植物の種子を保存(収集、保存、配付)するジーンバンク※は1985年国の事業として産声をあげた。
一方、他国では経済至上主義でビジネスとして種子に着目、種子の権利を持つことで全世界を牛耳ろうと動いた。2005年には、世界の上位10社の多国籍種子会社が世界の商業種子販売高(世界市場の総売上高は年間およそ210億ドル)の半分を支配していることが明らかになり、上位の種子会社には、モンサント社、ジュポン社、シンジェンタ社が含まれた。
一方、「動態保全」とは、単に植物の種子を管理保管するのではなく、植物達は生きた状態で日常の暮らしの中で食され、代々種子をその地域ごとで受け継いでいくことを指しており、単に種子を持っていることだけでは、片手落ちではないかという意味合いを持つ。
日本ほど各地域ごとで生きた種を上手く地域で活用していた例はないという学者先生達も多くおられる。というのは、固有種、在来種といわれるそれぞれの地域に残る種子がたくさんあり、それぞれの地域でその呼び名も料理方法も異なる。戦後、大豆等、それぞれの地域に残る特徴のある種子をGHQは持ち帰り、米国で管理したという有名な話もあるほどだ。
※ジーンバンク・・・生物多様性や農業などの分野で有用な生物の、遺伝子資源を保存するための施設のこと。遺伝子銀行の意。