鏡面に磨きこんだ黒漆を呂色(ろいろ)と呼びます。
磨きこむ作業自体や、使う黒漆も呂色と呼びます。
よくピアノの塗装が例にあがりますが、
丁寧に作業された呂色は鏡のように硬質で、
静かな水面のようです。
「飛び込みたくなるような」仕上げが最上とされるようです。
黒色ですが深みがあり「漆黒」とはこのことかなと思います。
現在、フライロッドを呂色で仕上げています。
下画像は塗ってそのままの状態。漆は3~4回重ね塗りしてあります。
艶のない黒で、このままでも味わいがあるのですが、
研いで磨きます。
必需品は、炭です。
下の画像は専門に売られている「呂色炭」。
年輪のある断面が目の細かいヤスリのような効果を出します。
研磨に炭を使うと初めて知ったときはびっくりしました。
輪切りにして、断面を砥石に当て、釣竿の太さに合わせて溝を形成し、水研ぎします。
その後三種類の研磨剤で磨き、
擦漆(漆を擦りこんで磨く作業)を4~5回施します。
約一週間の工程・・・・
この後グリップを接着し、もう一度漆を擦りこんで磨きます。