いが、BOSCH・GAGGENAU・SIEMENS・Whirlpoolなど

その中で日本でも知名度の高い2社のブースを見学。

会場に向かう地下鉄の駅で大々的にプロモーションをしていた、Electrolux社。「Thinking of you」がメッセージ。
  
中華鍋用クッキングヒーター!AEG-Electrolux社(AEG社はグループに)。
TVとウォーターディスペンサーもキャビネットにビルトイン。ステンレスのフラット設計はクールモダンなキッチンに。

こちらの真っ赤なブースはMiele社。 ミーレで特大冷蔵庫は初めての商品化ということ。
 デカッ、家庭用? 
「Generation 5000」という新シリーズが発表。日本では発売未定のようだが、エスプレッソマシンと液晶でガイダンスが出るオーブン。
  

このFTK会場と共に、Eurocucina内の各キッチンにどこの会社の設備がビルトインされているのかを見て回ると面白い。



ユーロクチーナ:8ヶ国141社のキッチン展示

2008年04月17日 | ミラノ・サローネ08
2年に一回、ミラノ・サローネで併催されるキッチン見本市『Eurocucina(ユーロクチーナ)』、今年は8ヶ国141社の展示。
今年の色調は、一昨年のグリーンから、ファニチャーZone同様、アースカラー調。中でもグレーの使われ方が面白かった。

また印象的だった2つのトレンド、一つは〝LIVING KITCHEN〟の進化。「Living&Cooking Style」や「Living Kitchen」という表現で、‘生活するキッチン、寛ぐキッチン’としてキッチンが生活の中心にある空間コンセプト。

その〝LIVING KITCHEN〟空間をデザインする際、炊事場的キッチンの気配を無くしファニチャー化する提案が主流であるが、キッチンをオブシェとして大胆に演出する提案も見られた。

もう一つのトレンドは、〝マニッシュ、男前〟なキッチンが多く見られたこと。キッチンはもはや女の城では無くなった!

そんなカラーやトレンドのキッチンを以下、写真で一挙に紹介します・・・・

男前キッチンの象徴、ドイツpoggen pohl社の「P'7340」は、Porsche Designとの共同開発。コンセプトは正しく‘Kitchen for Men’という!
 
世界的なデザイン・アワードである[IF金賞]を今年受賞。アースカラーな展開が男っぽいけど優しい。 新作ダイニングも発表。

こちらは〝TECHNO-LOGICAL〟キッチンがブランドコンセプトのBinova社、社長(左)が新作の前でポーズを取ってくれた。
 このツールセットは男性が好きそう 
換気扇内蔵のツールキャビネット兼リビングボードは格納してフラットになるLiving Kitchen。
 

70年代の人気シリーズ「LongLine」を復活デザインしたSalvarani社。グレーの扉に上部吊戸棚はミラー張りでクールなキッチン。(左)
 
右上、曲線のレイアウトが珍しい。家具大手のFEGグループであるSalvaraniはダイニングやキャビネット家具と素材を揃えた提案ができる。
  
右、コンセントがカウンターTopにビルトイン。上から押すとフラットに収納。
下、FEGグループ社長らと共に、日本代理店インテルイタリアのグラツィアーノ社長(右端)。
 換気扇キとャビネットのデザインを横ラインに
今日は、こちらでSALVARANI特製ロゴ入りのランチBOXを頂いた。インテルイタリアの八下田さんと。
 

書棚とキッチンが一体化、COMPREX社(左)。   右、キッチンカウンターとリビングローボード(TV台)が一体なのは珍しい。
            
会場を取材していたら、人気インテリアデザイナーの小坂竜氏に遭遇!展示の印象を伺ったら
「バスは我々が勝ってるかな(笑)! でもキッチンはスゴイね、面白い」と。
今夜、小坂氏らの展示会場でパーティがあるということで誘って下さった!

