わたきょんの観劇(感激)日記

日常生活や芝居についてのあれこれ

タンゴ

2010-11-25 01:27:22 | 観劇

タンゴ
11月10日 シアターコクーン

作:S.ムジェック
翻訳:米川和夫、工藤幸雄
演出:長塚圭史
美術:串田和美
出演:森山未来、奥村佳恵、吉田鋼太郎、秋山奈津子、片桐はいり、辻萬長、橋本さとし

舞台上には、アクリルでできた透明な壁。
内側には、布がカーテンのようにかかっている。
開幕後しばらくは、そのアクリルの壁の向こうで、演技が続けられる。
最前列にいる私でもセリフがこもって聞きづらかったので、後ろの方の人はどうだったのだろうか?
演出家の長塚圭史が、布を引っ張ったりしているが、劇中劇ではない。
始まりからして、ちょっと不思議な感じ。

怒りを持続して、長く難解なセリフをしゃべる森山未来は、演技なのか、それとも以前【情熱大陸】でみた、人を寄せ付けないような神経質なところそのままなのか?
アルトゥル=森山未来は、ぴったりとはまっているキャスティングだと思いました。

自分たちで獲得した自由を謳歌する大人たちに対し、アルトゥルは秩序を重んじている。

今あることに、反論するのが若さなのだろうか?

大人の前では強いアルトゥルもアラの前では、1人の青年に戻ってしまう。
強がりが元で、アラは他の男と関係を持ってしまうが、秩序を重んじるアルトゥルなのに、アラに対しては寛容に見えた。

秩序を確立したかに見えた一家だったが、足元をすくったのは、使用人のエーディックだった。

文字通り体を張った(全裸です)演技の吉田鋼太郎は、最近映像にも進出していて、きっとこれから、映像でも活躍するんだろうな。
おばあちゃん役の片桐はいりは、とってもチャーミング。
秋山奈津子は、今年何作目の舞台なのでしょう。ホントに働き者です。
アラ役の奥村佳恵は、とてもきれい。
エーディック役の橋本さとしも、はまり役でした。

1965年にポーランドで作られた戯曲は、現在でも古さを感じることはありませんでした。

でも、難しかったです。

難しい話は、わかろうとしないで、ただ感じるだけにしています。

普通だったら、大人が保守的で若者が自由を求めるのに、この話では、その関係が逆になっているのが不思議な感じ。
自由を求めた元若者のあと、次の世代は何を見出していくのかってことを、描いていたのかな?と思いました。
自由すぎてしまうと、何を基準にしていいかわからなくなっちゃうから、逆に秩序を求めるようになるのかも?
政権交代を選んだ日本の国民が、次に何を求めるのか…とかぶっているように感じました。

このところ、作られたのが昔であっても、今の時代にマッチするような演劇が多く見受けられます。
そういうのを、普遍的というのでしょうか?




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