人の死を看取る介護施設の猫オスカーの物語が映画化
2010年8月23日
[映画.com ニュース] 米ロードアイランド州プロビデンスにある介護施設でセラピーキャットとして暮らす、人の死期を予知する不思議な能力を持った猫オスカーの物語が映画化されることになった。
デイビッド・ドーサのベストセラーノンフィクション「オスカー/天国への旅立ちを知らせる猫(原題:Making Rounds With Oscar: The Extraordinary Gift of an Ordinary Cat)」(邦訳は早川書房刊)を映画化するもので、「HACHI 約束の犬」の脚本家スティーブン・リンゼイとルイス・ウガスが脚色にあたる。
重度の認知症患者が多く暮らす「ステアー・ハウス看護リハビリテーション・センター」に子猫のころにやってきたオスカーは、現在5歳のオス猫。死が数時間後に迫った患者を察するとベッドに飛び乗り、その人が息をひきとるまで隣で丸くなって寄り添うことで知られる。そのようにしてオスカーが看取った人は、すでに50人を超えるという。
原作の著者ドーサは同センターの回診に来ていた老年医療の専門医で、2007年に権威ある医学誌「ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディスン(NEJM)」に初めてオスカーに関する記事を寄稿して話題を呼んだ。原作はさらにオスカーが看取った人々の遺族やスタッフへの聞き取りを通して、それぞれの人生模様を浮かび上がらせる内容で、映画も猫を中心にしたヒューマンドラマになりそうだ。
なおオスカーは、現在公開中の映画「ネコを探して」にも出演している。
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http://gigazine.net/news/20100203_death_cat/ より転載しました
詳細は以下から。Cat predicts 50 deaths in RI nursing home - Telegraph
現在5歳のオスカーは、子猫のときに重度の認知症の患者をケアするロードアイランド州プロビデンスのSteere House Nursing and Rehabilitation Centreに引き取られました。
![](http://i.gzn.jp/img/2010/02/03/death_cat/deathcat01_m.jpg)
オスカーは普段は病室から病室へと歩きまわり、1人の患者のそばにずっと居るということはないのですが、死の数時間前だけはその患者のそばを離れません。死にかけている患者の病室から閉め出されたときにはドアをひっかいて中に入ろうとします。
オスカーの「予知能力」は時に病院のスタッフより正確です。あるとき、看護士らが「余命わずか」と感じていた患者のベッドにオスカーを載せたところ、オスカーはすごい勢いで飛び出してほかの病室へ行き、その病室の患者のそばに座りました。オスカーが駆け込んだ病室の患者はその夜のうちに息を引き取り、看護士が余命数時間と考えていた方の患者はその後2日間もったとのことです。
病院にはオスカーのほかに5匹の猫がいますが、このような「予知能力」を見せるのはオスカーのみとのこと。
ブラウン大学准教授で老人病専門医のDavid Dosa博士は、2007年にNew England Journal of Medicine誌にオスカーの「予知能力」について執筆しました。それ以後もめったに外れることなく患者の死を予知し続け、Dosa博士はこれは偶然ではないと確信しています。
今ではDosa博士や病院のほかのスタッフらは、オスカーがベッドに飛び乗り患者に添い寝をすると、その患者の家族に知らせることにしているようです。
「いつものようにブラブラせず、2分ほど病室から滑り出してどこかで何かを食べると、また患者のそばに戻ってきます。寝ずの番をしているかのようです」とDosa博士。
オスカーについて書かれたDosa博士の著書「Making rounds with Oscar: the extraordinary gift of an ordinary cat」ではオスカーの行動について確固たる科学的な説明は提供されませんが、「ガンのにおいをかぐことができるとされる犬のように、オスカーは細胞が死ぬときの独特なにおいを発するケトンをかぎわけることができるのではないか」と示唆されています。
「死をかぎつける猫」というと不吉な感じがするかもしれませんが、患者の家族や友人はオスカーを不気味がることはなく、患者の最期にオスカーがそこに居てくれることに感謝し、時に新聞の死亡広告などでもオスカーを称賛するそうです。
「人々は大切な人が息を引き取る時にオスカーがそこに居ること、自分がその場に居られなかったとしてもオスカーがそこに居てくれたということに大きな慰めを見いだしています」とDosa博士は語っています。
なお、この不思議な猫のオスカーについてのDosa博士の著書は「オスカー――天国への旅立ちを知らせる猫」として2010年2月19日に早川書房から日本語訳が刊行されるそうです。
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♫ 動物は本当に何を感じるのか、不思議な物を持っていると思います。
私の実家でも父が亡くなった時、犬のえさやりを忘れていたそうです。しかしいつもは、ねだって、吠えまくるはずなのに、その日はウンとも、スンとも吠えませんでした。
このように、何か言葉ではなく、人間の何かを感じるのは、動物に備わっているものかもしれませんね。
この猫のような猫は、他にはいないということでした。
介護施設にこのように、猫が飼われているというのは、日本ではまだないのではないでしょうか?
猫嫌いの入居者もいるからでしょうか?衛生管理からしてでしょうか?
残念なことです。どれだけ介護者の心をなごませるのか。そのほうを優先するべきだと、私は思います。