ある商品は、かつて、品質、市場シェア、消費者選好度など、あらゆる点でカテゴリーリーダーだった。が、現在は見る影もなく落ちぶれてしまったという。
その主力商品に長年携わってきた人曰く「11年続けて、製造プロセスで大幅な利益を伸ばしてきたんですよ。そのあいだに、我々は、消費者にとって重要なのは価格だと思うようになりました。それに、毎年、利益の達成目標もありましたしね。それで、製造コストの改善成果を上げた社員にはインセンティブを出す制度をつくったのです。コストを下げるためには、出来ることは何でもやりましたよ。毎年、何かしらやり方を変えたり、なくてすむ部分をカットしたりして。増益のために一つ一つ実行してきた改善策が商品の品質を深刻に損なう結果になるなんて、誰も考えていなかったと思います。
ところが、11年経ったところで、ある日、誰かが他者の商品を持ってきたんです。悔しいが、凄く美味しいと認めざるをえませんでした。あまりおいしいんで、うちの商品がまずくて飲めないと思ったほどです。値段は向こうのほうが高かったんですが、実際に消費者が選択の機会を得たとしたら、うちにはとても勝ち目がないー皆が皆、はっきり思いましたよ。うちの商品は薄めすぎてしまって、もう昔のようなブランド競争力がなくなっていたんですね」(『なぜみんなスターバックスに行きたがるのか?(著:スコット・ベドベリ 発刊:講談社)』より)
この話って、現在の農畜産物にも繋がっていると思う。本当に消費者の方々が望んでいる農畜産物を如何に栽培・飼育し、提供していくか、それも生産と消費のバランスを保ちながら・・・大変難しいことかもしれないが、ヒントはおそらく少し遠回りをして、効率の追求をしないということなのでは。
その主力商品に長年携わってきた人曰く「11年続けて、製造プロセスで大幅な利益を伸ばしてきたんですよ。そのあいだに、我々は、消費者にとって重要なのは価格だと思うようになりました。それに、毎年、利益の達成目標もありましたしね。それで、製造コストの改善成果を上げた社員にはインセンティブを出す制度をつくったのです。コストを下げるためには、出来ることは何でもやりましたよ。毎年、何かしらやり方を変えたり、なくてすむ部分をカットしたりして。増益のために一つ一つ実行してきた改善策が商品の品質を深刻に損なう結果になるなんて、誰も考えていなかったと思います。
ところが、11年経ったところで、ある日、誰かが他者の商品を持ってきたんです。悔しいが、凄く美味しいと認めざるをえませんでした。あまりおいしいんで、うちの商品がまずくて飲めないと思ったほどです。値段は向こうのほうが高かったんですが、実際に消費者が選択の機会を得たとしたら、うちにはとても勝ち目がないー皆が皆、はっきり思いましたよ。うちの商品は薄めすぎてしまって、もう昔のようなブランド競争力がなくなっていたんですね」(『なぜみんなスターバックスに行きたがるのか?(著:スコット・ベドベリ 発刊:講談社)』より)
この話って、現在の農畜産物にも繋がっていると思う。本当に消費者の方々が望んでいる農畜産物を如何に栽培・飼育し、提供していくか、それも生産と消費のバランスを保ちながら・・・大変難しいことかもしれないが、ヒントはおそらく少し遠回りをして、効率の追求をしないということなのでは。