ぶらつくらずべりい

短歌と詩のサイト

短歌人8月号20代30代会員競詠

2012-08-02 05:50:11 | 結社提出歌
「子恋の恋(ここいのこい)」
葉キャベツの弾く水滴滑り出す風切るきみの自転車の後

たくさんの陽を浴び赤く赤くなるトマトのような顔して笑う

坂多い町を選んで引っ越そうしり取りしつつ散歩をしよう

駆け寄って来たと思えば空を見て雀のように首を傾げる

細胞の分裂のごと子供らは運動靴を買い替えていく

パパなあんなさっきからななんや知らんお腹のなかで蝉が泣くねん

透明は何色か聞く子供らに空気の色と教えてやれり

小四になったんやからだいじょぶやイジメられてもだいじょうぶやし

恥もなく外聞もなく公道で息子を強く掴んで怒鳴る

ぷにぷにでパパのお腹が一番に気持ちええねんほんまにええなぁ

朝も夜も喧嘩する子ら寝ながらも力いっぱい鼻息鳴らす

八歳の娘はふいに「親子ってほんま最低、ただの最低」

飛び跳ねる姿で子らは眠りたり夜のベッドも澄んだ青空

寝返りをうつ子の足が腹に乗る食べさせた分重たくなって

子は脚で私は腕で存在を確認してる眠っていても

「昨日見た夢」
目覚めたら文字になっていた。私は私に戻りたくて、必死に自分を表現しようと努力したが駄目だった。あらゆる言語になり何万枚もの原稿用紙の上で踊っても。ふと諦めて気が付いた。最初から私は私だったのだ。

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