左、白のキャビネットにトップは手前のベンチ&テーブルと同じナチュラル仕上げの木を添えて温かな印象に。
右、オークナチュラル仕上げのキャビネット側面に光沢のある大理石カウンターを渡し変化をつけた。
 
収納引出し内部は接着材無しのオールアルミと強化ガラス、共にSCHIFFINI社。

会場ブース内で本格的にシェフが料理するプレゼンテーション。  右、クラッシック・モダンがキッチンになるとこんな風に!
    Cadore社 

LINEA QUATTRO社では、モダンリビングのオブジェと化するLIVING KITCHENスタイル!
テレビ掛壁とカウンターが一連となった部分はモザイクタイル貼り。
 
今回は珍しいイタリアン・ビビッドColorのキッチン。 クローゼットのようなキャビネット扉はタテに収納。  木製でコンロカバーも統一。
  

独ALNO社のブースは、ロゴの入った真っ白なナフキンが天井一杯に吊られた斬新な空間演出。スプマンテ&プロシュート・・・美味しかった。
   
新作プロトタイプ「STARLINE」、ハンドル・レスの扉を開くとクロム素材の美しいシェルフが。カウンタートップはコンクリート製。
  
シンプルスタイルにLED照明で演出(カラーは可変)。引き出しにガラスパーテーションを採用しクリアな機能美。

Eurocucina会場を出て、市内のショールームでしか見れないキッチン高級minotti cucine社に向かった。 
  
「uni」、扉・トップを閉めると、そこにはキューブ・デザインの空間が存在するだけ。コンロや換気扇もキューブに収納。
 
〝minimalism(ミニマリズム)〟を哲学とし、キッチンそのものの存在感を無くすことで「人が主人公になる」という〝visual silence〟がそのコンセプト。トップインテリアデザイナー達が「一度は使ってみたい」と憧れる。
  この石造りのキッチンも、換気扇は電動で昇降し収納、その上をコンロ含め同石のカバーで隠せばキッチンの存在は無くなる。私が立つとスケールが分かるが結構大きい!
 
収納キャビネットに見えるが、これもキッチン。 ちなみにお値段は家一軒程度・・・東京ではクライス&カンパニー社で見れる。

イタリアでは男性も料理が得意、キッチンへのこだわりは女性だけでは無いようだが
日本にも〝男前〟キッチンの波はやってくるだろうか???

Tortona地区は、ますますHot!

2008年04月16日 | ミラノ・サローネ08
サローネのFiera本会場以外の展示「Fuori salone」(サローネの外)、今年は600ヵ所を超えるインテリアデザイン・エキジビションが開催された。
その中でも注目のエキジビションが集まるTortona(トルトーナ)地区は今年もHotで必見エリア。

私はトリエンナーレ会場から出ているシャトルタクシー(無料)に乗ってトルトーナ地区に向かった。
  
シャトルタクシーはTOYOTAのPRIUSだ!環境ケア、ECOの象徴になっているようでウレシイ。

タクシーを降りた近くで発見したのは韓国SAMSUNG社のインスタレーション「SAMSUNG bye NIGHT」。
  
最後の部屋は、霧の中にレーザー光線の海をかき分けて歩くような空間・・・お化け屋敷のよう。

次に目に入った、モバイルHOUSE(HolidayHomesDesign社)2棟の展示。34㎡だが天井高2.4mでキッチン装備も立派。
  
 Woodyな内装で大自然にマッチしたデザイン 

オランダの新しい家具メーカー「PIET BOON ZONE」を発見、Meijn社長がポーズを取ってくれた。
皮製の照明、アウトドアファニチャーも新鮮なデザインで高級感もあって素敵。
  
左下は一人掛けのソファ。大きめでアクセントとなるデザイン。「PIET BOON ZONE」はホテル、レストランなどに顧客が多いようだ。
 

お目当て[Superstudio più ]会場は、トルトーナ地区の中心的会場。複数のビルで構成され把握しにくいが・・

正面1階に入るとVALCUCINE社が独創的なキッチンを展示、「LA CUCINA ALESSI」もVALCUCINEから。
 
 ALESSIにもグレー色が

Veneta Cicineが主催したプロジェクト「LIVING KITCHEN」は、デザインスクールのDomusAcademyとのコラボレーションで実現した。
8人の学生によるデザイン・レポートと、3人のデザイナーによる作品展示。キッチン革命、キッチンのNewスタンダードを提唱した。

