前に「種牡馬歴代リーディング」に関連してノーザンテーストについて少し調べてみたら
この大種牡馬は「後継牝馬」は優秀なのを残したが「後継種牡馬」になれる優秀な牡馬が意外に少なかったのにはちょっと驚いた
そもそもクラシックを勝った牡馬がダイナガリバー1頭だけいうのは\(@O@)/エッ?だな
それじゃあ「父系」が残る確率は当然低くなるわな
*一方、元来ノーザンテースト系の産駒には牝馬の活躍馬が多く、日本ではこの血を持つ繁殖牝馬が一定数おり、特にノーザンテースト自身は、1990年代後半以降に顕著な活躍を示したトニービンやサンデーサイレンスの産駒を中心にブルードメアサイアーとして実績を残し、17年連続で全国リーディングブルードメアサイアーとなった。
以下全部お借りした=興味ある方はどうぞ
*ノーザンテーストは Northern Dancer の活躍を予見した社台グループによって種牡馬にするべく落札された馬で、仏GIフォレ賞など重賞3勝をあげて日本に輸入された。産駒は期待通りによく走ったが、短距離、クラシック、長距離、ダート、果ては障害なんでもござれのまさにオールマイティで、日本の生産レベルの平均値を大きく引き上げた存在であったと言えるだろう。後に*サンデーサイレンスが種牡馬に関する記録の多くを更新してしまったが、自身は24年の長きに渡って種牡馬を続けており、28年連続中央勝利の偉業は今後破られることはないだろう。
・アスワンは故障のためGI級レースの勝ち星はなかったが、種牡馬として大いに期待され、高松宮杯のメジロアルダン、サファイヤSのリリーズブーケなど多数の重賞馬を送り出すことに成功した。後継種牡馬としてはまともに牝馬を集めたのはメジロアルダンくらいのものであったが、同馬からはオープン馬メジロスティードが出た程度で、後に中国に送られた。この系統もこれまでかと思われたが、実は現地で Wu Di なる産駒を送り出しており、これが競走馬・種牡馬として大成功。今でもその産駒は現役で、これがノーザンテースト系最後の生き残りということになる。
・ギャロップダイナは5歳夏までは一介のダート馬に過ぎなかったが、13番人気で出走した天皇賞(秋)ではあのシンボリルドルフを下してレコード勝ちし、世間を驚かせた。さらに翌年には安田記念も制し、ジャックルマロワ賞やムーランドロンシャン賞にも出走した。種牡馬としては単発で重賞馬を出した程度で成功したとは言えなかったが、そのうちの1頭オースミダイナーは幾多の故障を乗り越えて12歳にして北海道スプリントCを制しており、父としても十分に意外性のある存在だったと言える。
・ダイナガリバーは*ノーザンテーストが出した唯一の牡馬クラシックホースであり、3歳暮れには有馬記念も制して父唯一の年度代表馬にも選ばれている。種牡馬としては桜花賞馬ファイトガリバー、その全兄でNHK杯を勝ち、皐月賞でも2着に入ったナリタタイセイらを出すなど一定の成績は残した。*ノーザンテーストの後継種牡馬でGI馬を出したのはアンバーシャダイと同馬だけであったが、種牡馬入りした産駒はおらず、父系を発展させることはできなかった。
母系に入っての活躍も目覚ましく、2020年代に入ってさらに輝きを増しているほどである。一時は*ノーザンテースト牝馬に父*サンデーサイレンスの配合は大成しないと言われたこともあったが、代を経るごとにその重要性を増していき、ステイゴールドを出したダイナサッシュ、ドゥラメンテを出したダイナカール、スクリーンヒーローを出したダイナアクトレス、オルフェーヴルを出したエレクトロアート、そしてダイワメジャーを出したスカーレットブーケとこれだけで現代日本競馬の半分は語り尽くせる。
代表産駒(牡馬)
ダイナガリバー
生誕 1983年3月23日
死没 2012年4月26日(29歳没)
父 ノーザンテースト
母 ユアースポート
生国 日本の旗 日本(北海道千歳市)
生産 社台ファーム千歳
馬主 (有)社台レースホース
調教師 松山吉三郎
競走成績
タイトル 優駿賞年度代表馬(1986年)
最優秀4歳牡馬(1986年)
生涯成績 13戦5勝
獲得賞金 2億5994万6300円
GI・グレード制重賞優勝馬
ファイトガリバー(桜花賞)
ナリタタイセイ(NHK杯)
テスコガリバー(阪神障害ステークス(春)
インターライナー(日経賞)
