Ryoukoがでていった。
僕はRyoukoがいつも座っていた空間をながめていた。
Ryoukoはもうここに、居なかった。
Ryoukoはもう、ここには戻ってこない。
Ryoukoは「僕のRyouko」である事を止めた。
僕はRyoukoのすわっていたあたりの畳に頬をおしつけてみた。
Ryoukoの悲しい、せめぎがそこに染み付いている気がした。
堕胎の後。僕の手を拒むRyoukoがい . . . 本文を読む
どのくらいの時間僕はそこにいたんだろう。あおむけの目の上には雲を運ぶ空がある。僕は雲の流れをじっとみつめつづけていた。空の中に落ちそうになる錯覚は僕を幻影にいざなう。Ryoukoがそこにいて・・・。ぼくは、手を伸ばす。つかもうとすると、ぼくはまっさかさまに落ちて行く。あきらめるしかない事実が僕をいたぶり、僕は、涙の海を泳ぐ。Ryouko・・・。Ryoukoへの追慕をぬって、誰かがこの庭石に近づいて . . . 本文を読む