左、パーゴラ状のキッチン。  右、‘Incubator’キッチンの上で寝る・・・
 

英国トップ・デザイナー、TOM DIXONの照明コレクション。カタログがNewsPaperに。
   
FOSCALINI社の照明展示。
 

Villeroy&Boch社がバス・洗面を手掛けているとは知らなかった・・・女性的で美しい作品。
 同じ[Superstudio più ]会場

やぱり時間切れ&足が棒・・・トルトーナ地区のプレスセンターで休憩し(ここも満員だ~)
明るいが既に8時前。松下電工のパーティに顔を出す為、地下鉄で向かう。

松下電工会場、かなりお客さんは引けていた。そこで出会ったBrazilian ItalianのDiegoくん(6ヶ国語を話す!?)を誘い
今日到着した某キッチン輸入会社のMamiちゃんと待ち合わせ、遅い夕食を食べに出た。
 カルツィーネとても美味しかった!
在Londonで学生のDiegoくんに御馳走して頂いた。戸惑う姉さん達に「ユーロは高いから・・・」と。
確かに彼はポンドだしね。円安で弱気な私・・・ご馳走様でした!



ミラノ・サローネ:家具見本市は2450社出展!

2008年04月16日 | ミラノ・サローネ08
[I Saloni]メインの国際家具見本市「Salone Internazionale del Mobile」には、2450社という到底見学しきれない数のブース出展数。


家具見本市の会場構成は、【Design・Modern・Classic】の3カテゴリーに分けられている。
その中で日本でも知られている有名家具メーカーの出展が多い、【Modern】ゾーンから見て回る。

私の足取りで脈絡なしに、とりあえず写真を一気に並べておきますのでお楽しみ下さい。 左から、Flou社・biesse社・reflex社  
  
 
arflex社  
      

以下、FENDIは中でも敷居が高いブース(毎回こちらでは、本物のお金持ちがその場で発注している光景に圧倒される・・・)
 何気なく毛皮のカバー
  
MURANOガラスのシャンデリアはFENDIな空間に必須 

下左、GIORGETTI社   右、FEG社
  
左、GERVASONI社。  中、Living Divani社が倉俣史朗の椅子を復刻。
  
右上のvisionnaire社のミラーは、50インチTVが内蔵されていて、鏡かと思ったら映像が現れるサプライズ!TVはSAMSUNG製

lingne rose社  Inga Sempeの新作
 

hülsta社、新作Bedとヒュルスタ・ジャパンのシュミット社長。 デザイン性の高いシステムファニチャーも充実。
  

2階の会場へ進む。(会場構成は見本市47年の歴史と共に、並び順にも不文律のルールがある。)

「Poltrona Frau」グループの展示。「Cassina」「Cappellini」などの有名ブランド各社をグループ会社化、7ブランドによる大展示を本会場で行った。 
自社の新作では「CASSIOPEA」と星座名をつけられたソファーが面白い。個々のパーツが色んな形で連結できるシステム。
 
80周年を迎えるCassina社はPoltrona Frauグループとしての本会場展示以外に、ミラノ・トリエンナーレ会場で〈made in Cassina〉と題して、この80年間に20人以上のデザイナーによって生み出された100作品を展示。
また自社ショールームでは趣向を変え、工場倉庫を設定した空間で作品がパレットに乗せられ展示された。 
 市内ショールームにて。
Cassinaの新作は5人の有名デザイナー、Philipe Starck(左「VOLAGE」)らと並んで吉岡徳仁の「HEAVEN(右)」も発表された。
 

MOROSO社、会場はメインデザイナーであるPatricia UrquiolaがMartino Berghinzと共にデザインした。(電工と同じ) 右はEDWARD VAN VLIETの「SUSHI」という作品!? 
  
DOSHI LEVIENデザインのソファ背を見せるデザイン。
 
MOROSOからも吉岡徳仁の椅子2点、「Bouquet」チェアー(左)と昨年発表「Panna」チェアーは新しいカバーリングも。
 

こちらはリゾートシーンを演出したBONACINA社、右は日除けの付いた可愛いプールサイドチェア。
 

Rimadesio社はガラス製のドアやパーテーション、収納シェルフなどの大手メーカー。
  
 日本担当のCaprotti氏とランチ
見本市会場が日本と違う点は、展示だけでなく商談の場として接客スペースが大きく取られている企業も多く
このように、ランチやスナックを御馳走してくれる。(なかなか美味しいのである!)

