2018-0517-man2825
万葉短歌2825 玉敷ける2637
玉敷ける 家も何せむ 八重葎
覆へる小屋も 妹と居りてば ○
2637 万葉短歌2825 ShuF438 2018-0517-man2825
□たましける いへもなにせむ やへむぐら
おほへるこやも いもとをりてば
○=出典未詳。
【編者注】「問答」(2808~2827、20首)の第18首。男。左注に、「右二首」。
【原文】11-2825 玉敷有 家毛何将為 八重六倉 覆小屋毛 妹与居者 作者未詳
2018-0517-man2825
万葉短歌2825 玉敷ける2637
玉敷ける 家も何せむ 八重葎
覆へる小屋も 妹と居りてば ○
2637 万葉短歌2825 ShuF438 2018-0517-man2825
□たましける いへもなにせむ やへむぐら
おほへるこやも いもとをりてば
○=出典未詳。
【編者注】「問答」(2808~2827、20首)の第18首。男。左注に、「右二首」。
【原文】11-2825 玉敷有 家毛何将為 八重六倉 覆小屋毛 妹与居者 作者未詳
2018-0516-man2824
万葉短歌2824 思ふ人2636
思ふ人 来むと知りせば 八重葎
覆へる庭に 玉敷かましを ○
2636 万葉短歌2824 ShuF438 2018-0516-man2824
□おもふひと こむとしりせば やへむぐら
おほへるにはに たましかましを
○=出典未詳。
【編者注】「問答」(2808~2827、20首)の第17首。女。
【原文】11-2824 念人 将来跡知者 八重六倉 覆庭尓 珠布益乎 作者未詳
2018-0515-man2823
万葉短歌2823 かへらまに2635
かへらまに 君こそ我れに 栲領巾の
白浜波の 寄る時もなき ○
2635 万葉短歌2823 ShuF436 2018-0515-man2823
□かへらまに きみこそわれに たくひれの
しらはまなみの よるときもなき
○=出典未詳。
【編者注】「問答」(2808~2827、20首)の第16首。女。左注に、「右二首」。
【訓注】かへらまに(加敝良末尓)[「逆に、反対に」。12-3035反羽二(かへらばに)]。
2018-0514-man2822
万葉短歌2822 栲領巾の2634
栲領巾の 白浜波の 寄りもあへず
荒ぶる妹に 恋ひつつぞ居る ○
2634 万葉短歌2822 ShuF436 2018-0514-man2822
□たくひれの しらはまなみの よりもあへず
あらぶるいもに こひつつぞをる
○=出典未詳。
【編者注】「問答」(2808~2827、20首)の第15首。男。左注(読下し)に、「一には<恋ふるころかも>といふ」。
【訓注】栲領巾(たくひれ)[下記注。03-0285栲領巾乃 懸巻欲寸(たくひれの かけまくほしき)、11-2822栲領巾乃 白浜浪乃、-2823栲領巾乃 白浜浪乃]。
【依拠本注-栲領巾】楮(こうぞ)の繊維で織った領巾。それが白い意。「領巾」は女が肩に懸けた装身具。
2018-0513-man2821
万葉短歌2821 木の間より2633
木の間より 移ろふ月の 影を惜しみ
立ち回るに さ夜更けにけり ○
2633 万葉短歌2821 ShuF434 2018-0513-man2821
□このまより うつろふつきの かげををしみ
たちもとほるに さよふけにけり
○=出典未詳。
【編者注】「問答」(2808~2827、20首)の第14首。女。左注に、「右二首」。
【訓注】移ろふ月(うつろふつき=移歴月)。立ち回る(たちもとほる=俳佪)。さ夜更けにけり(さよふけにけり=左夜深去家里)。
2018-0512-man2820
万葉短歌2820 かくだにも2632
かくだにも 妹を待ちなむ さ夜更けて
出で来し月の かたぶくまでに ○
2632 万葉短歌2820 ShuF434 2018-0512-man2820
□かくだにも いもをまちなむ さよふけて
いでこしつきの かたぶくまでに
○=出典未詳。
【編者注】「問答」(2808~2827、20首)の第13首。男。
【訓注】かくだにも(如是谷裳)。さ夜更けて(さよふけて=左夜深而)。かたぶくまでに(傾二手荷)[下記注]。
【編者注-まで】用字「二手」の出現は、「まで」訓としては、01-0079(長歌)千代二手尓 座多公与(ちよまでに いませおほきみよ)、03-0238大宮之 内二手所聞(おほみやの うちまできこゆ)、10-1902咲花乃 如是成二手尓(さくはなの かくなるまでに)、11-2820出来月之 傾二手荷(いでこしつきの かたぶくまでに)]。
2018-0511-man2819
万葉短歌2819 おしてる2631
おしてる 難波菅笠 置き古し
後は誰が着む 笠ならなくに ○
2631 万葉短歌2819 ShuF432 2018-0511-man2819
□おしてる なにはすがかさ おきふるし
