ぶらつくらずべりい

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宮柊二 晩夏

2010-01-05 05:44:25 | クンストカンマー(美術収集室)
柔らけきけものの背(せな)を踏むごとき感覚を残し夢醒めし夜半

過去の罪を断罪される夢を見て目が醒めることがある。とてつもなく後味が悪く取り返しのつかない感覚が残る。
そのような感覚をまるで獣の柔らかい背中を踏んだみたいだという。
人は罪を犯さなければ生きていけない。けれど、罪が悪いことでなければ社会の秩序は保たれない。この矛盾が苦悩を生むのだろう。宮柊二は壮絶な戦争体験を持つ。