ある老舗高級家具メーカーの話では、出展費用は約1億円。しかしそれを十分に超える売上が、この6日間だけで上がるという。 

ところで、今年のコーディネートで気付いた点は〝自然志向〟のトレンドにあること。
色では、ベースカラーは真っ白からアイボリーやグレー系の白へ。挿し色に〝アースカラー〟(グレーや緑系)が多用されていた。
パリコレでも無彩色というキーワードが出ていたが、
以前のクラッシック・リバイバル、ゴシック調の装飾から自然回帰に。ここ数年の流れを家具にも感じた。

結局、市街会場の方に行きたかったので、その他2ゾーンは見ずに今日はFiera会場を終えた。

ちなみに以前に見た【Classic】ゾーンは、カナリ敷居が高い・・・日本人で言えばデビ夫人の世界。
カーペット敷きに天井アーケードまで装飾された異次元ゾーンは、お城に住む人を対象にした家具という雰囲気。 

世界最大インテリア見本市[I Saloni]開幕、プレスルームへGo!

2008年04月16日 | ミラノ・サローネ08
ミラノ・サローネの核イベント、国際見本市会場Fieraで開催される[I Saloni
は今日16日から一般公開される21日まで。

ここで[I Saloni]の概要をお伝えしておくと、
会場は家具・キッチン・バスルーム・オフィス家具などの6見本市で構成されていて、会場面積は23万㎡(東京ビッグサイトの約3倍)!

今年は2450社がブース出展、世界140ヶ国からバイヤー、デザイナーなど住業界関係者とジャーナリストが集結。
最終日には一般公開され、今年は34.8万人過去47年間で最多の来場者数を記録した。(昨年比29%増、終了後主催発表)

そんな世界規模、休む暇も無い取材3日間が始まった!地下鉄RedーLineは、同じ赤の丸の内線同様、超満員で会場駅へ。
駅の改札では、Electrolux社のプロモーションが一面に。サローネ気分を盛り上げる。
 
私は見本市Fiera会場の正面玄関(右)からは入らず、会場内のシャトルバスに乗り
プレスルームに近い南入口へ向かう。正面玄関よりは空いているものの、ここもチケット売場に長蛇の列であったが
私はプレスの事前登録をWebで済ませ、主催者からカードが国際郵便で送られて来ているので、そのままGateへ向かう。
右、Gateはまだスイスイ。

プレスルームは既にごった返していた(ロッカーをGetするのに皆、早く来る)。取材に入るジャーナリストも5000人を超える!
私はPC持参

2年前にこの新Fiera会場に移転し、施設環境は抜群に良くなったと。
プレスルームでは協賛ミネラルウォーター会社がガス有り・無し両方ボトルで提供
illyが協賛するカフェも併設していて、エスプレッソやカプチーノは飲み放題、パンやスナックも提供される。

プレスキットは協賛PIQUADRO社特製のプレス用Bagに入っていて、皆、プレスは同じ赤いBagを持っている。
カプチーノを飲みながら、イタリア人ベテラン・ジャーナリストからネタ仕入れ中。

下、情報交換をしたスロベニアの美人ジャーナリスト。右、私が帰る頃行き違いでキッチンシステム研究所の黒田秀雄さんとも遭遇!
 

トリエンナーレ会場とチャリティ企画

2008年04月15日 | ミラノ・サローネ08
Canonが出展しているトリエンナーレ会場は明日からOpenの為、最後の追い込み設営中の各社。
庭では、家具のKartelle社が巨大チェアーを仕上げ中。
  
Vitra社はプレスレビューで内覧でき、過去のサローネ出展作品を一覧で展示。(Ron Aradから吉岡徳仁まで15人のデザイナー)
  
キッチンツールなどのguzzini社は「Multipli di cibo -FOODDESIGN MADE IN JAPAN-」の企画展示。
2月にフランクフルト、今回ミラノの後、11月日本でも巡回展をするようだ。
 柳宋理をグランドマスターに有名デザイナーの作品コレクション

会場の正面玄関前では、3棟の「PINK HOUSE」がデコレーションされて展示。話を聞けば、これはチャリティー企画で
協賛のebay社によるネットオークションにかけ、売上を癌研究機関に寄付するもの。
 
