UN大浦のブログ

徒然なるままの手記。
大半が、山と猫様、そして妄想の徒然草。

「毎月5tのお肉が最終的に10tの製品に化けます」

2014-11-02 12:27:11 | 日記
  『幾度となく、経済的な事由が、国民の健康上の事由に優先された。
  秘密主義が、情報公開の必要性に優先された。そして政府の役人は、道徳上の倫理上の意味合いではなく、財政上の、あるいは官僚的、政治的な意味合いを最重要視して行動していたようだ。

                       (「震える牛」相場英雄著 プロローグより抜粋)
           
  
  
  この主張から始まりを告げる当物語。
 「心して読めよ!」と言われているようで、鯖寿司のごとく身を引き締めつつページを捲っていきました。
 よろしければ、上記の文章を3回ほど読んで頭に染み込ませてから、本章を読み進めることを推奨します。お子さんがいる方にも推奨。
  *ちなみにジャンル的には、「刑事もの」の推理小説です。フィクションではありますが、震災直後の食に対する風評被害なども描かれていますので、あくまで「リアル」なものとして読むことが可能です。

  普段から健康、特に食生活には同年齢の人たちの中でも気を使っている自負はあります。
  曲がりなりにも、部活動でトレーナーをしていたこと。
  大学時代から自炊をしていたため、今でも母がいないときは自分で料理を作ること。
  また、以下の漫画を幼少期からこれまで読んできていることも要因となっているのかもしれません。
      ・「美味しんぼ」・「味いちもんめ」・「クッキングパパ」
      ・「華麗なる食卓」 ・「きのう何食べた?」・「もやしもん」
      ・「ソムリエ」
      ・「鉄鍋のジャン!」    etc........
   
  そんな私が、
 「今まで以上に極力、ファストフード店での外食は控えよう」
 「スーパーの惣菜たちよ!おまいらの生みの《親》は何だい?」って思うようになりました。  

 赤い髪黄色い服が特徴の方がバリバリ働いているお店で大人気の、「チキンナゲット」。
  これが作られているシーンを大学の講義の折に映像で見た際も、相当気分が悪くなりましたが、今回はその比ではありません。
               

* ちなみにタイトルのセリフは本作品の中での登場人物の告発になります。
  
  自由主義主張がもたらす終着点の一端が垣間見える小説です。
  終着点ではなく通過点と見てしまうと、消費者側としては言い知れぬ不快感に襲われます。
  それこそ、本書の中に登場する捜査官さながら、「吐き気を催す」砂が口の中に湧き上がってくるかのように感じられます。
  単なる砂ではないのが情けない。

性善説に立つことは無理なのか?
経済は安全より優先されるのがやはり世の常なのか?

これらの疑問が生じたのと同時に、
  
安いものには訳がある。
今一度この言葉を自分の中に再度留めておきたいとも思いました。