ヤマヒデの沖縄便りⅣ 歩き続けて 歩き続ける 再び

「基地の島」沖縄を歩き続け34年、気ままに綴ります。自然観察大好き。琉球諸島を戦場に据える「島嶼防衛」は愚の骨頂。
 

【拡散願います】アキノ隊員への威力業務妨害等の弾圧を許さない(20210804)

2021年08月04日 | 米日地位協定-事件事故

 本日2021年8月4日の沖縄タイムス29面に、「宮城さんを書類送検」「北部訓練場跡 廃棄物に抗議」「県警 威力業務妨害の疑い」とある。これは6月にも、家宅捜索を受けたとニュースになり、私も当ブログに書いてきた案件の結果だ。これから裁判になるだろう。

 アキノ隊員こと宮城秋乃さん(蝶類研究者)は、北部訓練場周辺、高江での蝶類の観察・研究を続けてきた。これが2016年年末に北部訓練場約8000ヘクタールの約半分4000haが米軍から返還された。該当地は演習場として使われてきたやんばるの森だ。北部訓練場では実弾ではなく、空砲を使うことになっている。この空砲等がたっぷりと残置されている土地だ。

 アキノ隊員はこれらを記録し、時に拾い、県警に、米軍に回収するよう求めてきた。使っていたのは米軍であり、土地を米軍に提供してきたのは沖縄防衛局・防衛省だ。普通に考えたら、使っていた者が返すとき、当然、残留物がないように調査し処理をする。特に演習場だから大量の爆発物や放射性物質もあちこちに捨てられている。

 しかし米軍は特権をもっている。返すときそのままにしていいことになっている。日米地位協定第4条に「1、合衆国は、この協定の終了の際、又はその前に日本国に施設及び区域を返還するに当たって、当該施設及び区域をそれらが合衆国軍隊に提供されたときの状態に回復し、又は回復の代わりに日本国に補償する義務を負わない」とあるのだ。「義務を負わない」とは、ぶっちゃけ、放置してかまわないということだ。

 報道によれば、国は17年12月まで支障除去をしたという。空砲類15000発あまりを回収したと言っているそうだ。しかし4000ヘクタールの凹凸のある山林だ。これを1年で除去できるわけがない。米軍が1957年10月から2016年12月まで(59年間)使っていたのだから、残留物はどれだけあるのだろうか。

 沖縄防衛局は、跡地利用特措法に基づき、跡地の引き渡し前に「全域を対象とした資料等調査を行い、土壌汚染調査や、廃棄物処理等を実施した」という。繰り返すが、ここは演習場。住宅区域ではない。部隊間の演習だから、こっちで撃ち、あっちで撃つ。押したり引いたり、左右に展開したり。要するに無差別に廃棄されていることが容易に想定されるのだ。到底資料での調査では、調査たり得ない。

 約51haにすぎなかった西普天間住宅地区(宜野湾市)の支障除去に3年かけたという防衛局。面積だけでも78倍あるのだ。住宅地と演習場では全く違うことを考えれば、桁違いの調査と作業が必要となる。しかも沖縄防衛局は、たださぼったのではない。早く世界遺産にしてしまい、基地跡地のイメージを消したかったのだろう。返還実績を誇示したかったのだろう。そんなことができる頭だということは、何を意味しているのか。やんばるの照葉樹林が織りなしている生物多様性豊かな自然環境だということを度外視できるということだ。

 宮城秋乃さんが悔しくって哀しくって、彼女にここまでやらせたのは、こうした無法、無様なこの国を許せないからだろう。そして何よりもやんばるの森を愛し、自然を愛しているからだ。

 本稿の最後に威力業務妨害罪に触れておく。刑法第234条「威力をもちいて人の業務を妨害した者も前条の例による」ーここで問われることは、米軍が出した廃棄物を米軍基地の出入り口に当たるオレンジラインにおいたこと、抗議したことが、ここでいう業務妨害に当たるか否かだ。地位協定第4条をまっこうから問い直す裁判となる。

 また廃棄物の処理及び清掃に関する法律の第16条(投棄禁止)、第25条(罰則規定)でも訴追されているようだ。しかしこれも同法第11条は「事業者は、その産業廃棄物を自ら処理しなければならない」ことになっている。にもかかわらず、こうした米軍特権を許してはならないのだ。

 裁判の被告席に座るべきは、米軍当局であり、沖縄防衛局・防衛省だ。

 あなたは、どちらにたつのか? 私はアキノ隊員の側にたつ。 

 

 

 

 



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