私は毎日のように海を見ていて、波の力で発電できないのかと思っていた。波は物理学がいうところのエネルギー転換に他ならない。脱炭素はもちろん本物の自然エネルギーだ。これが久米島で実証実験を始めるという。担当は音力発電という神奈川県の会社だ。大きさは20m×30m×20m(h)だという。
波は地球と太陽と月の力で起きており、途切れることがない。島での発電には燃料輸送の負担は不要だから安くできるはずだ。設備投資をどの程度の年限で回収できるか、耐用年数との関係で、プラスマイナスが決まるだろう。台風などの悪影響さえ回避できれば有力な発電になるはずだ。地産地消だから地域自治に貢献する。それだけ大きいものを固定するのだから、海流の変化は起こりうる。最適な場所を選ぶことも重要であり、地元の海人の協力・ご意見番が欠かせない。
久米島では22年に実証実験を始め、23年から本格稼働させたいという。
こうした技術がもっともっと見直され、推進されるべきだ。私は1980年代から自然エネルギーの発電・地域エネルギーに転換すべしと言ってきた。海を見ていれば、これを電力エネルギーに転換できないわけがないと思っていた。問題はどうすれば安定して回るかだろう。そこは実証実験で確かめるしかない。大いに期待している。