ヤマヒデの沖縄便りⅣ 歩き続けて 歩き続ける 再び

「基地の島」沖縄を歩き続け34年、気ままに綴ります。自然観察大好き。琉球諸島を戦場に据える「島嶼防衛」は愚の骨頂。
 

【拡散願います】【補正】コロナ禍の沖縄の恨み節(20220115)

2022年01月16日 | 米日地位協定-事件事故

 2022年1月14日の沖縄タイムスの一面は「1817人感染最多更新ー米軍も過去最多560人」とある。15日の一面右上に「1596人感染 病床使用49%」。下段に12月19日から25日の7日間で109名、26日から1月Ⅰ日の7日間で228名、2日から8日の7日間でで5183名、9日から14日の6日間で8144名とある。恐るべき急拡大中だ。

 玉城デニー知事は12月21日、キャンプ・ハンセンでのクラスター186人に対して在沖米軍トップ(ジェームス・ビアマン4軍調整官)と日本政府(小田原潔外務副大臣)に申し入れを行った。①収束まで米本国からの県内への移動停止、②ハンセンの全軍人・軍属へのPCR検査の実施と、基地外への外出禁止、③基地内での変異株解析体勢の構築を求めた。しかしこれがあるていどの結果になったのは、年が明けた1月9日の日米合同委員会の声明だ。それにしても出鱈目すぎる。

 「新型コロナウイルス感染症の拡大に対処するための措置に関する日米合同委員会声明」(外務省HPから転載)

 冒頭に「日米両国は、日本全国における新型コロナウイルスの感染者数の増加の重大性を認識し、これを深刻に受け止める」。これを受けて、こう言っている。「日本政府と在日米軍は、高いレベルでの、抑止に必要な即応性と、日本の安全保障並に地域における国際の平和及び安定の維持のために日米安全保障条約上の履行についてバランスをとりつつ、日本国民並びに米軍人及びその家族の安全を確保するために緊密に協力している」というのだ。

 この第1パラグラフは、まず軍事態勢の維持が肝心であり、その余力の範囲で日本国民等の「安全を確保する」ということだろう。そうでもなければ、昨年9月以来出国時のPCR検査を米軍が免除してきたことをどう考えているのだろうか。全く呆れはてる。「緊密に協力してこなかった」からこうなったんだろう。あるいは「両政府が緊密に協力してルーズにしてきた」の書き間違えだろうか。無責任過ぎる。

 第2パラグラフは、1月7日の「2+2」で「日米両国は、日本国民及び米軍関係者の健康を守るために協働することにコミットしている」として、以下の4点を掲げている。コミットしているとは「合意している」の意だろう。だとすれば、本件は昨年7月にキャンプ・ハンセンで3桁のクラスターが出て以来、日米合同委員会で協議してきたはずだ。当然「健康委員会」などの合同委員会分科会が新設されて吟味してきたのだろう。

 もし開催していないとしたら、到底この間の協議をコミットなどと、私は認めることはできない。何事にもこれまでがあって、今の対処があるはずだ。無内容をごまかす「コミット」に欺されてはならない。

 以下の4点とは

①22年1月10日から14日間、在日米軍施設、区域外に於ける在日米軍関係者の行動は、必要不可欠な活動のみに制限される。

②在日米軍はまた、全ての在日米軍関係者に対して、自宅以外での施設・区域内外におけるマスクの着用を義務とする方針を施行している。

③在日米軍は、出国前及び入国後の厳格な検査手続きを維持し、14日間の検疫期間の終了まで行動制限要件を厳格に実施する。

④在日米軍は、日本政府との協議の下、新型コロナウイルス感染症の状況を継続的に監視し、必要に応じてこれらの措置の調整を行う。

 「以上の行動に加え、日米両国は、日米合同委員会の下、新型コロナウイルス感染症の拡大の対処及び最小化のため、必要に応じて関連事案の情報を共有し、追加的な措置に関して緊密に協議するために協力する」とある。

 最後のパラグラフは、こうだ。

「日本政府は、在日米軍施設・区域における米国及び日本の関係者に対する迅速なワクチン接種、並びに本日発表された措置及び追加的な協力により示される厳格な新型コロナウイルス感染症対策を、透明性をもって継続的に実施するための在日米軍の強力なコミットメント、特別な柔軟性及び協力を評価する」としているのだ。

 以上の改善点とまとめを見ると、以下の点が改めて浮き上がってくる。

(A)経緯を踏まえた反省がない。このままでは、今後の「状況を継続的に監視し」にも疑問符がつく。まして米国内では「米、Ⅰ日100万人感染ーオミクロン猛威 若者入院最多」(2022年1月5日ワシントン共同)と3日段階の状況が報道されていることを鑑みれば、最大の警戒が不可欠なはずだ。

(B)こうした措置を行うのは米軍であり、実態は不透明なままだ。肝心な情報を沖縄県等の自治体に公表すること無くして、疑問符がつくばかりだ。いつものことながら現行地位協定を維持したい日本政府は、自らの権限行使を全くなしていないのだ。どこまで「お願い」だけで行くのか。ここは、「日本の領土」ではないのか?!

(C)日本政府は、米軍の「コミットメント、特別な柔軟性及び協力を評価する」ばかりなのか。特別な柔軟性とは、現行の地位協定をそのままに、「深刻に受け止める」からやったということになる。繰り返すことになるが、継続的な監視と検討がどこで行われているのか全く不透明なままだ。この際、合同委員会(分科会)を表に開くなり、公開の別の場で協議と対策を行うべきだ。

 12月21日に沖縄県知事が要請したが、何故19日間も遅れたのか。広島や山口県両知事、横須賀市、三沢市などの要望を踏まえて、ようやく動き出したのが実情だろう。

 1月13日午後現在の感染者数(14日日本政府が公表した回復者を除いた数)

◎沖縄県ー3427人 内訳:嘉手納基地(空軍)788人、トリイ通信施設(陸軍)116人 普天間飛行場(海兵隊)317人 キャンプ・ハンセン 882人、キャンプ・フォスター540人、キャンプ・キンザー283人、キャンプコートニー142人

◎沖縄外-1913人 内訳:三沢基地(空軍:青森県)317人、横田基地(空軍:東京都)179人、横須加基地(海軍:神奈川県)245人、厚木基地(海軍:神奈川県)180人、キャンプ座間(陸軍:神奈川県)151人、岩国基地(海兵隊:山口県)652人、佐世保基地(海軍:長崎県)148人 

◎総計 5340人

(続く)

 

 



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