虫の息

「辺見えみり妊娠 松田賢二喜び」

　おしゃれな出産するんだろうな～

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改め、虫の知らせ。

　会社にまぁまぁ趣味があう人が一人だけいて、時々話をしたりする。その人は以前の職場で一緒に働いていたのだが、その職場のプロジェクトが終了したため離れ離れになったのだが、縁あってまた一緒のフロアで働いている。その人と仕事の締め日に少しだけ趣味の話をしていた。んでまぁ帰りましょうということになって、一緒にエレベーターに乗った時に、ふっと昔のことを思い出した。

　以前いた職場で、その人のお兄さんが危篤になり余命わずかという状態になってしまったのだ。だがお兄さんが住む実家は和歌山県の奥の奥なので、気軽に帰ることはできずどうしようか～とその人は悩んでいた。僕とその人が同じ職場にいた時はお兄さんは存命だったが、その後どうなったのだろう。というのを思い出したのだ。

「そういえば、お兄さんってその後どうしたんですか？大丈夫なんですか？」
「あー全然、大丈夫ですよ。全然元気。酒ばっかり飲んでるみたいっス」

　と言って別れた年末。そして2013年、仕事が始まったのだが、その人がソソソーっと僕の席のところにやって来てこう言った。

「アニキ死んだッス」

　僕と別れた仕事の締め日に家に帰ると実家から電話があり「お前の兄ちゃん死んだッス」と言われたらしい。ザッツ！オール！これぞ虫の知らせ。ちなみにその人は全然悲しそうにしていなかった。