サバイバー

2006-11-07 00:53:14 | 日記・エッセイ・コラム

地震だぁ~
ゆらゆらとビルは揺れ続けている。いわゆる長周期地震。ビルの固有振動数に一致すれば建物はあっけなく崩れ去る。ってなんか帝都物語でやってたような気がする。それはいいとして職場のフロアーでは皆顔を見合わせているだけだったが、私はランボー顔負けの勢いで非常階段を駆け下りていた。



ビルを出てみると、道はミルク色の水がしみ出し液状化が進んでいる。相変わらず揺れは断続的に続き、傾きかけている古い家も出始めた。それより血の気が引いたのは、地面が沈んでるように思える事だった。徐々に。徐々に。



「日本沈没!」 あのガッツポーズの草なぎは今どうしてるのだろう? 
私も負けずに「関東陥没!関東陥没う~」



ビルからぞろぞろと人が出始めた。



「海と反対方向へ」



誰かが行った言葉に人の群れは北へ向かった。足下が沈みはじめている感覚は現実なようで、東京湾の海水がどやら入ってきているようだ。私は



海と反対へは行かない。むしろ海へ。



ちゅうか新橋へ。ここは新橋しかない。



気が付けば膝まで海水に浸かっていたが、なんとか新橋の入り江近くに着いた。そして見つけたのだ。目的のものを。



『屋形船』



これで避難しよっと。



ねらい通り屋形船にはビールサーバーが常備されていた。こうなったら飲むしかない。開き直ってビール祭りじゃ。地獄に仏とはこのことか。屋形船から外を眺めビールを飲んだ。



おお!!この眺めは一生忘れないだろう。たぶん湾岸にあったはずの液化ガスの入った巨大な球が、ごろごろと転がっているではないか。



ゴロゴロ、ゴロゴロ、ごつん!! パカ!



その巨大な球は高層ビルに衝突し、衝撃で卵が割れるようにまっぷたつに割れた。なかからなんとお! うわ~ 。



まぁくだらん妄想もこれくらいにしとくわ。あーしんど。



コメント
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