憂生’s/白蛇

あれやこれやと・・・

思案中・・1

2022-12-15 12:48:30 | 思案中
かれこれ、6年のつきあい。 別れたはずが焼きぼっくいに火がついて、 お互い、家庭がある身の上を承知の上で忍び逢う。 いい加減にしなきゃと思いながら、 共に重ねた時間が増えるほど、どっちが、亭主で、 どっちが、情夫か・・。 この世が仮の宿なら、今の亭主も仮の者。 本当はあの人と一緒になれなかっただけで、 魂と心はあの人のものなんだとおもっていた。   それが・・。 友 . . . 本文を読む

思案中・・2

2022-12-15 12:48:16 | 思案中
椅子に腰掛ける彼女につられ、私も腰をかける。 「あの・・あの・・」 なにをどうきりだしていいのか・・。 「どうぞ」 なんでもいいから話せといわれても・・。 「あの・・なにもかもご承知なのでしょう?」 「多分、そうだと思います」 「だったら・・」 「私の方が伝えるべきだと?」 少し考え込む。 話すしかないのかもしれない。 「あの・・私、夫がいて、それから、6年越しの恋人がいて・ . . . 本文を読む

思案中・・3

2022-12-15 12:48:02 | 思案中
「あのね・・。こんなこと、誰にもいえなくて・・ずっと黙ってたの」 彼女の顔が深刻そのものにかわり、私を励ます。 「吐き出してしまった方がいいよ。なにがあったのかわからないけど、自分の中においておいたら、そのことを考えるのは自分しかいないから、なおさら、しんどくなるもの」 うんと、うなづいて、黙る。突然切り出しても、彼女が聞ける体制にもちこむための一芝居。 芝居が功を奏して、彼女は黙って私の . . . 本文を読む

思案中・・終

2022-12-15 12:47:47 | 思案中
彼女の家をでると、駅に向かう。 今度は元来た駅を三つとおりこす。 ひなびた街並の路地をぬけ喫茶店を目指す。 いつもの場所が此処。 此処で彼を待って、二人でコーヒーをのみおえると 国道まで車をはしらせ、ホテルが立ち並ぶ山際の道に曲がる。 この山際の道は大回りの国道の近道になるから、 けっこう、車が通る。 バックミラーで後ろを確認しながら、目指す場所に滑り込む。 昼の日中の情事は時間 . . . 本文を読む