UN大浦のブログ

徒然なるままの手記。
大半が、山と猫様、そして妄想の徒然草。

ヘルニア国物語/第2章: 王子の咆哮

2015-06-13 18:29:55 | 日記

“伝説のやる気なしの王子”として、我ら愚族が築いたヘルニア国の黄金時代から半年余り。

 一時は腰の痛みから解放され、

 カップルを見つけては吹き矢で威嚇し、
 スタバでおしゃれぶっている奴らを見つけては鼻で笑い、
 休みの日は万年床に包まれるという日々を過ごす王の生活は熾烈を極めたが、その実、暗殺の窮地にもあった。
  
 危機一髪で万年床から脱出した王子は、逃げ込んだ森の奥深くで、迫害の末に息を潜めていた同属のへルニアの民たちと出会う。

 後輩どもが次々と結婚していき、

 この前恋人と別れたはずの友がもう新たな彼女と行動を共にしているのを目撃するという憂き目に会いながらも、
 王子は一人耐え忍んで生きながらえた。

 ヘルニアに大敵なのはストレス。度重なる痛みが王子に襲い続ける。
 アイスピックの針先で、神経の一本一本を貫くような鋭利な痛み。

 たまらず王子は叫び続けた。
 「いてーーよーーーー」


 これはそんな、

 心がストレスで一杯の男の物語。