1月頃、ウォーキングコース途中の大きな木に赤い実がびっしりと生っていました。
ちょっとくすんだ赤い色の実でした。
この木、何の木? と思い調べてみたところ、候補はたくさん出てくるのですが、なかなか分からず、そのままになっていました。
先日、この木の下を通ったのですが、何と赤い実はなくなって、緑の葉っぱと白い花に変わっていました。
花を見ればどうにか名前を調べることができる、そう思い、早速検索しところ、「アズキナシ(小豆梨)」だということが分かりました。
樹木に咲く白い花は似たような花が多いですね。
この木を見てどうして「アズキナシ」と断定したのかというと・・・
アズキナシはバラ科の落葉高木です。
同じバラ科の木ではサクラ、ウメ、ナシの他にカマツカ、ナナカマド、ガマズミ、ベニカナメモチなどがあります。
アズキナシの花は大きさは1.5cmほどで多数の花が集まって咲き、長いシベが花びらの外側に飛び出しているのが特徴のようです。
でもこれって、ガマズミやナナカマドなどの他の木の花も同じような特徴なのですよね。
だから、花だけでは樹木の名前の特定は難しいから、やっぱり葉や樹皮、樹高・樹形、実なども調べなければなりません。
そこで、樹皮を見ました。
アズキナシの樹皮灰黒褐色は縦に筋が入る(同じ属のナナカマドは横に筋)。
次は葉っぱです。
5cm~10cmほどの大きさで円形に近い菱形状の葉で、縁には鋸歯、葉先は短く尖って、基部は円形になっている。
最も大きな特徴として、10本~13本の規則正しい、直線型の葉脈がある。
そして、実です。
10~11月の頃に、大きさは直径1.5cmほどの小豆大で、梨に似た形の実が生り、赤い色の中に白い点が入っているのが特徴。
時が経つと赤い実はくすんだ色になってきて、枝いっぱいに実がついた状態になる。
これらのことを参考にして画像を見比べてみました。
その結果この木が「アズキナシ」となったという訳です。
--- アズキナシ ---
日本中どこでも見かけることができる落葉高木。
名前の由来は、果実が小さくアズキほどの大きさだからとか、実の形がアズキに似ていて、花がナシの花に似ているからなどの説があります。
別名では『ハカリノメ』、これは葉脈が規則正しく並ぶのと、若い枝に目盛りのような皮目があることから、その様子が『定規』のようだからのようです。
樹高は15~20mにもなり、春には白い花、秋には紅葉と朱色の実が楽しめるため、庭木としても多く利用されているようです。
学名:Aria alnifolia
英名:Korean Whitebeam
科名・属名:バラ科 アズキナシ属(ナナカマド属)
別名:ハカリノメ、カタスギ
原産地:日本、朝鮮半島、中国