◇セ・リーグ
ヤクルト・村中―巨人・内海(神宮)
DeNA・ジオ―阪神・能見(横浜)
広島・バリントン―中日・山内(マツダスタジアム)
◇パ・リーグ
ロッテ・成瀬―西武・石井(QVCマリンフィールド)
オリックス・マクレーン―日本ハム・斎藤(ほっともっとフィールド神戸)
2012年3月20日、季節はずれの大雪で10センチ近くの雪が降り積もった、新潟HARD OFF ECOスタジアム。その室内練習場に鳴り響く打球音を取り囲む、地元テレビ局などの取材陣。その視線の先には、自らの名前を刻んだ特注ノックバットで野手陣に鋭い打球を放つ、あの高津臣吾がいた。
1996年のオールスターゲームで投手・イチローと対戦した打者・高津以来、バットを握る姿を見た記憶はない。みんなが微笑ましい表情で見つめる中、野球小僧のような笑顔を浮かべバットを振り続けていた高津が照れながら、「振り込んできたからね……ゴルフでだけど」と、いつものように笑いを誘った。
4月21日、プロ野球開幕から約1カ月遅れて、もうひとつのプロ野球が開幕する。プロ野球独立リーグ、ベースボールチャレンジリーグ(BCリーグ)。新潟・長野・群馬の上信越地区と石川・富山・福井の北陸地区2リーグ6球団による戦いは、まず各地区の前期(36試合)優勝チームと後期(36試合)優勝チームが地区優勝を争い、勝ち残った2チームがBCリーグチャンピオンシップで激突し、リーグNo.1を決する。最後には、日本独立リーグチャンピオンの栄冠をかけ、四国アイランドリーグ優勝チームとの決戦に挑むのだ。
その中で最も注目を集めているのが、今シーズンから新潟アルビレックスBCの選手兼任監督に就任した高津臣吾43歳。なぜ彼が注目を集めているのか? それは2011年12月19日監督就任会見の席での言葉。
「来年がプレイヤーとして最後の年になるのではないかと考えている」
これまで数々の苦難に遭遇しても辞めようとしなかった男が、ついに自らの引き際を口にした。
ヤクルトスワローズ不動のストッパーとして3度の日本一に貢献し、2003年には通算229セーブの日本プロ野球記録(当時)を更新。翌年37歳でメジャーリーグに挑戦、シカゴ・ホワイトソックスとニューヨーク・メッツでストッパーとして活躍した。2006年には、ヤクルトに復帰し日米通算300セーブを達成するが、2007年、球団から戦力外通告を受ける。
その後2008年は、韓国のウリ・ヒーローズ。2009年は再びメジャーリーグへ。サンフランシスコ・ジャイアンツとマイナー契約を結ぶが、メジャー昇格はならず。2010年には台湾の興農ブルズと契約し、日本人で初めて日本、アメリカ、韓国、台湾4つのプロリーグを経験。そして2011年、新潟アルビレックスBCに入団し、名球会入りの選手として初めて独立リーグでプレイした。プロ野球生活20年、通算363のセーブ数を積み重ねた偉大な投手・高津臣吾が歩んできた道は、波乱万丈という一言では語り尽くすことができない。
そんな男が2012年、投手兼任監督という難しい職務を担いながら、ついにラストシーズンを迎える。高津は「監督業を7割から8割、残りの3割から2割を投手」と語っているが、多くのファンはプロ野球を代表する偉大なるストッパーの最後の勇姿を見に球場へ足を運ぶはず。しかも「バッター俺」は聞いたことがあるが、「ピッチャー俺」をいつどういう状況で告げるのか、投手・高津臣吾に注目が集まる。
しかし、現時点で高津が重きを置くのは、あくまでも監督業。43歳の新指揮官が、いかなる野球を目指すのか興味が尽きない。就任会見以来「プロとして勝利にこだわる」と公言し続け、昨シーズン、リーグチャンピオンシップに進出しながら苦杯を舐めさせられた石川に対して「忘れ物を取りにいく」と勝利への熱い想いを語ってきた。
合同合宿前日、選手を集め初めて行なったミーティングで2012年のテーマ「進化」を発表。その意味を高津は、「1球1打すべてで進化する。投手は抑えて進化、打たれても進化。打者は打って進化、凡打でも進化してほしい」と選手に伝えた。
