海をゆく者(終演後のアフタートーク付)
11月25日 パルコ劇場
作:コナー・マクファーソン
翻訳:小田島恒志
演出:栗山民也
出演:小日向文世、吉田鋼太郎、浅野和之、大谷亮介、平田 満
アイルランドが舞台。
アイルランドが舞台の作品というと、マーティン・マグドナーのウィー・トーマス(2003年8月、206年6月パルコ劇場)を思い出します。
ウィー・トーマスは若者の話でしたが、海をゆく者は50歳過ぎた男たちの物語です。
失明した兄:リチャード(吉田剛太郎)の世話のために、弟のシャーキー(平田満)は1年ぶりに家に戻ってきた。
そこには、友人のアイヴァン(浅野和之)が、酔いつぶれて泊まっていた。
アイヴァンは、「眼鏡がない」と探しているが見つからない。
兄は朝から飲むほど、大酒のみ。
弟は、現在は禁酒しているようだが、以前は酒でいろいろ問題を起こしていたらしい。
わがまま放題に振舞う兄、かいがいしく面倒を見る弟。
クリスマス・イブは、仲間とポーカーをやるのが、毎年の決まりごと。
兄が誘ったニッキー(大谷亮介)は、見知らぬ男ロックハート(小日向文世)をつれてきた。
酒を飲みながら、夜通しポーカーに興じる5人の男。
しかし、シャーキーだけは酒を飲まない。
シャーキーは、日頃は温和だが、酒を飲むと凶暴になり、刑務所に入ったこともあったため、酒を断っていた。
シャーキーが刑務所に入っていた間に、ニッキーはシャーキーの元彼女と一緒になったため、なんとなく2人の間はぎこちない空気が漂っている。
ロックハートは、シャーキーの命をねらう死神だった。
ひとり負けていたロックハートが、最後の勝負にでる。
シャーキーは、自分の命を賭ける。
結果は、ロックハートの勝ち。
ロックハートと一緒に出て行こうとするシャーキーを必死で引きとめようとするリチャード。
眼鏡を見つけたアイヴァンが、カードを見直すと、「4のフォーカード」と思っていたカードは、「A(エース)のフォーカード」だった。
土壇場で、負けてしまったロックハートは、ひとりで家を出て行く。
朝になり、ニッキーは妻の元へ帰り、リチャードとシャーキーとアイヴァンは教会へ出かける仕度をはじめる。
死神の精度の死神は、音楽が大好きだったが、ロックハートは音楽が大の苦手。
音楽を聞いて、身をよじって苦痛に耐える小日向文世の演技がユーモラスでした。
海をゆく者というタイトルは、人生を海にたとえて、何があっても生きていく者と捉えました。
5人の役者は、それぞれ実力も個性もある役者ばかりでした。
でも、その個性をぶつけあっているのではなく、役と役者があてがきのようにぴったりしていて、調和を取りながらも、それぞれの個性を際立たせていたと思います。
2009.12.14訂正しました。
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