菅首相の長男が接待した美人内閣広報官の裏の顔 更迭された総務省幹部の後任は夫 2021/02/23 13:20 AERA dot. https://t.co/Y5euqYNBrO
— 佐野 直哉 (@pxbrqnaZJT1917W) February 23, 2021
菅義偉首相の長男、菅正剛氏が務める放送関連会社「東北新社」から総務省幹部が接待を受けていた問題が、底なし沼のようになってきた。
発覚した接待は計38件、接待された幹部、職員らは13人に上った。
菅首相は連日、国会で追及を受け、「長男は別人格」と防戦一方だが、総務省は接待を受けた職員、元職員13人のうち、11人が国家公務員倫理規程に違反する可能性があると認めている。
中でも「本当に驚いた」とされるのが、首相の懐刀とされる山田真貴子内閣広報官も接待を受けていたことだ。
総務省が公表した資料では山田氏が接待を受けたのは2019年11月、一人74203円で超豪華な会食だったことがわかっている。その席には東北新社社長らとともに、首相の長男、正剛氏が参加していた。
山田氏は早大法学部卒業後、1984年に旧郵政省に入省。安倍政権時代の2013年まで、女性初の首相秘書官に起用され、広報などを2年間、担当した。17年には、総務省で放送行政を所管する情報流通行政局長に就任。19年まで務めた後、省内で次官に次ぐポストである総務審議官を務めた。正剛氏ら会食した当時は総務審議官在任中だ。
山田氏は昨年7月に総務省を退官。国会や議員会館で挨拶に回っていた姿を目撃したこともある。官房長官時代から菅首相の信頼は厚く、菅政権発足後、女性初の内閣広報官に抜擢された。山田氏は官邸で行われる首相会見の司会、仕切り役を務め、菅首相へ厳しい質問が飛ぶと「次の日程」などを理由に、会見を強引に打ち切っていた。
山田氏と仕事をしたこともある総務省OBはこう話す。
「山田氏はさばけた感じで仕事は的確で抜群にできますよ。表の顔はとても好感がもてます。一方、政治家のいうことも忠実に聞きますね。だから、NHKなどテレビ局に電話をかけたりして、圧力めいた話もするんでしょう。今回のように7万円の接待も受ける裏の顔がある。表裏をうまく使いわける、ザ・官僚という人」
今回の疑惑で、更迭された秋本芳徳情報流通行政局長の後任となった吉田博史総括審議官は、皮肉にも山田氏の夫だという。
「秋本氏も将来は次官候補と嘱望されていた。突然の文春砲での疑惑に涙を浮かべ釈明、謝罪に追われていました」(総務省関係者)
当初、総務省は東北新社、菅正剛氏から接待を受けた職員は4人と発表していた。だが、22日になって山田氏ら9人を追加して認めた。
2018年に総務省が認可した囲碁将棋チャンネルは東北新社のグループ会社で菅正剛氏が取締役も兼ねている。利害関係者であることはわかっているはず。しかし、山田氏のような高額の会食や手土産、タクシー券など、接待の金額や範囲は無分別に広がっていた。
その理由について現役の総務省の官僚はこう語る。
「菅首相は政治家として、人事権を使って官僚を意のままに動かすと公言しています。要するに、官僚人生で最も大事な人事。菅首相はそれを握り、自在に使いこなすと言っている、最強の人ですよ。その長男、菅正剛氏が参加するという会合があれば、そりゃ、断れません。問題になっている13人のうちの1人と話したが、『総理に長男が来るのに、断るなんてできるわけない』と明確に言っていた。それが本音です」
第1次安倍政権時代は総務相だった菅首相。就任早々に、総務省の所管となる携帯電話業界に対して値下げをぶち上げた。
「菅首相は総務省の族議員ですよ。だから、首相になってすぐに携帯電話の料金を下げろとか、恫喝のようなことが言えた。総務省も従わざるを得なかった。そんな中、長男の総務省接待疑惑が浮上。接待を受けた官僚が増え、金額も大きくなり、贈収賄事件にも発展しかねない。長男は別人格だと国会で言い続ける限り、支持率はより低下していく。非常に厳しい政権運営を迫られる」(自民党幹部)
(今西憲之)
※週刊朝日オンライン限定記事