Aonsiwate Blog

フライロッド・漆器製作と岩手のくらし覚書

摺漆椀(すりうるしわん)の弱点

2014-07-13 22:54:37 | 漆と漆器

  

  摺漆は木地に漆を摺りこみ、

  最小限の漆の塗装膜で仕上げる技法。

  木地の木目を活かすことができる。

  

  木目を美しく見せる反面、塗膜が薄いため、

  どうしても弱い部分もある。

  

  それは椀の底の部分。

  底以外の部分は故障がほとんどなく、

  薄く成形される口を付ける「吸口・天縁」や、

  面積の広い側面はいたって丈夫のようだ。

 

  人が体で触れる部分は、意識して丁寧になるが、

  底がテーブルとこすれることはあまり意識されないようで、

  ここが真っ先に摩耗する。

  

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  写真は三年ほど使った摺漆椀。こすれて漆が摩耗し、

  木地がでてしまっている。

  こうなると、使用をやめて、再度塗りなおすしかない。

  

  新しく製作中の内塗椀は、この底の部分を多く塗り、

  強化しています。

  

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