僕の知らない少女の頃のあなたが
毎年、八木の祖母の家でみた花火
僕も今年から一緒
いや、今年だけかも
けれど、確かに今、亀岡駅で電車の乗り継ぎを待つ
目の前は一面が田んぼ
奥にはガスのおりた山
白い軽トラックがゆっくり横切る
たくさんの荷物とベンチに座って待つ
あなたは墓参を終えたら僕のところに来るだろう
悪巧みの似合う笑顔でニタニタしながら
僕の前に立つ
自由に飛び回っていた赤色の小さなトンボが
スッと草原の中から一本に
予め定められた一本に
とまる
そんな風にあなたは
僕の前に立つ
僕はトンボが飛び立つことのないように
驚かせないように
そっと手のひらで
両の手のひらで
閉じ込める
毎年、八木の祖母の家でみた花火
僕も今年から一緒
いや、今年だけかも
けれど、確かに今、亀岡駅で電車の乗り継ぎを待つ
目の前は一面が田んぼ
奥にはガスのおりた山
白い軽トラックがゆっくり横切る
たくさんの荷物とベンチに座って待つ
あなたは墓参を終えたら僕のところに来るだろう
悪巧みの似合う笑顔でニタニタしながら
僕の前に立つ
自由に飛び回っていた赤色の小さなトンボが
スッと草原の中から一本に
予め定められた一本に
とまる
そんな風にあなたは
僕の前に立つ
僕はトンボが飛び立つことのないように
驚かせないように
そっと手のひらで
両の手のひらで
閉じ込める