ぶらつくらずべりい

短歌と詩のサイト

詩、花火と田んぼと曇り空

2014-08-14 12:58:09 | 
僕の知らない少女の頃のあなたが

毎年、八木の祖母の家でみた花火

僕も今年から一緒

いや、今年だけかも

けれど、確かに今、亀岡駅で電車の乗り継ぎを待つ

目の前は一面が田んぼ

奥にはガスのおりた山

白い軽トラックがゆっくり横切る

たくさんの荷物とベンチに座って待つ

あなたは墓参を終えたら僕のところに来るだろう

悪巧みの似合う笑顔でニタニタしながら

僕の前に立つ

自由に飛び回っていた赤色の小さなトンボが

スッと草原の中から一本に

予め定められた一本に

とまる

そんな風にあなたは

僕の前に立つ

僕はトンボが飛び立つことのないように

驚かせないように

そっと手のひらで

両の手のひらで

閉じ込める




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