2012-0115-man0483
万葉短歌0483 朝鳥の0425
朝鳥の 哭のみし泣かむ 我妹子に
今またさらに 逢ふよしをなみ 高橋朝臣奉膳之男子
0425 万葉短歌0483 ShuB368 2012-0115-man0483
□あさとりの ねのみしなかむ わぎもこに
いままたさらに あふよしをなみ
○高橋朝臣奉膳之男子(たかはしの あそみ かしはでの をのこ)=第482歌参照。
【編者注】「悲傷死妻高橋朝臣作歌一首」の第二反歌。
―― 巻三 雑歌 譬喩歌 挽歌 終 ――
2012-0115-man0483
万葉短歌0483 朝鳥の0425
朝鳥の 哭のみし泣かむ 我妹子に
今またさらに 逢ふよしをなみ 高橋朝臣奉膳之男子
0425 万葉短歌0483 ShuB368 2012-0115-man0483
□あさとりの ねのみしなかむ わぎもこに
いままたさらに あふよしをなみ
○高橋朝臣奉膳之男子(たかはしの あそみ かしはでの をのこ)=第482歌参照。
【編者注】「悲傷死妻高橋朝臣作歌一首」の第二反歌。
―― 巻三 雑歌 譬喩歌 挽歌 終 ――
2012-0114-man0482
万葉短歌0482 うつせみの0424
うつせみの 世のことにあれば 外に見し
山をや今は よすかと思はむ 高橋朝臣奉膳之男子
0424 万葉短歌0482 ShuB368 2012-0114-man0482
□うつせみの よのことにあれば よそにみし
やまをやいまは よすかとおもはむ
○高橋朝臣奉膳之男子(たかはしの あそみ かしはでの をのこ)=次歌(第483歌)の左注(訓)に、「右の三首は、・・・高橋朝臣(たかはしの あそみ)が作る歌なり。名字<な>いまだ審(つまび)らかにあらず。ただし、奉膳(かしはで)の男子(をのこ)といふ。」
【編者注】第481歌(長歌)への反歌。長歌題詞原文に、「悲傷死妻高橋朝臣作歌一首」。その第一反歌。ここでは、作者名を前記のとおりにしておく。
【訓注】うつせみ(打背見[=虚蝉])。外(よそ)。よすか(因香)。
2012-0113-man0480
万葉短歌0480 大伴の0423
大伴の 名負ふ靫帯びて 万代に
頼みし心 いづくか寄せむ 大伴家持
0423 万葉短歌0480 ShuB360 2012-0113-man0480
□おほともの なおふゆきおびて よろづよに
たのみしこころ いづくかよせむ
○大伴家持(おほともの やかもち)=第403歌参照。
【編者注】「安積皇子薨之時内舎人大伴宿祢家持作歌六首」の第六首。
【訓注】靫(ゆき)。
2012-0112-man0479
万葉短歌0479 はしきかも0422
はしきかも 皇子の命の あり通ひ
見しし活道の 道は荒れにけり 大伴家持
0422 万葉短歌0479 ShuB360 2012-0112-man0479
□はしきかも みこのみことの ありかよひ
みししいくぢの みちはあれにけり
○大伴家持(おほともの やかもち)=第403歌参照。
【編者注】「安積皇子薨之時内舎人大伴宿祢家持作歌六首」の第五首(第四首は直前の長歌第478歌)。
【訓注】活道(いくぢ)。はしき(波之吉)。
2012-0111-man0477
万葉短歌0477 あしひきの0421
あしひきの 山さへ光り 咲く花の
散りぬるごとき 我が大君かも 大伴家持
0421 万葉短歌0477 ShuB354 2012-0111-man0477
□あしひきの やまさへひかり さくはなの
ちりぬるごとき わがおほきみかも
○大伴家持(おほともの やかもち)=第403歌参照。
【編者注】「安積皇子薨之時内舎人大伴宿祢家持作歌六首」の第三首。
【訓注】あしひきの(足桧木乃)。我が大君(わがおほきみ=吾王)。
2012-0110-man0476
万葉短歌0476 我が大君0420
我が大君 天知らさむと 思はねば
おほにぞ見ける 和束杣山 大伴家持
0420 万葉短歌0476 ShuB354 2012-0110-man0476
□わがおほきみ あめしらさむと おもはねば
おほにぞみける わづかそまやま
○大伴家持(おほともの やかもち)=第403歌参照。直前の長歌題詞には、「内舎人大伴宿祢家持」。
【編者注】第475歌(長歌)への反歌。長歌題詞原文に、「安積皇子薨之時内舎人大伴宿祢家持作歌六首」。その第二首(第一首は長歌)。
【編者注-安積皇子(あさかの みこ)】聖武天皇唯一の皇子で、天平16(744)年、家持27歳の時、17歳で没。
【訓注】我が大君(わがおほきみ=吾王)。天(あめ)。おほ(於保)。内舎人(うどねり)。
2012-0109-man0474
