Aonsiwate Blog

フライロッド・漆器製作と岩手のくらし覚書

漆のクセ

2016-03-19 22:07:30 | 漆と漆器

 

今使っている国産黒漆。

ちょっとクセがあります。

 

 

まず、木固めした木地の上に塗る一回目の塗りでは、

必ず下画像のようなおかしな仕上がりになります。

特に吸い込みの多い木種では顕著。

木の「密度が濃い」=「漆の吸い込みの少ない」部分では

普通の仕上がりになります。また二回目以降の木地への吸い込みのない塗りでは

普通の仕上がりになりますので、木地への吸い込みが漆の硬化に変化を

もたらすのでは?と思います。

 

 

研ぐと普通の下地と変わりないので問題はないのですが、

かなり硬く硬化するので研ぐのは少し大変です。

 

 

また、硬化の湿度がシビアです。

湿度75%くらいで硬化開始しますが、80%ちょっと手前で硬化のスピードが急速に上がり、

空気に接している面だけ硬化して「ちぢみ」が発生します。

 

 

これも研いで平滑にすれば問題はないのですが、やはり硬くて研ぐのは面倒です。

この湿度の管理がちょっと難しいです。

 

 

使うのに神経を使う漆ですが、塗りやすく、仕上がりはとても良いと感じます。