「新マイル王」筆頭ソダシも過信禁物!? マイルCS(G1)で浮上する逆転候補の穴馬
先週エリザベス女王杯(G1)が終了し、今週末は8週連続G1開催の第二弾・マイルCS(G1)が行われる。
近年「マイル王」として君臨していたグランアレグリアが、昨年のマイルCSでの勝利を最後に引退したこともあり、マイル戦線は確固たる主役不在の状況が続いている。実際、春の安田記念(G1)でも1番人気に推されたイルーシヴパンサーの単勝オッズは4.5倍。10番人気のカフェファラオでさえ、単勝21.6倍とオッズは割れに割れていた。
ご存知の通り、結果は1着ソングライン(4番人気)→2着シュネルマイスター(2番人気)→3着サリオス(8番人気)で決まり、一筋縄ではいかない結末に……。3連複でも万馬券となる波乱の決着となった。
そんな安田記念と同じように、マイルCSでも混戦が予想される。
NHKマイルC(G1)でワンツーしたダノンスコーピオンとマテンロウオリオン、前哨戦の富士S(G2)を快勝したセリフォスなど強力な3歳馬たちが参戦。迎え撃つ古馬勢からも、ヴィクトリアマイル(G1)を制したソダシ、昨年2着のシュネルマイスター、毎日王冠(G2)で2年ぶりの復活勝利を挙げたサリオスなど強豪が集結した。安田記念を制したソングラインや同レースで1番人気となったイルーシヴパンサーこそ不在となったが、秋のマイル王を決めるに相応しいメンバーが顔を揃えた。
なかでも、マイルG1・3勝と実績ではひとつ抜けているソダシが人気の中心となりそうだ。
これまで芝のマイル重賞に限れば、4戦全勝と無類の強さを誇ってきたソダシ。ダート初挑戦となったチャンピオンズC(G1)での12着大敗や、連覇が懸かった札幌記念(G2)で距離の壁を痛感する敗北を喫したこともあったが、得意のマイル戦ではまだ底を見せていないだけに、必勝の舞台となる今回はファンの期待も特に大きいだろう。新たなマイル王候補の筆頭というべき存在であることは間違いない。
だが、そんなソダシでも全く隙がないかといえば、そんなことはない。
過去のG1制覇はいずれも牝馬限定だった上、これまで間隔が開いた際に高いパフォーマンスを発揮してきたものの、今回は府中牝馬S(G2)を挟む中4週のローテ。前走と比べ一気にメンバーレベルも上がるとあって、苦戦を強いられる場面があっても不思議ではない。→そか、ローテがネックか?
また、マイルCS は2009年にカンパニーが勝利したのを最後に、11年間 1番人気が全く勝てなかったレースでもある。ここ2年はグランアレグリアが均衡を破る1番人気での勝利を飾ったものの、いずれも単勝1倍となるような1強のメンバー構成だった。
今年は混戦模様となっているため、ソダシが1強を担うことは考えづらく、長年続いた負の連鎖が再び起こってしまう可能性もある。いずれにせよ、同馬の適切な取捨が馬券的中の大きな鍵を握っているといえそうだ。
しかし、一般の競馬ファンにとって、そのジャッジは極めて難しい。何故なら多くのメディアから出ているような情報は、リップサービスとも取れる耳触りの良いものばかりだからである。
実際、先月の菊花賞(G1)で8着に敗れたガイアフォースは、まさにそれだった。戦前には「父キタサンブラックが勝っている舞台」「心肺機能が高いところを受け継いでいる」など、距離3000mはプラスと見る声も多々上がり、最終追い切りでも某スポーツ紙のジャッジで「動き1位」を獲得するなど、ファンから見れば態勢は万全かと思われた。
ところが、最終的に1番人気の支持を集めるも、内容は見せ場なく惨敗……。レース後には、鞍上を務めた松山弘平騎手が敗因について「距離もあるかもしれません」と話していたように、距離適性に自信を覗かせていた戦前とは真逆とも取れるコメントを残している。
ただ、残念ながら素人目からみて、日々出回る情報の真偽を見分けることは到底できない。「なんだよ言ってたことと全然違うじゃん」「誰の意見を信用すればいいんだよ」と、これまで何度も噓か実かわからない情報に振り回されたファンも少なくないはずだ。
という事で今回のソダシはちと危うさのある本命馬って事になるかもだな