万葉短歌0474 昔こそ0419
昔こそ 外にも見しか 我妹子が
奥つ城と思へば はしき佐保山 大伴家持
0419 万葉短歌0474 ShuB348 2012-0109-man0474
□むかしこそ よそにもみしか わぎもこが
おくつきとおもへば はしきさほやま
○大伴家持(おほともの やかもち)=第403歌参照。
【編者注】「悲緒未息更作歌五首」の第五首。
【訓注】外(よそ)。奥つ城(おくつき=奥槨)。はしき(波之吉)。
2012-0108-man0473
万葉短歌0473 佐保山に0418
佐保山に たなびく霞 見るごとに
妹を思ひ出で 泣かぬ日はなし 大伴家持
0418 万葉短歌0473 ShuB348 2012-0108-man0473
□さほやまに たなびくかすみ みるごとに
いもをおもひいで なかぬひはなし
○大伴家持(おほともの やかもち)=第403歌参照。
【編者注】「悲緒未息更作歌五首」の第四首。
2012-0107-man0472
万葉短歌0472 世間は0417
世間は 常かくのみと かつ知れど
痛き心は 忍びかねつも 大伴家持
0417 万葉短歌0472 ShuB348 2012-0107-man0472
□よのなかは つねかくのみと かつしれど
いたきこころは しのびかねつも
○大伴家持(おほともの やかもち)=第403歌参照。
【編者注】「悲緒未息更作歌五首」の第三首。
【訓注】世間(よのなか)。
2012-0106-man0471
万葉短歌0471 家離り0416
家離り います我妹を 留めかね
山隠しつれ 心どもなし 大伴家持
0416 万葉短歌0471 ShuB348 2012-0106-man0471
□いえざかり いますわぎもを とどめかね
やまがくしつれ こころどもなし
○大伴家持(おほともの やかもち)=第403歌参照。
【編者注】「悲緒未息更作歌五首」の第二首。
【訓注】家離り(いへざかり=離家)。心ど(こころど=精神)。
心
2012-0105-man0470
万葉短歌0470 かくのみに0415
かくのみに ありけるものを 妹も我れも
千年のごとく 頼みたりけり 大伴家持
0415 万葉短歌0470 ShuB348 2012-0105-man0470
□かくのみに ありけるものを いももあれも
ちとせのごとく たのみたりけり
○大伴家持(おほともの やかもち)=第403歌参照。以下474歌まで、作者名明示なし。
【編者注】題詞原文は「悲緒未息更作歌五首」。その第一首。
【訓注】我れ(あれ[講談社版:われ]=吾)。悲緒(かなしび)。
2012-0104-man0469
万葉短歌0469 妹が見し0414
妹が見し やどに花咲き 時は経ぬ
我が泣く涙 いまだ干なくに 大伴家持
0414 万葉短歌0469 ShuB342 2012-0104-man0469
□いもがみし やどにはなさき ときはへぬ
わがなくなみだ いまだひなくに
○大伴家持(おほともの やかもち)=第403歌参照。
【編者注】第466歌(長歌)への第三反歌(反歌は三首)。
2012-0103-man0468
万葉短歌0468 出でて行く0413
出でて行く 道知らませば あらかじめ
妹を留めむ 関も置かましを 大伴家持
0413 万葉短歌0468 ShuB342 2012-0103-man0468
□いでてゆく みちしらませば あらかじめ
いもをとどめむ せきもおかましを
○大伴家持(おほともの やかもち)=第403歌参照。
【編者注】第466歌(長歌)への第二反歌(反歌は三首)。
2012-0102-man0467
万葉短歌0467 時はしも0412
時はしも いつもあらむを 心痛く
い行く我妹か みどり子を置きて 大伴家持
0412 万葉短歌0467 ShuB342 2012-0102-man0467
□ときはしも いつもあらむを こころいたく
いゆくわぎもか みどりこをおきて
○大伴家持(おほともの やかもち)=第403歌参照。
【編者注】第466歌(長歌)への第一反歌(反歌は三首)。
2012-0101-man0465
万葉短歌0465 うつせみの0411
うつせみの 世は常なしと 知るものを
秋風寒み 偲ひつるかも 大伴家持
0411 万葉短歌0465 ShuB342 2012-0101-man0465
□うつせみの よはつねなしと しるものを
あきかぜさむみ しのひつるかも
○大伴家持(おほともの やかもち)=第403歌参照。原文題詞には単に「家持」。
【編者注】題詞原文は、「移朔而後悲嘆秋風家持作歌一首」。
【訓注】うつせみ(虚蝉)。朔(つきたち)。悲嘆(かなしびて)。