(Ⅰ)検察庁の動きと、「派閥解消」の狙いは何だろう?
①はじめに
昨年後半から、政治の、自民党の「裏金」が話題になっている。これは「国民的な話題」になっているのだろうか? 武蔵野市長選(23年12月24日投票日)や八王子市長選(24年1月21日投票日)を見ている限り、どうもなっていない。それは地方政治と国政は違うということもあろうが、地域政治の、野党共闘の乱れもあり、自民党(中心とした)市長が誕生している。「話題」と言っても、軽口で終わっていれば、投票に結びつかないのだろう。
私は自民党政治などの政党政治や政局に興味ない。よって「裏金政治」について何か言う気もないのだが、どうも「裏金」の裏に、秘部が隠れているような気がして、私には仕方ないのだ。そこで、以下。
➁検察庁の動きはー
検察庁の捜査は、裏金4000万円以上でなければ、黙認した。また、秘書・事務方のみの捜査、処分で終わろうとしている。政治資金規正法の闇の部分を黙認しているのだ。政治資金規正法上の政治資金は非課税だが、「裏金」はその範疇に入らず、雑所得で課税されるべきものだ。これを怠れば脱税事件だ。国税庁は自民党政治家の脱税を捜査すべし。
③派閥解消とは何か
安倍派、岸田派、二階派も派閥解消を決めた。茂木派も? 麻生派は解散しないという。彼らの「派閥」とは何か? 首相や大臣等に成り上がるための組織であり、権力をとる基盤であり、財界(人)や米国(権力者)との繋がりの絆だろう。
派閥を解消するのは、為にするものであり、形を変えるだけだろう。彼らの利害・利益の構造・仕組みの基本は変わるまい。「裏金」は政治資金規正法で規制されているが、派閥を規制する法はない。要するに「派閥解消」とはペテンであり、隠然と政治の裏側に逃げ込むことを促進していくだろう。
自民党政治は、「裏世界」の話になっているのでは、あるまいか?!
(Ⅱ)裏金と裏政治―独裁への道を問う
①裏金の使い方
誰か裏金をかくかくしかじかに使いましたと明言した政治家はいるか? いないでしょう。不知。交際費・飲食費だという弁明は聞えてくる。しかし交際費も飲食費も別途政治資金や自己資金でやっていますよね。その埒外(裏金)でやるのは、隠然とやる(隠したい)根拠があるからではないのか。4000万円という線引きの金額に私は驚愕するが、10万円だって、そんな隠然とやる理由があるのか、ありえないはずだ。私は非常に怪しんでいる。
要するに裏金とは金額(フロー)の問題ではない。非公然・非合法の活動に怪しい活動に接点があるのではないか?! もっとも単純に、彼ら彼女ら政治家がポッポに入れるという動機は間違いなくあるだろう。自由に使えるお金はあればあるほどいいものだろう。被災者のことなど関係ない、貧困のことも、オキナワのことも、フクシマのことも、ヒバクシャのことも、○○のことも関係ない。派閥(集団)と自身の「利権と票」がすべてなのだろう。
誰か、私は裏金をかくかくしかじかに使いましたと言わないか?!
②裏政治について
今の自公政治は民主主義を重んじているのか、法治主義にたっているのか、立憲主義に立っているのか、極めて怪しいものだ。ここで私は、「民主主義とは何か」を正面から論じない。しかし国権の最高機関である国会(日本国憲法第41条)でどれだけの審議が尽くされて決まっているのか? 形骸化されて久しい。明文改憲であるはずの集団的自衛権の一部「合憲化」を勝手に閣議決定(2014年7月1日)した安倍政権。そして関連戦争法を「有事法制」と称して国会で強行採決していった。その挙げ句が、2022年12月の「安保3文書」を岸田政権が閣議決定。もうこうなると日本国憲法に照らして、可否を考えるという立憲主義が完全にスルーされてしまったのだ。
そもそも安保問題は、とっくに憲法の規定を離れており、米国の指図で動かされてきた(「検証・法治国家崩壊―砂川裁判と日米密約交渉」吉田敏浩著など参照)。数々の「密約」と日米地位協定によるマル秘の合意である。公式な審議録は隠されたままだ。こうして「専守防衛」が敵基地攻撃能力論によってはじき出され、全面的な先制攻撃の「合法」化に向かって進んできた。
こうした下工作を誰がどのようにやっているのだろか。日米合同委員会の日本側委員は、外務省、防衛省の役人だ。米国側は米国軍人などだ。こうした審議は事務的に進んでいるのだろう。例えば武器輸出3原則の撤廃・改定に当たって事務方と日本の軍事企業関係者が裏話をしてきただろう。安倍首相(当時)のゴーサインを前に、防衛族の政治家が関連企業幹部との懇談をやってきたかもしれない。
こういうとき、こうした裏金が使われてきたのではないか。内閣官房機密費というマル秘金(国家予算)もあるが、もっと内々の「懇談」(秘密会)費用も当然あるに違いない。
こうした国の予算や、政治家の公費を使いがたいことは少なくないのではあるまいか。マル秘下での裏工作もあるだろう。国会審議を十分に通さず、あるいは肝心なことを秘匿したまま通す案件・方法が多くなっている昨今、闇夜の懇談は増えることはあっても減らないだろう。
私は、閣僚(大臣・副大臣・政務官)、官僚、政治家の役回りを正確に分かっているわけでない。しかしマル秘政治の肥大化の中で、政治家が使途不明のまま使うことは、少なくあるまい。防衛族などの何々族それぞれが関連企業人との懇談・懇親は、少なからずあるだろう。お金の使い道、誰とのなどを隠してきた裏金との相性がぴたりではないか。実際の政治家の極悪さは多分こんなものではあるまい。彼らの鉄面皮の姿を改めて見せつけられている今、「闇世の手配師」だと見做すしか、私は考えられない。
③独裁への道と裏金の問題
私たち市民は、チョビたお金で呻吟しながら、生きている。だから益々政治の世界から視野を閉じがちだ。見えないし、余りにも「世界」が違う。独裁化が急速に進んでいることに気がつかない。政治資金の裏金が騒がれていると分かっていても、それは何を意味するかがわからない。実は私たち市民の暮らしを真綿で縛っていくお金の流れだと気づくべきだろう。
裏金が騒がれようが、岸田政権がどうなろうが、沖縄の新基地建設工事は関係ないかの顔をして進んでいる。しかし一歩突っ込んでみれば、自民党沖縄の国会議員と、防衛、運輸、土木建設などの企業の縁は深いに違いない。独裁への道は確実に新たなお金の流れを加速していくだろう。
私はこの間、「裏金話」を考えながら、「ああでもない、こうでもない」と考えてきた。やっと考え方の第一歩が分かってきた気がする。皆さんもそれぞれの場で考えて頂ければ、ありがたい。色々な知恵を出しあおう。もっともっと確実に事実を掴む努力が問われているようだ。