ぶらつくらずべりい

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森のやうに獣のやうに 河野裕子

2010-01-18 05:50:18 | クンストカンマー(美術収集室)
君の持つ得体の知れぬかなしきものパンを食ぶる時君は稚し

君は明らかに悲しみを感じている。そのことだけは分かる。分かるのだが、それは他人の領域。勝手には踏み込めない。そのジレンマにいる時に、ふとパンを食べる君が子供に見えた。子供とは守ってやらなければならない存在。しかし、さらけ出して貰えなければ守ってあげられない。そのジレンマが切ない。