これは、高校・大学で2番手投手に甘んじながらプロ入りし、異国の地で挑戦し、ライバルの高い壁を乗り越えマウンドに立つため、1球1打全てのシーンで疑問を抱き、観察し、考え抜き、チームの勝利のために進化を続けてきた自身の経験から生まれたものだ。
「野球が上手くなりたいし、どうやったら相手を抑えられるか、と常に疑問を持ち考えてきた」。この『反骨精神』そして『野球小僧の心』こそ、高津臣吾の野球人生を支えてきた最大の要因なのだ。昨シーズンからチームのキャプテンを務める清野友二選手が話してくれた。
「高津さんは、勝利へのスイッチが入った時の気迫は怖さを感じるくらい。その気迫を見習って今年は戦いたい」
日本人で初めて4カ国のプロ野球を経験した高津監督は、「日本の細かい繊細な野球とアメリカの豪快で大胆な野球をミックスして良い指導、チームができたら、自分の経験を生かしたということになると思う」と語った。それぞれの良いところ、悪いところを理解している。だからこそ、これまでにない新しい野球が生まれるのではないかと興味は深まっていく。
高津にファンへのメッセージを求めると、「面白い野球をするので、球場に観に来てほしい」と返ってきた。43歳の新人監督・高津臣吾が、新たな野球の境地に挑む舞台。数々の記録と記憶を残してきた現役21年目の投手・高津臣吾が、最後の戦いに挑む舞台。4月21日、もうひとつのプロ野球が開幕する。
日本サッカー協会・原博実技術委員長(53)は18日、関塚ジャパンの国内の23歳以下の候補選手を4月中に30~40人に絞ることを明かした。4月中に行われる日本オリンピック委員会(JOC)のメディカルチェックに100人を受けさせようとしたが「多すぎると断られた」ため、絞り込みを余儀なくされた。メディカルチェックを受けなければ五輪に出場することができないため、事実上の国内組最終候補になる。海外組とオーバーエージの候補は5月以降にチェックを受ける。
女子選手は、なでしこジャパンの佐々木則夫監督(53)によると4月中に代表候補を36人に絞り込み、JOCにリストを提出。5月中にメディカルチェックを行う予定だ。
また、原委員長は国際サッカー連盟から「男子選手が五輪に出場するU―23代表に選出された場合、各クラブは招集を断ってはならない」という正式なレターが届いたことも明らかにした。「今まではクラブに頭を下げてお願いするだけだった。これで少しやりやすくなる」とFW宮市亮(19)=ボルトン=ら海外組の招集へ自信を見せた。
テキサス・レンジャーズのダルビッシュ有投手は、現地19日に敵地で行われるデトロイト・タイガース戦でメジャー3度目の先発マウンドに立つ。今回の注目ポイントは、左打者対策だ。
ダルビッシュが過去2試合で打たれた17安打のうち、実に14本が左打者によるもの。対左は被打率.368(38打数14安打)と打ち込まれている(右打者には被打率.250:12打数3安打)。タイガース打線は左バッターが豊富な方ではないが、それでも大砲プリンス・フィルダー一塁手を筆頭にアレックス・アビラ捕手、ドン・ケリー内野手、ブレナン・ボーシュ外野手ら左打ちの強打者を揃えている。
ダルビッシュは「左バッターに対してだけでなく、投球の質を高めて力強く投げなくてはいけない」と、ことさら左打者対策に固執してはいない様子。一方、ロン・ワシントン監督は、左打者に有効なボールは内角へのカットボールと外へ逃げるシンカーだと持論を展開。「ダルビッシュにもその2つの球種はある。その使い方を学ぶことが重要だ」と語った。
そしてワシントン監督は、ダルビッシュのメジャーへの適応が進んでいることにも自信を見せている。「明日はいい意味でみんな驚くよ。ダルビッシュは2度目の先発で良くなっていたし、その成長曲線をキープできていれば、明日は本当にいいゲームになると思っている」
18日に行われたチャンピオンズリーグ(CL)準決勝第1戦、ホームでバルセロナに勝利したチェルシーのコートジボワール代表FWディディエ・ドログバは試合後のインタビューに応じ、自身の得点によるチームの勝利を喜んだ。
「今日のチェルシーはバルセロナを最後まで無得点に抑え込んだ。3年前の敗北の教訓から学んでの勝利だった。素晴らしい結果が出せて、みんな満足している。僕たちはバルセロナとの第2戦でも得点して決勝戦に進みたい」