ゴーイングスズカ(目黒記念、福島記念)
アンバーシャダイ
父:ノーザンテースト
母:クリアアンバー
馬主:吉田善哉
調教師:二本柳俊夫 (美浦)
生涯成績:32戦10勝
主な勝ち鞍:1981 有馬記念(GⅠ)
1983 天皇賞・春(GⅠ)
アンバーシャダイは4歳(現3歳)の1月にデビューし2戦目で勝ち上がりますが、その後は勝ちきれないレースが続き2勝目をあげるのは通算11戦目であるこの年の12月でした。
本格化をするのは5歳(現4歳)になってからで、10月の毎日王冠で2着した後に11月の目黒記念で勝つと、その勢いで年末の有馬記念も勝ち、GⅠ馬の仲間入りをすることになります。
ギャロップダイナ
父:ノーザンテースト
母:アスコツトラップ
馬主:社台レースホース
調教師:矢野進 (美浦)
生涯成績:42戦10勝
主な勝ち鞍:1985 天皇賞・秋(GⅠ)
1986 安田記念(GⅠ)
ギャロップダイナは3歳(現2歳)の7月にデビュー戦勝利を収めますが、5歳(現4歳)の春まで条件馬としてレースを続けます。
そして、6歳(現5歳)の秋、重賞未勝利の立場で天皇賞・秋を迎えます。レースは皇帝シンボリルドルフがどのような勝ち方をするかに注目が集まり、ギャロップダイナは13番人気の低評価でした。
しかし、レースではシンボリルドルフをギャロップダイナが捉え、当時のレコードタイム1分58秒7で勝ち波乱の天皇賞として語り継がれる激走を見せます。
その後も安定感の欠いた競馬が続くものの、翌年には東京新聞杯と安田記念を勝つなどし、さらにフランス遠征を行うなど日本の競馬ファンを楽しませてくれました。
クリスザブレイヴ
父:ノーザンテースト
母:クリスザレディー
馬主:社台レースホース
調教師:秋山雅一 (美浦)
生涯成績:19戦9勝
主な勝ち鞍:2001 富士ステークス(GⅢ)
新馬戦・百日草特別と強い勝ち方で連勝したクリスザブレイヴは、「ノーザンテースト最後の大物」と注目を集め、3戦目の朝日杯3歳ステークス(現朝日杯フューチュリティステークス)では、3.6倍の1番人気の支持を受けることになります。
このレースでは残念ながら15着と大敗を喫することになりますが、引退まで多くのファンがいる人気の馬でした。
翌年は脚元の不安の影響もあり、わずか2戦しかレースに出走することができず、本格化をすることになるのは5歳(現4歳)になった1999年の夏でした。
7月に新潟の石打特別を制してから福島民報杯まで4連勝し、その後は重賞戦線で活躍します。GⅠでは上位に食い込むことはできませんでしたが、オープン特別4勝と富士ステークスを制しました。
ノーザンテースト最後の大物として引退後は種牡馬としても期待されますが、日本では活躍馬を輩出することができず、2005年に中国に輸出されました。
代表種牡馬の紹介
アンバーシャダイ
ノーザンテースト産駒として最も活躍したアンバーシャダイは、種牡馬としても大活躍をします。
宝塚記念を含む重賞を4勝したメジロライアンや日経新春杯を勝ち、GⅠでも3度の2着と一線級で長く活躍したカミノクレッセ、平地では菊花賞トライアルの神戸新聞杯と愛知杯、障害では東京ハイジャンプと阪神スプリングジャンプと、平地と障害で重賞を制したカネトシガバナーなど、多くの活躍馬を輩出しました。
メジロライアン
アンバーシャダイがつないだノーザンテーストのバトンを唯一繋いだのがこのメジロライアンです。
アンバーシャダイ産駒として最も多い賞金を稼いだこの馬は、天皇賞・春を含む重賞を7勝したメジロブライト、GⅠ5勝を含む重賞を7勝したメジロドーベルなど、こちらもファンの記憶に残る名馬を多く出しました。
ただ、残念なのは名牝メジロドーベルの子供が現時点で10世代生まれていますが、まだ重賞ウィナーが出ておらず繁殖牝馬としては今ひとつなのが残念なところです。
メジロブライト
なんとか受け継がれてきたノーザンテーストの血脈ですが、メジロブライトが最後の種牡馬になってしまいます。
メジロブライト産駒の中で唯一、重賞(ステイヤーズステークス)を勝ったマキハタサイボーグは、気性難の影響で去勢されセン馬となったため後継者を作ることはできません。
こうなってしまった今、何としてもメジロドーベル産駒の中から活躍馬が出て、この血脈の存在感を示してほしいところです。