憂生’s/白蛇

あれやこれやと・・・

-時には乙女のようにー1

2022-12-09 08:37:53 | ボーマン・ボーマン・6-時には乙女のようにー
「ひさしぶり!!」 って、なんだか、よく、きやがる。 ボーマンは調剤の手をやすめて、声の主をまじまじと見つめた。 『なんだよ・・いい女じゃないか・・?久しぶりって、俺、こんなべっぴん・・ 誰だか・・・思い出せない・・・・』 ボーマンたるものが、こんな初歩的な記憶ミッシングなぞ、ありえるわけが無い。 女、いや、べっぴんの顔をみつめたのは、ボーマンの記憶の中の「特徴」と相似形のものがないか . . . 本文を読む

-時には乙女のようにー2

2022-12-09 08:37:25 | ボーマン・ボーマン・6-時には乙女のようにー
なんだか、ボーマンはセリーヌに似ていると想っている。 (イッツ・オンリー・ユアマインドシリーズ参照) セリーヌは本当の自分を見せられないとクリスを諦めようとした。 綺麗じゃないままに自分でも愛されたいという思いと 受け止めてもらえるわけがないと逃げ出そうとする心と・・・。 キャッシーの科白がセリーヌの相似形にみえて、 ボーマンはいっそう、キャッシーの薬指にリングの跡さえないのが気になっ . . . 本文を読む

-時には乙女のようにー3

2022-12-09 08:37:12 | ボーマン・ボーマン・6-時には乙女のようにー
コーヒーを立てに行くニーネにボーマンはかすかに首をふった。 察しのよいニーネというべきか、 ボーマンの問題解決の手腕をしんじているというべきか、 ニーネはその意味を悟る。 「まあ、お店かたづけてないで、しめちゃったの?」 とってつけた言い訳をいってみせる。 もちろん、ボーマンもニーネの意図する事がわかっている。 「あ・・ん?すまねえな。ちょっと、かたづけちまってくれよ」 いいながら . . . 本文を読む

-時には乙女のようにー4

2022-12-09 08:36:59 | ボーマン・ボーマン・6-時には乙女のようにー
「ねえ、ツルゲーネフの初恋って本よんだことある?」 へ? 読んだことはないけど、内容は知ってる。 そんなことをいいだした、キャッシーは何をいいたいんだろう?と、 ボーマンはストーリーをなぞりながら、 キャッシーのなぞかけを考えていた。 で、その話ってのが、どいうことだというとだな。 「それさ、どっかのぼくちんが、年上の幼馴染かなんかを好きになったけど、 そのねえちゃんが、自分の親父 . . . 本文を読む

-時には乙女のようにー5

2022-12-09 08:36:46 | ボーマン・ボーマン・6-時には乙女のようにー
「私・・彼を掴んでも良いってこと・・? でも、なにもかも、黙って・・彼をだましてしまうことになる。 せめて、こんなぼろな女でも、そんなことだけはしたくない・・」 わずか、希望を見出したかと思ったキャッシーだったけど、 相手がセイントであればあるほど、 自分がせめて、そこの部分だけは同じものでありたいとおもったんだろう。 ーけっこう・けっこうー キャッシーの気持ちもやっぱり、まじなもの . . . 本文を読む

-時には乙女のようにー6

2022-12-09 08:36:31 | ボーマン・ボーマン・6-時には乙女のようにー
ボーマンはキャッシーの泣き声をききながら、まだ、考えている。 ーとは、いうものの、ぼうずのほうは、なんとかなるとして、 問題は親父のきもちだよな。 10年近く一緒に居て、結婚まで考えてる。 まあ、キャッシーの心変わりだけなら、自分の年齢もあるだろうから、 あきらめもつこうってなもんだろうけど・・ 相手が自分の息子。 う~~~~~~ん。 俺だったら、わりきれねえよな。 どう、考えた . . . 本文を読む

-時には乙女のようにー終

2022-12-09 08:36:17 | ボーマン・ボーマン・6-時には乙女のようにー
「私・・・・」 決心したはずなのに、覚悟したはずなのに 彼を目の前にすると、心がゆらぐ。 失くしたくないに決まってる。 さけて通りたいに決まってる。 彼のショックを見たくない。 ましてや、それを与えるのは自分・・・。 「なに?」 キャッシーの呼び出しに心弾ませてやってきた彼にちがいない。 彼が・・同じ職場に配属されてこなかったら・・・。 出張講義、デモンストレーションのワークグ . . . 本文を読む