主催はインテリア雑誌「CASA facile」

チェリティー企画をもう一つ。Duomo駅の百貨店Rinascenteで、バッグメーカーのCOCCINELLE社がチェリティーBagを製作販売。
Vivien研究員も気に入って購入! 売上はハイチの子供達の為に使われるという事。
 Bag買って+αの嬉しさ!
欧米では見本市やフェアなど人が集まる機会にチャリティーはお決まりであるが、宗教がこのような伝統を作るのだろうか・・・

さてお買い物もしてメッキリお疲れの私達は、ハッピーアワーでオードブル食べ放題のBarに。
 こちらのオードブルはイマイチでした。



Canon が初サローネ at Triennale

2008年04月15日 | ミラノ・サローネ08
【NEOREAL】と題した展示を、市内のトリエンナーレ会場で行ったのはミラノ・サローネ初出展のCanon
明日のグランドオープンを前に他の出展者は設営が続くトリエンナーレ会場で、先駆けて行われたプレスレビューに伺った。
 会場設計はデザイナーの森ひかる。
今回のメイン、07年3月から始まった文化財の保護活動〔綴(つづり)プロジェクト〕の第一弾として完成した、国宝「松林図屏風」長谷川等伯筆など屏風・襖絵3点を展示。
 
カメラ「EOS」により撮影し大型プリンター「imagePROGRAF」で特性和紙に出力、金箔を施した襖や屏風。
このようにプリンターの性能が限りなく本物を表現できるというプレゼンテーションなのだが、これだけでは終わらない!

次の展示シーンには「SOMARTA」ブランドのファッションデザイナー廣川玉枝が創りあげた妖艶な空間があった。 
  
鮮明な写真の壁パネルや、レースの表情をリアルに再現した壁紙がプリンターの技術力を語る。サローネ向けに椅子も創作。

また更に奥のスペースに、建築家の石上純也が創作した紙製「paper chair」と同じデザインの鉄製の椅子が整然と並んでいる。
真っ白な空間に、同じドローイング模様が椅子にプリンター印刷されていて紙と鉄の見分けがつかない! 
  
会場でキャノンの総合デザインセンター酒井正明所長(左)と桐山登士樹プロデューサーにお話を伺った。

「キャノンのカメラはプロに評価され広がった。プリンターもまず高感度な世界のクリエイター達にプリント技術を評価してもらうのが狙い」(酒井氏)

「トリエンナーレ会場は登竜門的に絶好の場所である」と、レクサスのサローネ初出展も手掛けた桐山プロデューサーは、レクサスの過去の展示会場にも触れながらミラノにおける場の重要性を語ってくれた。


M電機の楽しい仲間達とランチ!

2008年04月15日 | ミラノ・サローネ08
2年前と同じく、M電機のデザイン関係者達とミラノでお会いした!
今日のランチは、その御一行様と一緒にGaribaldi通りで雰囲気の良いイタリアン・レストランへ。
アイキューブ広野社長も! 
昨夜、ママのおうちスパゲティーを御馳走になったので、私はホウレン草のラビオリをチョイス。皆さんはボロネーゼ。
イタリアンは中華同様、ハズレは少ないので嬉しい。ユーロ高で安くは無いけど・・・

次に向かうトリエンナーレ会場まで、お天気の午後をお散歩がてら歩くことにした。 ミラノ名物でもある路面電車、
写真を撮ってたら反対側からも電車が来て「セニョーラ!危ないよ」とイタリア人が引っ張ってくれた・・・
 犬台付き自転車?ゴキゲン!

ミラノ中心のSempione公園を横断し、芝生でラブラブなカップル達を尻目に我々は、公園内スタンドのエスプレッソで一服。 
 
ナント素晴らしいお天気・・・明日から始まる怒涛の見本市を前に優雅な午後であった。

松下電工 in Milan, FUORI SALONE

2008年04月15日 | ミラノ・サローネ08
一昨年初めて「I Saloni」本会場のキッチン見本市「Eurocucina」に日本企業として唯一、出展チャレンジした松下電工。
今年は、キッチン単体でなくバス・洗面、照明など総合的なソリューション力をアピールする目的で、
展示スタイルに制約のある見本市本会場ではなく、ミラノ中心市街Garibaldi通りのショールーム[IL PICCOLO]を借り「FUORI SALONE(場外サローネ)」へ参加。
 
