本日(2023年11月8日)の沖縄タイムスは「在沖米軍幹部懸念示す」「軟弱地盤 軍事上影響の可能性も」「普天間維持の考えも」とでています。
これは、11月7日に行なった在沖米軍幹部への 沖縄県内外の記者達とのメディア・ワークショップ(記者会見)での発言をタイトルにしたものです。どういうことでしょうか? 解説します。
①「大浦湾側の軟弱地盤は軍事上、影響を与える可能性がある」 端的に言えば、滑走路は航空機の離着陸のための施設です。軍用飛行場ですからさらに軍当局の要求は高くなります。離着陸するときに滑走路が沈んだら(急性ばかりか、慢性に)、使えません。事故が起きると分かっていたら、誰も「いいよ、いいよ」とは言えません。この軍幹部は、そうしたことにならないように願いたいと言っているだけです。当たり前の要求です。まして「安保環境が厳しくなっている」と、民間の港湾や空港を使うと言ったり、司令部の地下化工事を進めるなど、基地の抗湛性を高める必要があると言われるご時世です。こうしたときに劣化した新滑走路を喜んで使う軍幹部はいないでしょう。
ここに米日関係という政治が絡んでいるのです。無理やり造って利権をばらまく日本政府。米軍の要求100%に応えられるまで、普天間基地の返還を求めないという日本政府の裏技があります。米軍はそこを全部お見通しだから余裕シャクシャクです。
➁「軍事的には、辺野古が完成した後も、普天間飛行場の維持を希望する」 これも米軍は凖公式に言ってきたことです。普天間飛行場は海兵隊の飛行場ですが、実際はそれに留まりません。嘉手納飛行場を補完する機能をもっているのです。普天間飛行場では大型航空機の離発着も現にやっています。そもそも2800mの滑走路です。C-5ギャラクシーという巨大な輸送機も使えるのです。それが1800m(前後300mはオーバンランの補助部分)の新滑走路では不可能です。
「安全保障環境が厳しくなっている」ならば、嘉手納基地が破壊され、使えなくなったときの予備の飛行場は不可欠です。だから、当初からこの長い滑走路を日本側が提供することが、普天間基地返還の要件とされていました。そんな場所はどこにあるのでしょうか? あるとすれば、那覇飛行場でしょう。戦争を引き起こす準備を重ねている現在の米日関係を見ていたら、とうてい私たちは、そんなことを認めることはできません。私たちの足が、暮らしが脅かされます。
③「普天間飛行場は、周囲を山に囲まれる辺野古よりレーダー監視がクリアに行える」 普天間飛行場は宜野湾市のど真ん中の高台(約70m)にあります。新飛行場は海面から8mほど。西北西に辺野古岳、久志岳を中心に300m級の山が広がっています。レーダー監視に穴が生じうると懸念しているのです。近頃のミサイルは地形を読みながら谷沿いに進入したりできるから、360度クリアな普天間が安全だと軍幹部は考えるのでしょう。
私達は、いつまで日本政府がついている嘘にだまされているのでしょうか? 「世界一危険な飛行場」だと思うならば、愚直に「普天間基地撤去!」の声を上げていきましょう。そして「新基地建設阻止」を共に闘いましょう。