宮古島海上保安部所属の巡視船PS-31しもじによる20ミリ機関砲の誤射事件のことだが、27日の記者会見で、第11管区本部長が謝罪したという。「訓練の手順違反状態化」というのだから、あきれかえる。前日に実弾を装填していたという。基本の基を守っていなかったわけだ。
第11管区(沖縄周辺海域担当)海上保安本部一篠正浩本部長は「実弾は一つ間違えれば凶器になるという危機意識が欠如していた」と語ったそうだ。今更言うか!
ルーティンワークだから意識しなくなったのか、「船員が楽をしたかった」という話だけでない問題が隠されているように私は思う。PS-31級の船の定員は16名であり、このうち、射撃担当に何名割り当てられていたのだろ。どうも航海科の何名かが重複して担当していたようだが、「砲術士」は配置されていないようだ。
また、尖閣対応と言うことで、2016年に拙速につくった部隊だから、わさわさしており、発射基準のマニュアルの制作、考え方の整理と共有化がはかられていなかった可能性もある。同本部長は「機関砲訓練についての安全点検や海上保安庁の武器担当者による機関砲の構造や操作についての研修を実施する」と説明したようだ。
そもそもこんなことは接岸中にやることではないだろう。ここから徹底しなければならない。また、海上だって如何に周囲を確認した上でやるのかは最低条件だ。また押せば弾は出るものだ。だから外す(再確認)のだ。
これまで自衛隊も同じようなポカをやってきが、海保は軍隊ではない。海上の警察であり、取り締まりだ。それだけ如何なる場合に武器を使うのか、使わないのかは、冷静で慎重な判断が必要だ。こうしたことも含めたトータルな点検が必要だろう。
JM61=RFSという武器は、ピストルの延長ではない。相手の小型船を沈めるだけの打撃力があるのだ。これを武器として使う際の判断こそが重要なはずだ。軽く撃ってみましたではならないのだ。
「手順違反常態化」という慣れを見過ごしていたら、いざというと時に、過剰防衛(攻撃)が起きやすくなる。構造的な問題として海上保安庁は考え直すべきだ。
私なりによく調べて問題点を洗い出したい。