一昨年のサローネ出展以来の再会、松下電工:宣伝担当の上田氏と会場前にて。

広くはないスペースを不規則な幾何学的空間に仕切り、LED照明「EVERLEDS」を使って透明感のある奥行きを演出。
会場の空間デザインは人気デザイナーのパトリシア・ウルキオラ女史とマルティノ・ベルギンツ氏が担当。
メインに置かれたのはウルキオラがカバーリングをデザインしたマッサージチェア「Urban」。

今回は、バス・洗面・トイレと共同デザイン開発をしてきたデザイナー深澤直人氏とウルキオラ女史のコラボレート。
その組み合わせについて深澤氏に尋ねてみた「ボクには分かんない、でもこういうのは良くある事だし・・・」なんて話してたら
 パトリシアがやって来た!

 
という事で、皆さん揃って日本のプレス向けプレ発表会が始まった。
今回新作、深澤デザインのプロトタイプキッチン前で、左からパトリシア・ウルキオラ・深澤直人・マルティノ・ベルギンツ・益子松下電工デザイン部部長。
今回のキッチンを「様々なテクノロジーを入れ込む箱」と表現する深澤氏。
この企画担当のデザイン部:岡井さんに
コラボ・デザイナーの人選について伺うと、「深澤さんと対極のイメージでウルキオラさんを起用しました」という事だった。

そのウルキオラ・デザインのマッサージチェア「Urban」。ご自身もマッサージ体験中!
  
春夏秋冬イメージで4タイプ。緑が春で、黒が秋だったかな・・・コントローラーのカバーがマウスみたいでカワイイ。
 
照明も松下電工の「Home Archi」商品を使って演出。「アラウーノ」の自動開閉に驚く外国人。
   

〝Panasonic〟ブランドに対する期待は地元の記者にもあり、私が本会場のプレスルームで知り合った伊・照明雑誌の記者も
「場所はどこだい?行って見るよ」と関心を持っていた。(住宅設備事業を手がけている事は知らなかったが)

またウルキオラ人気もあってか、地元メディアもたくさんプレスレビューには集まったようだ。
今回の展示では来場者にトータルな住設備の提案、という所までは伝わらないものの
訪れたヨーロッパ人達は、テクノロジーとデザインの融合的な‘A Japanese way of living’を見たのではないだろうか。

基本的には商品を輸出する訳では無いから、ミラノへ挑戦する姿勢を日本へ発信しブランド力Upにつなげる狙いであろう。
LEXUSほど投資できないにしても、このように色んな取組みを続ける事は大切だと思う。

Milan Salone: 市内の展示も着々と

2008年04月15日 | ミラノ・サローネ08
ミラノ中心街は(明日からがメイン)、[FOURI SALONE]‘サローネ外の意味’のイベントやショールーム展示が600以上も実施される!
「Milan Design Week、犬も歩けば‘INTERNI’の旗(左下)に当たる」くらいミラノ全体がショーケースと化するのだ。
雑誌ブランドが協賛 
LEXUSを出て次の会場へ向かう途中にも、独キッチンの「Siematic」ショールームに遭遇(デザインW.の展示では無かったが)。
コの字型キッチンの一辺にキャビネットが乗ったスタイル。シャンデリア照明風のものは換気扇。

ミラノらしいオープンカフェの街並を進み、次に出会ったのは家具「MOROSO」。
‘The Little Wild Garden of Love’が展示テーマのようだ。

暗がりの中にR.アラッドなどMOROSOデザイナーズチェアの黒がたたずむ・・・室内に雨を降らせている。まだ施工中で失礼しました!

こちらは既にOpen中の換気扇「elica」。右は新作、照明「Artemide」とのコラボ商品。素敵なお姉さんが片言英語で案内してくれた。

日本では消防法に阻まれ採用できない形式が多いが、デザイン性の高い換気扇が並ぶ。 右は日本でもOKそう?


