マルクス・ガブリエル著
副題「『新しい実在論』は世界をどう見ているか」
この本は、今注目されている哲学者ガブリエルに、日本の読者に向けたインタビューを行い、刊行されたものである。
この本を読みつつ
昨日、香港国家安全法が全会一致で可決され、成立した。ガブリエルは、トランプ大統領を好きな倫理学者はいないとしつつ、中国が他国家に行っている不均衡な取引の強要に対し、アメリカが新たな規制を中国に発動していることを肯定している。
中国の一方的拡張がこれからも続くのか、世界的なブロック経済化やアメリカの一国主義化が退化的に進むのか、その中でグローバル経済そのものの質が問われる。
自由と平等を標榜する国家群と、資本主義経済と情報技術を取り込んだ専制的古代国家との間に、妥協の成立し難い闘争が続く。冷戦ならまだしもよいのだけれど。もの言えば軽くて拘束というような国は嫌である。