0時を過ぎて帰宅(仕事で遅くなった)
帰り道。
朝から降っていた雨はすでにやんでいた。
湿った路面は街灯に照らされ、
その鈍い輝きの上を歩く。
吐く息は白く。道行く人もまばらに
静かな夜を演出していた。
坂道をくだり、交差点を抜ければ終着点。
寒さのあまり、駆け出したくなる衝動を
傘を持つ右手にたくし、私は傘を振り回した。
おもいっきり。
私の力が頂点を迎えるとともに、
傘に与えられた遠心力は、傘の柄の部分から先を
容赦なく奪っていった。
音もなく飛び
透明だと思っていた安物の傘は、
夜のしじまに真白な放物線を描き
その本来の役割とは別の終焉を迎えた。
ガラス窓にあたる音が響き渡り。
あの音ならガラスは割れてはいないと思いつつ
振り返ることなく無言の全力疾走で
私は坂道を駆け抜けた。
34度目となる冬の到来を感じたこの夜。
息も絶え絶え、35歳の到来も感じたこの夜であった。
帰り道。
朝から降っていた雨はすでにやんでいた。
湿った路面は街灯に照らされ、
その鈍い輝きの上を歩く。
吐く息は白く。道行く人もまばらに
静かな夜を演出していた。
坂道をくだり、交差点を抜ければ終着点。
寒さのあまり、駆け出したくなる衝動を
傘を持つ右手にたくし、私は傘を振り回した。
おもいっきり。
私の力が頂点を迎えるとともに、
傘に与えられた遠心力は、傘の柄の部分から先を
容赦なく奪っていった。
音もなく飛び
透明だと思っていた安物の傘は、
夜のしじまに真白な放物線を描き
その本来の役割とは別の終焉を迎えた。
ガラス窓にあたる音が響き渡り。
あの音ならガラスは割れてはいないと思いつつ
振り返ることなく無言の全力疾走で
私は坂道を駆け抜けた。
34度目となる冬の到来を感じたこの夜。
息も絶え絶え、35歳の到来も感じたこの夜であった。
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