百姓通信

自然と素直に向き合い、全身で風を感じて私は百姓しています。
①土づくり②循環型③無農薬・無化学肥料④永続性を大切に!

太宰治と松本清張

2009-12-13 20:30:20 | 季節
今年は太宰と松本の生誕100年で2人の残した作品の復刊や新刊、短編集の刊行や映画の公開が相次いだ。
太宰は四度も自殺を図り、39歳でこの世を去った。現代でも女性や若者に人気があり、6月19日(太宰の誕生日)は“桜桃忌”と知られ、太宰のお墓のある三鷹の禅林寺には多くのファンが集うという。彼の作品の中でも、「人間失格」では615万部、「斜陽」では356万部、「走れメロス」では183万部、それぞれの作品は教科書等に掲載され、国民の誰もが一度は見聞きしたことがある。
松本は作家デビューが41歳と遅く、1953年に「或る『小倉日記』伝」で第28回芥川賞を受賞。以後作家活動に専念し、「砂の器」では433万部、「点と線」では306万部、「わるいやつら」では228万部、「ゼロの焦点」では214万部、主に人間の機微まで捉えた文章を書くことで、推理小説を大衆に開放した点が大きく評価されている。(発刊部数は新潮文庫調べ)
各々その時代をしっかり生きた作家であり、後世に語り継がれる作家であることは間違いないが、どちらの人生が望ましい人生なのか、どちらの人生が儚いのかは、今の私にはどうも判別がつかない。しかし、与えられた人生を生き抜くこと、それが陽があたろうと、あたらぬとも、常に真摯に探究心を持って生き抜く「或る『小倉日記』伝」の主人公の田上耕作のような人生はおそらく幸せと思っていいのではないだろうか。