のちはたがきむ かさならなくに
○=出典未詳。
【編者注】「問答」(2808~2827、20首)の第12首。男。左注に、「右二首」。
【訓注】おしてる(臨照)[03-0443(長歌)押光 難波国尓(おしてる なにはのくにに)、-0619(長歌)押照 難波乃菅之(おしてる なにはのすげの)、など]。
2018-0510-man2818
万葉短歌2818 かきつはた2630
かきつはた 佐紀沼の菅を 笠に縫ひ
着む日を待つに 年ぞ経にける ○
2630 万葉短歌2818 ShuF432 2018-0510-man2818
□かきつはた さきぬのすげを かさにぬひ
きむひをまつに としぞへにける
○=出典未詳。
【編者注】「問答」(2808~2827、20首)の第11首。男。
【訓注】かきつはた(垣津旗)[燕子花、杜若]。佐紀沼(さきぬ=開沼)[「平城京北辺の奈良市佐紀町にある水上(みずかみ)池か」]。年ぞ経にける(としぞへにける=年曽経去来)。
2018-0509-man2817
万葉短歌2817 うらぶれて2629
うらぶれて 物は思はじ 水無瀬川
ありても水は 行くといふものを ○
2629 万葉短歌2817 ShuF430 2018-0509-man2817
□うらぶれて ものはおもはじ みなせがは
ありてもみずは ゆくといふものを
○=出典未詳。
【編者注】「問答」(2808~2827、20首)の第10首。女。左注に、「右二首」。
【原文】11-2817 浦触而 物者不念 水無瀬川 有而毛水者 逝云物乎 作者未詳
2018-0508-man2816
万葉短歌2816 うらぶれて2628
うらぶれて 物な思ひそ 天雲の
たゆたふ心 我が思はなくに ○
2628 万葉短歌2816 ShuF430 2018-0508-man2816
□うらぶれて ものなおもひそ あまくもの
たゆたふこころ あがおもはなくに
○=出典未詳。
【編者注】「問答」(2808~2827、20首)の第9首。男。
【原文】11-2816 浦触而 物莫念 天雲之 絶多不心 吾念莫国 作者未詳
2018-0507-man2815
万葉短歌2815 ま日長く2627
ま日長く 夢にも見えず 絶えぬとも
我が片恋は やむ時もあらじ ○
2627 万葉短歌2815 ShuF429 2018-0507-man2815
□まけながく いめにもみえず たえぬとも
あがかたこひは やむときもあらじ
○=出典未詳。
【編者注】「問答」(2808~2827、20首)の第8首。女。左注に、「右二首」。
【原文】11-2815 真気永 夢毛不所見 雖絶 吾之片恋者 止時毛不有 作者未詳
2018-0506-man2814
万葉短歌2814 我が恋は2626
我が恋は 慰めかねつ ま日長く
夢に見えずて 年の経ぬれば ○
2626 万葉短歌2814 ShuF429 2018-0506-man2814
□あがこひは なぐさめかねつ まけながく
いめにみえずて としのへぬれば
○=出典未詳。
【編者注】「問答」(2808~2827、20首)の第7首。男。
【原文】11-2814 吾恋者 名草目金津 真気長 夢不所見而 年之経去礼者 作者未詳
2018-0505-man2813
万葉短歌2813 我が背子が2625
我が背子が 袖返す夜の 夢ならし
まことも君に 逢ひたるごとし ○
2625 万葉短歌2813 ShuF427 2018-0505-man2813
□わがせこが そでかへすよの いめならし
まこともきみに あひたるごとし
○=出典未詳。
【編者注】「問答」(2808~2827、20首)の第6首。女。左注に、「右二首」。
【訓注】我が背子(わがせこ=吾背子)。夢(いめ)。まことも(真毛)。逢ひたるごとし(あひたるごとし=如相有)。
2018-0504-man2812
万葉短歌2812 我妹子に2624
我妹子に 恋ひてすべなみ 白栲の
袖返ししは 夢に見えきや ○
2624 万葉短歌2812 ShuF427 2018-0504-man2812
□わぎもこに こひてすべなみ しろたへの
そでかへししは いめにみえきや
○=出典未詳。
【編者注】「問答」(2808~2827、20首)の第5首。男。
【訓注】我妹子(わぎもこ=吾妹児)。白栲(しろたへ=白細布)。夢(いめ)。
2018-0503-man2811
万葉短歌2811 この言を2623
この言を 聞かむとならし まそ鏡
照れる月夜も 闇のみに見つ ○
2623 万葉短歌2811 ShuF425 2018-0503-man2811
□このことを きかむとならし まそかがみ
てれるつくよも やみのみにみつ
○=出典未詳。
【編者注】「問答」(2808~2827、20首)の第4首。女。左注に、「右二首」。
【訓注】ならし(平)[にあるらし。06-1047(長歌)踏平之(ふみならし)]。まそ鏡(まそかがみ=真十鏡)。月夜(つくよ)。