憂生’s/白蛇

あれやこれやと・・・

ユニコーン・・1

2022-09-10 13:57:38 | ユニコーン  ー実話ー
夫がセカンドカーを仕入れた。 ためすがめつ、納車された車をみていると なんだか、不穏な思いがわいてきていた。 ーなんで、こんなきれいな車があんな値段で手放されるのだろうー 破格といえるほどの改造も惜しみなく施されていた。 なにか、触りたくない。 乗りたくないという思いがわいてきていた。 嫌な思いは、はっきり私にささやいてきてもいた。 ー事故車じゃないか??ー だが、夫が懸命にワッ . . . 本文を読む

ユニコーン・・2

2022-09-10 13:57:13 | ユニコーン  ー実話ー
夫の熱心な手入れに ひとつの解決があるように思えて来ていた。 物にだって、魂・精神は宿る。 なにか恐れを感じさせる「原因」を 夫の愛情が癒し、解いてくれるんじゃないか。 そんな事を思ったのは、 やはり、どうしようもない不安と怖れを感じていたせいだったと思う。 あれだけ大切にしているなら 車にこびりついた「変な念」を浄化してしまうんじゃないか? そう信じることで 不安ととりとめな . . . 本文を読む

ユニコーン・・・3

2022-09-10 13:56:46 | ユニコーン  ー実話ー
次の日は 夫の仕事も休み。 朝から やっぱり車を触っていた。 ガレージまで、朝食を伝えに行って 一端、朝食を食べてから 夫はガレージに戻っていった。 皿を洗い、洗濯・掃除を終えて ガレージに出向いたとき 昨夜の夢が、なおさら 自分をおびえさせていた。 どうしても、車に触れない。 触りたくない。 だけど・・・ あの夢の事を思うと なにか、解決しないと・・・ もしかしたら夫に . . . 本文を読む

ユニコーン・・4

2022-09-10 13:56:19 | ユニコーン  ー実話ー
夢うつつの中で 少女の声が響いた。 「あ、ユニコーン!!」 少女がユニコーンを見つけた様だった。 だが、すぐに少女の声が凍り付いた。 「怖い!!」 少女の姿もユニコーンの姿も 夢うつつの中に現れず なぜ、少女が怖いと思ったのか、 それも判らず ただ、酷くおびえているのは判った。   ユニコーン? その少女を慕ってユニコーンが現れたのだろう。 なのに、少女を脅か . . . 本文を読む

ユニコーン・・5

2022-09-10 13:55:48 | ユニコーン  ー実話ー
仕事から帰って来るとは ガレージに飛び込んで 夕食が整うまで 連日、車を整備していた夫が 休日に試運転をかねてドライブに行こう・・と 言い出した。 一生懸命に整備していたんだもの 嫌だ・・とは言えない。 それに、 「浄化してやる」と、覚悟したのに。 そして、この前のユニコーンの事で もしかして、 私を通過して、車が浄化されているかもしれない。 乗ってみなきゃ 判らないと . . . 本文を読む

ユニコーン・・6

2022-09-10 13:55:22 | ユニコーン  ー実話ー
祝日をはさんだせいもある。 1週間の間に3回も試運転に同乗することになった。 私の憑依と思われるぐらつきや眠気は ひどいもので、助手席でうたた寝しているばかりだった。 気楽な助手席と、思われていることだろうけど 瞳の中は鮮やかな色彩が陽光に映えて、乱舞し もしかすると、極楽の入り口で浮遊しているんじゃないかと思えた。 ドライブインでの休憩も、車からおりると 雲の上をあるいているとい . . . 本文を読む

ユニコーン・・7

2022-09-10 13:54:55 | ユニコーン  ー実話ー
車が動き始めるまもなしに 私はぐらりとした幻惑の中に落ちたと判る。 そして、異様な眠気に 目を閉じれば 極彩色の陽光が瞼の中で踊り狂う。 ーもしかすると・・・これがいけない? 例えば、車の外の景色を楽しむとかしたいのが 主の思いだとしたら?ー 今の私の状態では 憑依されているーだけ。 主がドライブを楽しみたいと思っていたのなら これでは、いつまでたっても、主の思いは叶わない。 . . . 本文を読む

ユニコーン・・・終

2022-09-10 13:54:22 | ユニコーン  ー実話ー
もう思い残すことは無い。 と、言った言葉に私はたずね返していた。 だって、運転手と同じように車を運転する疑似運転ドライブを たっぷり楽しませてあげられたとは思えなかったから。 本当に満足しているのだろうか? もう1度、今度は 運転手と同じように車を運転する疑似運転ドライブを行って あげた方が良いのじゃないか? そんな思いが私に沸いていた。   その考えは、あるいは主の . . . 本文を読む