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さて、セリ市も毎月通いつめている百戦錬磨の猛者ならばいざしらず、仕事の都合、軍資金の不足などの理由で、やっと半年振りにやってきた私としては、やっぱり緊張するものです。とくにどうしてもほしい木がある場合はなおさらです。
そんな時は、その木の斜め左40度くらいに位置取りして(正前ではセリ師に買う気満々と思われるので)セリ番が近づくにつれて、正直ドキドキ。気持ちを抑えて、あらかじめ下見で踏んだ値、今日の予算を頭に思い浮かべながら、
さあ、来た、セリ番。
「ではつぎ、六十一号・・・・。」
セリ師は、なにやら商品のリストを見ながら、
「え~、四千円。」
踏んでた値段が三千円、この番8枚口。八千円増しのこの買い物、ほんのわずかの間をおいて、ピクリと私の右手が動いたその瞬間、私の右後方で一人、二人と手が挙がり、
「四千五百、五千、・・・・・はい、五千で936番。」
とセリ落としたひとの番号を読み上げ
「は~いつぎ、六十二号・・・。」
私は、ふぅ~~と大きくため息をつき、「五千円かぁ、さんぱにじゅうし、ごはよんじゅう・・・」などと呪文のような九九を唱えながら、「四千円ですぐ手を挙げたら買えたかな。」
私は、ちょっと一息つこうと人の群れを抜けでました。続く。