こんにちは。
つどい業務責任者の新福です。
さて、さて、和ろうそくのお話の続きです。
振返り
和ろうそくは、蝋と芯の軸である和紙と灯芯(とうしん)と真綿で出来ています。
前回は、主に蝋のお話とそれに関連して、藍の発酵での蝋カスの利活用と、それに関連してむしろと小鹿田焼(おんたやき)のうわぐすりとつながるお話をしました。
まぁ、つながる・つながるの連続でしたね(*^_^*)
今回は、和紙から出発してお話をまとめます。
和紙が和ろうそくの芯の軸になるまでの旅
和紙の原料は、ミツマタを使用します。
岡山県美作氏のミツマタ農家さんがいらっしゃいます。
和紙になるまでの過程は、上の図の通りです。
釜でミツマタの皮を茹でる際にアクを取るため石灰を入れます。木灰だと色がつくため、石灰を入れます。
ちなみに、お札にもミツマタが入っているそうです。ミツマタは繊維が細かく短いのが特徴です。
収穫時にミツマタに傷がつくと、和紙にする際にも傷がのこってしまうそうです。
さて、大西さんがすごいのは、和紙を漉く際の「簾(す)」はどこから?という疑問を原点に探し求める点です。
で、見つけられました。その原点。
和紙を漉く「簾」は真竹と絹糸で出来ている
お話会の際に投影されていたお写真です。ひごを作っている様子です。
竹は竹でも真竹(まだけ)を使用し「ひご」にして0.6mmまで細かく裂きます。
0.6mmに裂く際に、1.5センチ四方の中に25本のひごが入るそうです。
ひごを作る時の道具です。0.6mmのひごを作ることが出来る方は、静岡県でお一人だけだそうです。
簾の長さがいる時は、0.6mm同士のひごをつなぐために、先端同士を0.3mmの半分にしてドン付きにして編むそうです。
すごい技ですね。
簾は100年以上使っても竹は腐らないそうです。ただ編む際に使う絹糸は痛むので、
簾を編み直すのに100万円程度するそうです。
漉く紙によっては、ミツマタを原料に箔合紙(はくあいし)という高級和紙として金箔を挟むのに使われます。
金箔を扱う様子です。箔合紙で金箔を挟んでいます。ちなみに金4グラムを金箔にすると畳1帖になるそうです。
金箔の話から、仏壇に使われる金箔を接着する漆の話になりましたm(_ _)m
漆は、木を金属でコーテイングする際に使用される最高級品の接着剤です。金箔でコーテイングした直後に真綿(絹)で拭く事で傷つきません。
その漆を採取する様子の写真も、お話会で投影されていました。
木の元の方から専用の道具で漆の木を削り、血液のように漆の液体を流します。8月が1番採取できる量が多いそうです。
それでも年間100Kg採取するのが精一杯だそうです。漆の木を削っても採取できるのは耳かき1杯程度だそうです。道のりが長いですね (;一_一)
11月には漆の木を切り倒し、また萌芽更新で15年後には、写真のような大きさまで木が成長します。
漆のシェアについては、現在は国内では5%のみで、95%は中国産です。
国内の5%ですが、ほとんどが現在、日光東照宮で使われているため、市中に回ることはないそうです。
漆の精製は京都で行われているそうです。毎年採取する漆の品質が粘りや色など異なるため、精製も職人技の様です。
精製された漆が使われるのは日光東照宮など、何百年も多くの方が訪れる建物等に使用されるため、見られるという意識がとても高いようです。
そりゃ、そうですね。日本の歴史・文化を支え、日本のイメージにも影響を与えるほどですね。
漆を塗る刷毛です。塗るというより漆を埋め込む感覚だそうです。なぜなら、長期間50年は持つようにという目的なので、埋め込むという感覚になります。
塗る刷毛の製造は、埼玉県におひとりだけいらっしゃいます。刷毛は人の髪の毛です。女性が多いそうです、本来は男性の髪の毛の方がよいそうです。
写真の通り、10年間はほったらかしに蔵で保管されてから、刷毛に使用するそうです。
漆は石ぐらいに硬くなり、硬化させます。特に梅雨時期の湿気がある時が硬化できるようです。
漆鉋(うるしかんな)、または漆掻き鉋(うるしかきかんな)で、漆の木を削ります。
この道具も、福島県いわき市に1人しかいらっしゃらず、しかも1年に1本使い切る道具です(すぐ研磨・研がないと使えないのでしょうかね)。
(包丁の鍛冶屋さんで60才位の方だそうですね)。
研磨する際の炭、研磨炭というのがあるそうです。これも福井県で1件だけだそうです。
職人さんもものづくりも、絶滅危惧種ですね。
結構な文量になりました(/(/ω\) 次回は、灯芯(とうしん)と真綿のお話が出来ればと思います。
今回も、最後までご覧いただき、ありがとうございました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます