金と銀の夢の鞍 2022-11-22 21:40:16 | 金と銀の夢の鞍 庭に向かう細長い縁側に座布団をひとつおいて、私は庭を眺める。縁側のむこう床の間からは、キース・リチャードが流れてくる。暖かな日差しが差し込み、私は窓を開放する。庭と空間を共有すると、風が懐かしい香りをはこんできた。私の妻がうえた、金木犀が右に左に銀木犀。二本の木が花を咲かせ、その香りがあたり一面を占有していた。私と妻は見合い結婚だった。5つも歳が離れていたが、仲はよかったと思う。私の仕事も順調で、 . . . 本文を読む