そぞろ歩きながらインテリア・デザイン展を見れる・・・それが日常であるイタリア人の感性が高いのは当然か。


Milano Salone: LEXUS by nendo 佐藤オオキ

2008年04月15日 | ミラノ・サローネ08
ミラノの朝、9階のお部屋から眺めるご近所の景色。 先月の上海ほどではないが高層マンションも多い。
さて、サローネ取材開始! 今日15日は16日からの正式Open前のプレスレビューなどが多い日。日本企業3社のレビューに回る。
  Turati通りに面したペルメネンテ美術館
最初にトヨタ自動車のLEXUSの展示会場、ペルマネンテ美術館へ地下鉄で向かう。
レクサスは2005年から今年で4回目のミラノ・デザイン・ウィークへの出展参加。昨年、私は見ていないがあまり評判が良くなかった。
会場の具合もあったのか、今年は一昨年と同じペルマネンテ美術館に場所を戻して
ヨーロッパでも評価の高いnendoの佐藤オオキをコラボレーションアーティストに迎えた。
 
私も今回足を運んだのは上海で佐藤氏がレクサスを担当すると聞き、nendoだから見にきたという感じ。
nendo佐藤氏は米Newsweek誌で06・07年「世界が・・・100人/社」に選出され、作品集がドイツの出版社から出る活躍ぶり。

【L-finesse 先鋭-精妙の美】は今まで一環したLEXUSの展示テーマ。
今年の展示タイトルは、-elastic diamond- 佐藤氏が、ダイアモンドの結晶からインスパイアされたという
 「diamond chair」W520×D520×H580
「軟らかいけど強い」がコンセプトのインスタレーションは、「diamond bubble」と名付けられた球体のオブジェがブルーの光と共に動く幻想的な空間になっていた。上部が花のように開閉し呼吸するよう・・・

共に展示された椅子「diamond chair」は、3次元CADデータからナイロンの形状をレーザーで硬化しているらしい。その工程も映像で流され、見学者の関心を引いた。
 
プロダクトだけでないデザインの背景や技術、そこにストーリーがあって二度三度と感心させられる。

レクサス、車自体は更に奥のスペースで展示。
そこには高い天井から伸びた柱状のオブジェがレクサス「LF-Xh」を取り囲んでいる。
 「LF-Xh」‘07年東京モーターショ―発表のコンセプトモデル。ちなみに、車は造形モデルで動かない。
薄暗い照明に心臓の鼓動のような音響とオブジェが上下する動きで、人間の体の中に居るような不思議な感覚に。 

漆黒のLEXUSがひっそりと佇む姿は静粛な躍動感。LEXUSが持つ二律双生コンセプトに通じるものを感じることができ
LEXUS×佐藤オオキ、世界に通じる素晴らしい展示になっていた。

Milan Salone: ミラノ知人宅に到着!

2008年04月14日 | ミラノ・サローネ08
今年はEurocucina(キッチン見本市)も併催の年、ミラノ・サローネに5泊6日の短期取材(欧州の場合、現地丸3日程度)を決行した!
経営不振のアリタリア航空、Milanoマルペンサ空港への直行便で約12時間。シベリア上空・・・雪山の中に河が見える。
松下電工、御一行様と遭遇!

食事は期待していなかったが日本食を選択したら思いの外美味しかった!(たらこトッピングご飯) 
偶然、1席空きのお隣にはITALCOM社のロンバルディ社長。40年間イタリア家具の日本輸入を手がけておられる。こんな出会いが旅の楽しさ!
社長は、イタリアン・フードを選択

さて今回のミラノ滞在は、知人のイタリア人家庭にホームステイさせて頂いた。
築35年の9階建てマンション、以前は1つだった住戸を子供の独立後、2住戸に大リフォームし私は2DK来客用のほうに泊まらせて頂く。
賃貸運用もできる形
お隣にある御両親の家で、夕食を用意して下さった。9時頃だったので軽くという事だったが・・・ 猫の五右衛門くん
 
前菜のスパゲティはアンチョビ味から始まり・・・パパ同様に私もガッツリ頂く! ちなみに御両親は英語が話せます。

プロシュートにはしっかりレモンを絞って頂く。 ミンチと野菜のオーブン焼きにはインゲン豆も入って美味しかった!
Buono!Buono

天気は曇り時々雨の到着日であったが、こうして快適なMilanoStayが始まった。