Aonsiwate Blog

フライロッド・漆器製作と岩手のくらし覚書

呂色

2015-09-02 17:12:59 | フライフィッシング

鏡面に磨きこんだ黒漆を呂色(ろいろ)と呼びます。

磨きこむ作業自体や、使う黒漆も呂色と呼びます。

よくピアノの塗装が例にあがりますが、

丁寧に作業された呂色は鏡のように硬質で、

静かな水面のようです。

「飛び込みたくなるような」仕上げが最上とされるようです。

黒色ですが深みがあり「漆黒」とはこのことかなと思います。

 

現在、フライロッドを呂色で仕上げています。

下画像は塗ってそのままの状態。漆は3~4回重ね塗りしてあります。

 

艶のない黒で、このままでも味わいがあるのですが、

研いで磨きます。

 

必需品は、炭です。

下の画像は専門に売られている「呂色炭」。

年輪のある断面が目の細かいヤスリのような効果を出します。

研磨に炭を使うと初めて知ったときはびっくりしました。

 

輪切りにして、断面を砥石に当て、釣竿の太さに合わせて溝を形成し、水研ぎします。

 

その後三種類の研磨剤で磨き、

擦漆(漆を擦りこんで磨く作業)を4~5回施します。

約一週間の工程・・・・

この後グリップを接着し、もう一度漆を擦りこんで磨きます。